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FEAR THE FORCE:前哨
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すんでのところで、尾鎌蛇那伊はナターシャに腕関節を取られる前に彼女の腕から抜け出していた。
すぐに立って距離を取る。
――軍隊格闘術に近いわね……いや、きっと軍隊格闘術そのもの。一瞬にして無力化されるところだった。
蛇那伊はやや腰を落とした。おそらく軍経験者とおぼしき彼女は、打撃を繰り返すことよりも、一撃で倒すことを念頭に置いているように見える。
猫のようにおとを立てず、ゆらり、ゆらりと横移動しながらつぎの一手を狙っているようだ。
強敵である。
ならば蛇那伊も、全力を出すほかあるまい。
――焦っては、駄目。
蛇那伊は全身、感覚器と化していた。五感をフルに使って、ナターシャの些細な動きも感じ取ろうとする。
耳で呼吸音を捉える。
皮膚で空気の流れを見る。
目で筋肉の動きを予測する。
鼻でアドレナリンの匂いを嗅ぐ。
舌で空気に混じる汗の味を判別する。
おそらくは、相手も同じことをしようとしているだろう。
戦いが膠着状態に入ったことを蛇那伊は理解している。
こうなれば、読みあいだ。
敵の行動を瞬時に先読み、対応するしかない。
――けれど彼女も、アタシの対応を受けて次の手を出すでしょうね。だったらこっちは、その対応も組み込んでさらに先を読む。
将棋の名人同士の対局に似ている。いずれも、対峙しながら互いの先の先を凄まじい速度で読みあう。それこそ百手先の対応を組み立てねばなるまい。相手が予想外の行動を取る、すなわち読みが外れれば、すぐに最初の計算結果を捨て、新たな読みを構築する柔軟性が必要だ。
互いに手練れゆえ、睨み合っての読み合い、予測同士のぶつかり合いが激しい火花を散らしているが、第三者の目から見れば、ただ睨み合って静止しているようにしか見えないだろう。
一対の金剛力士像のように、蛇那伊とナターシャは固まったままであった。
ところが、
――龍の髭を蟻が狙うって、こういうことだよね!
ナターシャの背後から、佐藤英二が飛びかかっていた。気絶したふりをして、ずっと機会を窺っていたのだ。
反射的にナターシャはこれを払いのけたが、次の瞬間には、蛇那伊に背後から首を固められている。一般に、チョークスリーパーと言われる体勢だ。気管を塞ぐことになるため、がっちり極められると『落ちる』技の代表格でもある。
払いのけた、と言っても、怪力のナターシャから顔面を打たれた格好である。英二は頬を真っ赤にした状態で、固い壁に背を付けて座り込んでいた。
「……うん?」
ふと顔を上げると、そこに野々ののこの靴がある。彼女が寝かせられた壇のところに飛ばされたらしい。
その靴が動いている。
そればかりではなく、
「あー、よく寝た!」
むっくりと、ののこが身を起こしたのだった。
「あれえ?」
目を擦りながら、ののこは下を見た。
「なにしてるの、英二君?」
「あのときの約束を果たしにきたのさ」
英二は言った。……つもりだった。
だが頬が腫れはじめており、舌がもつれて、
「はのほひのひゃくそくほ……」
という感じにしか発声できなかった。ふざけて笑わせようとしていると思ったようで、ののこは腹を抱えて笑い出した。
「あははは、ちゃんと言ってよー☆」
顔が痛いので大きく口を開けて笑うのは難しいが、それでも英二は笑みを返した。
彼女の笑みを見られたから、満足だ。
――野々さんはやっぱり、笑顔でいるのが一番似合ってる気がする。
英二は思う。
――僕も、元気に笑っている野々さんが一番好きかな?
ののこと英二は同時に振り向いた。
「うわっ、な、なんだ!?」
海原茂が部屋に入ってきたのだ。蛇那伊がラバーマスクの怪人を絞めているのを見て、茂は目を白黒させている。
「先輩、これはプロレスですよ、プロレス! プロレスだ、ウォー、ウォー」
同行の鷹取洋二はそんなことを言って浮かれており、まったくといっていいほど緊張感がない。彼らしいといえば、らしいのであるが。
一方で、
「ののこちゃん!」
桜庭円が、そして小山内海が、ナターシャの横をすり抜けてののこに駆け寄った。
『大丈夫だった!?』
海はスケッチブックにそう書こうとしたのだが、驚きと安堵で手が震えて上手く書けない。
それは、蛇那伊ほどの剛の者でも仕方がないことだったろう。これだけの人数が一気に押し寄せたこともあり、彼の腕はかすかに緩んでしまったのだ。
それをたちまち読んで、ナターシャの指が閃光を描いた。すなわち彼女は、伸ばした指で蛇那伊の目を突いたのだ。
「ッ!」
ゴム越しの一撃ゆえ失明するほどの損傷はないものの、蛇那伊に隙が生まれたのは当然だろう。
これをついてナターシャはウナギのようにするりと彼の腕から逃れ、
「覚えておく……」
と短く言い残し、部屋から豹のように駆け出していったのである。
少し遅れて如月庚が到達する。庚はナターシャの姿を見たが、手を出すのは控えて道を通した。
「行けよ」
ぶっきらぼうに告げる。
庚は直観的に、黒いラバースーツの姿が逃亡を図っていることを理解していた。
逃げる相手を追い打ちするのは、趣味ではない。
――覚えておく、か……。
蛇那伊は、もう見えなくなったナターシャの背に呼びかけていた。
――アタシこそ、覚えておくわ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
バトル
神話・伝説
定員
20人
参加キャラクター数
21人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年07月18日
参加申し込みの期限
2016年07月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年07月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
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