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【大晦日】旧市街の夜と朝
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【ロベルト、友人と出かける/翠響、想い人と出会う】
「УХ ТЫ!(*wow),人が沢山ですね!」
興奮で高くなった声を聞いて、
ロベルト・エメリヤノフ
は目を細めて頷いた。
——今年は神社へお参りに行ってみようか。
そう考えた時思い浮かんだのが彼、
イリヤ・ジュラヴリョフ
の存在だった。彼は15歳と言う年齢の割に落ち着いて見えるが、子供らしい生意気さと豊かな感受性も持ち合わせた、明朗で健康そのものな少年だった。
しかしロベルトは近頃この年下の友人の中に、『表には出さない何か』があると感じ取っている。
——もしイリヤが何かを気にしているのであれば、外出で気が晴れれば良いけれど。そんな思いを抱きつつ、ロベルトはごく自然に振舞っていた。イリヤも今は綿菓子に熱中しているらしく、何かを気にしている余裕はなさそうだ。
「小さい頃は好きだったけれど、今は手がベタベタが気になります」
「ははは、じゃあ、ああいうのはどうかな?」
射的の店へ行くと、ゲームを終えた
篠原 翠響
がこちらを見ている。ロベルトから気さくに声をかけた。
「やあ、奇遇だね」
翠響の家族を一瞥して、イリヤは笑顔で会釈している。
「すすきので年越し蕎麦を食べてきたのよ」
「それは素敵ですね」とイリヤ。その後彼とロベルトがゲームをする間、翠響はギャラリーの輪に混ざっていた。
「また当てたのかい? すごい上手じゃないかイーリャ! どこで練習したんだい?」
「ロシア人なら幼稚園で習う、でしょう?」
ふふんと鼻をならした腰をロベルトがつっつくと、イリヤは「嘘です、お父さんが教えてくれました」と笑っている。友人同士の睦まじい様子を見て、翠響は慌てて家族を振り返った。
「友達と一緒にお参りする!」
しかしいざ連れ立って歩き始めると、翠響は考えごとで頭がいっぱいだった。
(親の手前、さっき「友達」と言ったけど、イリヤはあたしのこと、どう思ってるのかな……?)
翠響は自分の感情に素直な少女で思ったこと、感じたことを自由に口に出し、行動にうつす性格だ。自分でもそう思っていたのに、この初恋に関しては、うまく付き合うことができないでいる。
(いきなり「好き」とか言ったら嫌われそうだし、かといって何も言わないでいるっていうのも……だいたい、男の子って察するのが苦手なんだよね……)
想像していた時、突然賽銭箱の方へ近づきはじめていた人の波が急に動き出して、彼女はすっかり波にのまれてしまった。
「あとで会えるかもしれません」
「じゃあ先に二人で参拝しとこっか。
せっかくだし何かお願いごとしようかな……うーん。鼯鼠美術大学合格! ……よし!」
「ロビならきっと受かります」
「イーリャはなにかお願い事するのかな?」
「……お願い?」
——ああまた。ロベルトがイリヤの異変に気付いた時、列の背後から圧迫されて、立ち止まれないまま参拝する流れになった。五円玉を入れる時に一瞥した友人の顔からは、何の表情も読み取れなかった。
その後ロベルトとイリヤは、翠響探しつつ境内の端で時間をつぶしていた。
「——甘酒だよ。イーリャは飲んだことあるかい?」
杉の樹に背中を預けて俯いているイリヤから、いつものような明朗な返事は帰ってこなかった。
「まあ、飲んでみればわかるよ。口に合わなかったら僕が飲んじゃうから」
しかしイリヤは口をつけずに中の波紋を見つめている。ロベルトは弾かれたように顔を上げた。波紋を起こしていたのは、深い灰の瞳から落ちてくる涙の粒だ。
「イーリャ……。僕は大丈夫だから、よかったら話してほしい」
イリヤは顔を上げたものの耐えきれずに一度は目を逸らしたが、少しの沈黙の後にロベルトへ向き直った。
「ねえ、ロビ、笑わないで下さいね」そう言いながらも自分の方が酷く歪な顔で笑って続ける。
「さっき家族と過ごしている翠響さんや、周りの家族連れを見て、気付いたんです。僕はやっぱり今も、ペテルブルクに居た頃みたいに……家族でいられたらと思っている……。
もう15歳なのに。お父さんもお母さんも、もういないのに、変ですよね。僕はきっと欲張りな人間なんだ。
だって僕には兄さんたちが——、叔母様が居ますから、I'm really blessed.(*僕は本当に恵まれてる)」
