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FEAR THE FORCE:前哨
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曲がりくねった通路が突然、まっすぐで広い大通りのような道となった。
道は間もなく、がらんとした大広間にたどり着く。
「なんていうか、閲見の間、って感じがするな」
獅子目悠月は言いながら、下ろした髪を結い直していた。直前の戦闘で、髪を縛っていたゴムが切れたのだった。適当な紐がなかったので、応急処置的に包帯を使っている。
彼ら四人は、悠月の指摘に従い、蛇のモチーフを探しながら歩みを進めた。
するとたちまち、進むべき方向がわかるようになっていったのである。蛇といってもかなり記号的な形状ばかりだったので、注意して見なければ単なる床の模様に見えただろう。意識的に探したことが、結果的に迷路を抜けるのに幸いしたのだった。また、かつてこの洞窟を探検した経験のある志波武道が、以前は埋まっていたはずの方角を適切に指し示してくれたという理由もある。
「閲見の……」
武道は言いかけて、一旦口を閉ざした。
「ああ、そうらしいね」
広間の突き当たりには玉座のような石の席があり、そこに小柄な人物が腰を下ろしている。
とっさに物陰に隠れようかと思ったが、もうこちらの姿は見えてしまっただろう。こうなればもう仕方がない。
――万一に備えて、『ろっこん』は出せるようにしておこう。
武道は右手を一度握り、そして開いた。あとは手刀で一撃できる間合いまで、近づけるかどうかが問題だ。
呉井陽太がちらりと黒依アリーセを見た。アリーセは何も答えないが、彼の意を理解して前に進み出る。
「夜分遅く失礼します。もしかしてあなたが……『Amrita』ですか?」
言いながらアリーセは、武器を持っていないことを示すように両腕を広げた。
玉座の人物は、サイドテーブルにワインの瓶と、透明なグラスを用意していた。血の色の液体を自分で注いで、口径の大きなワイングラスを回しながら、ゆっくりと美味そうに飲んでいる。一口が終わるまで、まったく口をきこうとしなかった。
そうして、ようやくグラスをテーブルに戻すと、玉座の人物は、
「そうだ、と言ったら?」
と、元々細い目をさらに細めたのである。値踏みされているような気がして、アリーセは無意識的に自分の胸をかばうような姿勢になっていた。
男は、まだ青年といっていい年頃の肌つやだが、すでにどこか達観したような顔つきをしている。口元だけ笑っているものの、目はまったく笑っていない。髪はすでに半分白くなっていた。身長はあまり高くないらしく、足が玉座の下まで届いていない。
奇妙なのはその服装だ。襟のある白衣を着ている。ボタンを留めていないため、その下の、軍人の礼服のような黒い衣装もよく見えた。
臆さずにアリーセは答える。
「わざわざ連絡ありがとうございます。お招きに応じてここまで来させていただきました」
「結構」
と男は尊大な口調で言って、
「私は、香川王堂(かがわ・おうどう)という。呼ぶときは名前の前に『ドクトル』をつけてほしいね。『ドクトル・カガワ』。あるいは『香川博士』だ。論文が認められていないが、博士号に相当する業績を上げていると自負しているのでね」
そして、やはり目以外の部分で笑う。
半月刀のような目は、油断なくアリーセを捉えたままだ。
「では香川博士、あなたががここで探している物、あるいは必要としているの物はなんでしょう?」
ところが香川は直接その言葉に答えなかった。
「君は何ができる?」
「は?」
「できるんだろう? 物を浮かせることか? 相手を眠らせることか? 助走もせず、十メートル近く垂直に飛び上がれるとか……彼女に限らないよ。そこの彼でも、彼でも、彼でもいい」
言いながら香川は、悠月、武道、陽太を次々に指さしていった。
「おおっとっと、いきなりですねぃ?」
陽太はアハハと笑って、道化師のように大袈裟に礼をした。
「芸のひとつでも披露せよとおっしゃるのであれば、こちらの質問にも答えていただきたく……ずばり、野々ののこちゃんはどちらにいますか? そも、どうしてののこちゃんが必要だったんです?」
「後半の質問だけ回答しよう。あの娘が、『力』の中心にいると思ったからさ。君たちの力……『ろっこん』、というのだっけ? あれの源かと」
「ああ、でも香川さん……」
アリーセが言いかけたが、たちまち香川は目を怒らせた。
