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【大晦日】旧市街の夜と朝
大晦日バースデー
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【満月、信彦に誕生日を祝われる】
それは大晦日の夜、とある店先で——。
ブリーチした髪はワックスで整え、闇の中に輪郭を浮きたたせた純白のタキシードで、頭の上から爪先まで隙無しに。
ただしこの場がお好み焼き屋『うさぎ屋』の前で無ければ、だが……。
良くも悪くも庶民的な雰囲気が漂う街中に突如として現れた
八十八旗 信彦
の姿は、お好み焼きで例えるのなら海鮮トッピングを頼んだら、桜エビの代わりにキャビアが入っていたようなものだ。
——どうも、俺、キャビアですよ。
——知るか!!
宇佐見 満月
はそういう顔をして、信彦をじっと見ている。
「何でチャラ彦君が居るんさぁね?」
信彦の右手にあるケーキの箱の中がホールなのは蓋を開けずとも分かっていたし、腕に抱かれた薔薇の花束は満月の鼻の奥まで甘ったるく刺激してきたが、そんなものは知らぬ態度で質問する。
そもそもだ。
(今日あたしが一番見たくないモノは……『バースデーケーキ』とかそういうものなんだよっ!)
和服のお陰でなだらかな曲線になっている筈の肩はむかつきでいかり、震えていたが、満月は激しい言葉だけは飲み込んだ。普段弟や姪の保護者役としてあらゆる事を一手に引き受けているだけはある。大人の態度を貫こうと冷静を務めた。
それに信彦が——彼の性格が天然なのか真面目なのかは、この際置いておこう——相手を思いやる気持ちまで、踏みにじる訳にはいかないからだ。
「あたしゃこれから蕎麦喰って二日詣でに行ってくるんさぁ。
さあさ、モテる少年は他の女の子の所へ行った行った! プレゼント仕舞ってとっとと帰りな!」
気っ風の良い調子で言い放つと、片手に持っていたまま存在をすっかり忘れそうになっていた襷を、こ慣れた様子でピッとたて、脇に挟む。
満月の視線が斜め下にそれたこの瞬間、信彦はそれまで踏み込んでこなかった一歩を大股で前に、薔薇を持った方の腕をぐるりと大回しにした。
こうして彼は、相手にあっともいっとも言わせぬ手際の良さで、満月の女性らしい身体を自分の腕の中に収めるのに成功した。
いつの間にやらケーキは店先のちょうど良い場所に置く周到さだ。
満月の口から「えっ、あっ……」と戸惑いの音が漏れたのは、信彦の指先が彼女の顎をクイッと持ち上げてからやっとである。
「——満月ちゃん」吐息交じりの声が、耳元で囁かれた。その気があれば顔が真っ赤になり、その気が無ければ腕に鳥肌がたつシチュエーションだ。満月がそのどちらの反応を示したのかを確認せず、信彦はぐいぐいと肩で風をきる勢いで前へ進んでいる。
——押してダメなら、もっと押せ。彼は完璧な肉食系だ。押されまくりの満月は、精一杯の反応をする。
「なになになになに、なんさねっ!?」
「会いに来たんだ、俺にとって、今日は何よりも大事な日だからね。——愛する人がこの世に生まれた」
倒置法に次ぐ倒置法でロマンチックさを演出しつつ、信彦は満月の柔らかな唇を親指の先でなぞっている。
「そーそそそ、それは口説き文句とかそういうや——」
自分で言った『口説き文句』と言う響きがいざ唇を離れると、聞きなれない感触がぞわりと耳朶を撫でる。最早満月は「あわわ」と漫画の吹き出しに見るような声を口に出すまで狼狽しきっていた。
お陰様で信彦はいよいよ調子づき、悩ましげな表情で彼女を見つめる。
「素直になっても良いんだよ?」
顎を掴む指に僅かに力がかかり、互いの吐息すら混じり合う距離に顔が近づいてくる。
薔薇の甘い香りに囚われて、並みの女なら落ちてしまいそうな状況だった。
そして残念なことに、満月は並みの女では無かった。
「フンガーッ!!」
突如鼻息と唸り声が混ざった雄叫びを上げ、腕に掛けていた襷を引き抜くと、信彦の腕に一巻きする。
「……満月ちゃん?」
きょとんとする信彦を満月は無視して、猛然と彼の腕に襷を回し続けていた。
ひと巻き、ふた巻き。
されるがままになっていた信彦は、答えてくれない相手を不思議に思うどころか、高校生らしい詰めの甘さで勝利を確信して「ははあ」と頷く。
(これが世に聞く『お持ち帰り』というヤツかな? 今夜は大人の階段を上ってしまうかもしれないなぁ)
仲間たちの噂話や、ネットや雑誌で見るそれらに自分を置き換えてみる信彦である。そしていよいよその時になったら上手くやれるように、手順を思い返すので忙しくなった。
目を静かに閉じて集中している彼は気付かない。
——自分の両足が、いつの間にか宙に浮いていた事を。満月の唸り声が、どんどんと高くなっていた事を。
「フンゴーッッ!!!」
ゴリラもかくやな雄々しい叫びに、信彦はそこで初めて異変に気付き、目を大きく見開いた。
新幹線の車窓のように流れていく景色。
周囲から聞こえるざわめき。
——ああ、俺は今、空を飛んでいるのか。冷静に分析して理解した刹那、彼の頭が鈍器に殴られたような衝撃と共に、光が舞い散った。
しかしそれは、新年を迎えた記念の花火では無い。
どこぞの廃寺で、満月にぶん投げられた信彦が、梵鐘に撞木よろしく頭をぶつけて鳴らした音だ。別の寺で除夜の鐘撞きをしていた人々は、突然異音が混ざった事に、さぞ驚いた事だろう。
今は——そして恐らく今後も——そんな事は知り得無い満月は、梵鐘の前にケツを立てるような形で頭から滑り込んでいる信彦の肩をむんずと掴んで叩き起こしながら叫ぶ。
「おぉおおおお、大人をからかうのもいい加減におしっ! 良いかい、世の中には言って良いことと悪いことと——」
いっぱいいっぱい混乱しきった満月が、己のしている事の自覚も無いまま信彦をがくんがくんと揺さぶっている。当の信彦は誰の目から見ても昏倒していたのだが、幸いな事に二人の醜態は誰も見ていなかったのが、大晦日の奇跡だった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
東安曇
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
41人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年03月11日
参加申し込みの期限
2016年03月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年03月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
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