イリヤは秘密を打ち明けることへ恥ずかしさを感じているのか異様に興奮しており、たえず落ち着きなく落ちてくる前髪をかき上げている。混乱した言葉をつっかえつつも繋げ、やっと文章にしていた。
「兄さんたちは、両親が居ない分を埋めようとしてくれてるんです。だからこんな話しは、兄さんたちを悲しませる。しちゃいけないんです。だからね……」
またも俯いて頰をつたう涙を手の甲で拭ったイリヤは、それきり何も言わなくなった。
ただ暫くあとにカップを空にした彼の肩をロベルトがぽんと叩いてやると、「これ変な味ですね」と困ったように笑った。今はこの話はここで終わりにして欲しいと懇願するような笑みだ。
だからもしロベルトが彼の事情に踏み込むのだとしたら、まだその時ではないのだろう。
「おみくじ、ひきに行こうか」
ロベルトが座り込んだままのイリヤの腕を引いた。イリヤは言葉少なだったが、だんだんと調子を取り戻し始めていた。そんな折だ。
「見てー! 俺大吉ー!」
「俺も大吉ー! 見て見てー!」
同じ声を重ねながらひょっこり現れた
エリセイ・ジュラヴリョフ
と
レナート・ジュラヴリョフ
の姿を見て、ロベルトは息を止めて彼らの弟を振り返った。
しかしイリヤは笑顔だ。ロベルトがこっそり安堵の息を吐く横で、
佐藤 英二
や
大道寺 紅緒
と
伊橋 陽毬
と楽しげに言葉を交わし合っている。
「いやーきっと俺たち日頃の行いが良いからだなー。それにひきかえ英二は——」
エリセイが後輩をいじっていると、レナートが首を回して笑顔を向けてきた。
「紅緒ちゃんが今日は大吉ばっかだからだなんて言うんだ、酷いよね。イーリャとロビは? どうだった?」
「お参りもしたのに変だけど、やっぱり僕が引いたら悪い気がしたし、やってないよ。
それでロビがひいたのを見せて貰ったけど、謎かけみたいに難しくて、僕じゃ分からない」
首を振ったイリヤへ、二人の兄は自分たちの紙を押し付けて、みくじ掛をさした。
「これをあそこに結ぶんだよ」
「二枚あるからすげー強運かもよ?」
「でもこれは兄さんたちの——」
首を傾げたイリヤの言葉を遮って、エリセイが微笑んだ。
「俺たちの幸せは全部お前にあげる」
「いいからロビと行っておいで」
レナートに送り出されて困惑したままのイリヤの背中を、ロベルトは黙って押して促した。
するとそこへ、うねった人の波から翠響がはじき出されてきた。
「わわっ!」
段差を踏み外して転びそうになった彼女の両肩を、イリヤが掌で受け止めた。皆はギリギリで助かった状況に拍手を送っていたが、翠響は安堵よりも冷や汗よりも、「大丈夫?」と肩越しに囁く声に赤面していた。
それからは一行はワイワイと騒がしく夜店をなめて帰り、同窓生に会っては挨拶したりからかったりを繰り返して、ミルクホールの近くで別れることになった。
「皆も上がって行けばいいのにー」
「ヴァンのそういうところが嫌いですわ」
「ミルクホールの三兄弟は同じベッドで寝るという噂を検証できるのならむしろ喜んで!」
「ほらほら陽毬、帰りますわよ。貴女もよ中学生さん。もう遅いのだし、こんなところに夜中居たら、『イワンの馬鹿』が憑ってしまうわ。
ではご機嫌ようロベルトさん、イリヤはまた後でね」
紅緒が別れを惜しんでいる陽毬と翠響の首根っこを捕まえて帰路につくのを笑いながら見守って、ロベルトは玄関口に立ったままのイリヤへ声をかけた。
「イーリャは初日の出を見るのかい?」
「はい、兄さんたちと、皆と、ポンチクも一緒に」
——大丈夫だから。そう言った友人を信頼するイリヤのはにかんだ笑顔を見て、ロベルトは眉を下げた。
「楽しめるといいね。С Новым годом!(*Happy New Year!)」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
東安曇
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
41人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年03月11日
参加申し込みの期限
2016年03月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年03月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
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