「ドクトルだ! 『ドクトル』か『博士』を付けたまえ!」
「あ、はい。香川博士、しかし、どこまでご存じかわかりませんが、野々さんにこうした力は……」
するとまた、瞬時にして香川は能面のような表情へと戻る。
「ないようだな。だが、彼女には力を持った者たちの中心にいることがわかった。だからいい餌にはなった。君たち『もれいび』を集めるための」
「過去を俺に見せた目的は……!」
武道は、強い酒を呑んだ人間のように目が据わっていた。返答次第では――という様子を言葉じりに見せている。
「おっと、武道くん、抑えて、抑えて……」
陽太は小声で彼に告げた。
「もう少し情報を引き出したい。だから……ね?」
そんな陽太と武道の様子を見ても、なんら気にならないような口調で香川は言う。
「そうか、君は『黒の螺旋』の片鱗に触れたんだな? だがあれはまだ螺旋は未完成だった。だから、過去と向かい合いたい愚か者のところに現れるにすぎなかったのだよ。つまり、螺旋が回っても、現実世界のほうは何ら変わらない」
「その『黒の螺旋』は装置かなにか、ですかねぃ? 過去を見たり体験したりという……」
香川が回答することを陽太は期待していたが、香川は、焦らすかのように曖昧な笑みを浮かべるばかりだ。
だったら、ともう一歩踏み込んで陽太は言った。
「もしかして、ののこちゃんは過去と向き合って、意識が戻らない……なんてことになってます?」
すると香川は、はたと膝を打ったのである。
「そうか! その可能性は考えていなかった。確かに彼女は目覚めない。おっと、安心したまえ、優秀な護衛をつけて別室で休んでもらっているから。野々ののこ君は、無事だよ」
「それはいいことを聞いた――!」
声がしたかと思いきや、吹き込んだ黒い疾風が香川を狙った。
疾風の正体は御剣刀だ。
授かった力『加速』を発動した刀にとっては、あらゆるものがスローモーションに見える。
すべてがスローの世界では、いましゃべっている男など、止まっているに等しい。
刀はすでに抜刀している。
刃引き刀を両手で、振り下ろす!
「最初に言っておくべきだったな……」
香川は、ふたたびワイングラスをとって一口した。
「私に『ろっこん』は利かないよ。私にその力を向けた者は、自身の力の反動を受ける……」
高速で香川に向かった御剣刀の体は、まったく同じ力で逆方向に跳ね飛ばされていた。
これは完全に想定外だった。刀は石の柱のひとつに激突し、ずるずると床に滑り降りていったのである。
――馬鹿な……。
「剣士君、どうやら、その太刀を私に当てるつもりはなかったようだね。恐らくは寸止めして、脅しに使う気だったのかな? それが幸いしたよ。振り下ろしていたら、きっと君のほうが死んでいただろうから」
――太刀じゃない。太刀というのは馬上戦闘で使うものだ……俺のは打刀(うちがたな)……。
反論したいところだったが、刀はその前に意識を失っていた。
その様子を無感動に見届けて、
「それから、こういう小細工も通用しない」
香川は指をパチンと鳴らした。すると彼の白衣のポケットから、親指ほどの大きさをした粘土細工のウサギが飛びだしたのである。これは、アリーセが香川の注意を惹いている間に、こっそりと陽太が忍ばせたものだった。
ウサギ、つまり、陽太の『ろっこん』の依り代である『ウー君』は、そのままぴょんぴょんと跳んで、こともあろうに陽太に体当たりを繰り返した。まるで陽太こそが、ウー君の敵だといわんばかりに。
「わかるかい? 力を私に対して使おうとすれば、君たちは、君たちの『ろっこん』に痛めつけられることになるだろう。つまり、私を前にしたとき……」
香川は立ち上がった、そして、勝ち誇ったようにこう宣告したのである。
「……君たちが恐れるべきなのは私ではなく、自分自身の『力』ということになのだよ!」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
バトル
神話・伝説
定員
20人
参加キャラクター数
21人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年07月18日
参加申し込みの期限
2016年07月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年07月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
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