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FEAR THE FORCE:前哨
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――これは三歳くらいか?
すぐに志波武道は思いだす。
胸に秘めていた記憶だ。
口に出すまいとして、それゆえにまだ、心の奥底でくすぶっている火種のようなもの。
初めて、嫉妬という感情を覚えたころの自分の記憶だった。
正確な日はわからない。病院から母と、見知らぬ赤ん坊が戻ってきて半年から一年ほどの間のことだ。
赤ん坊というのは武道の弟だった。しかし、この当時はどうにもなじめなかった。
弟が生まれるとはずっと聞いていたが、武道はその場面に立ち会ったわけではない。血が繋がっているとか言われても、顔が似ていると言われても、どうにもピンとこないのだった。正直、どこかで拾ってきたのでは――という疑念が当時の武道にはないわけではなかった。
だが、武道がなじんだかなじんでないかは関係がなかった。
赤ん坊はたちまち、これまで家庭内に占めていた彼の特権的地位を奪ってしまった。
両親がまずかまうのは弟で、武道はなにかと「お兄ちゃんだから」とたしなめられる。あるいは我慢を強いられる。
脚光を浴びるのはいつも彼で、自分は急に、彼の引き立て役へとランクダウンさせられたような気がした。
なりたくて『お兄ちゃん』になったわけではないというのに!
――それが寂しかった、悔しかった。
なので武道は弟に意地悪をした。遊んでいるオモチャを取り上げてみたり、隠してみたり。ぶったりしたこともある。
この日も武道は、まだはいはい歩きの弟に、わざとボールを転がして当て、転倒させたのだった。
当然、弟はびっくりして、この世の終わりが来たかのように大泣きする。するとワープ装置でもあるかのように、瞬時にして母親が飛んできて武道は叱られた。
でも叱られるのは、武道にとって必ずしも嫌なことではなかった。
それは彼が、短い間だけでも、母親を独占できる時間だったからだ。
――あぁこれは俺が一番素直だったときの……。
気がつくと武道は、眼前に呉井陽太の背中を見ていた。
「……陽太君、か?」
エーテルを吸ったみたいに頭がくらくらする。軽い頭痛もあった。寝覚めとしては、あまりいいほうではない。
「気がついてくれて良かった、武道君」
もう目が覚めないのでは――と危惧したことまでは陽太も言わない。
言っている余裕がちょっと、ない。
陽太はぜいぜいと荒い息をして、ピッケルを両手でつかむと、柄のほうを下に柱のように立て、地面に座り込んでいた。もう周囲に蟲の姿はない。
「こっちはなんとかなりました」
黒依アリーセと獅子目悠月が駆け寄ってくる。二人とも怪我はないようで、そのことにも陽太はほっとしていた。
「俺、もしかして……」
武道は顔を曇らせた。
「陽太君たちに迷惑をかけた……か?」
「ああ、かけたかけた。大迷惑だったよぅ」
眼鏡をぬぐいながら陽太はニヤリと笑った。
「だが、迷惑をかけてかけられて、ってのが人間社会なんじゃないかな? オレも武道君には迷惑かけたことあるし、これからもきっとかけるわけだから、お互い様ってやつだよねぃ? 気にしない気にしない」
武道を護って陽太は獅子奮迅の働きをしたわけだが、それを恩に着せたりしない。貸しとか借りとか、そういう負担は持ちたくなかった。だから陽太はこの話をすぐに切り上げ、すまんと頭を下げる武道の背中を軽く叩き、水筒に入った水を渡す。
それよりも陽太は、気になることを優先した。
「無防備な、まるで魂が抜けたみたいになってたけど、大丈夫だったかぃ? なにか見た?」
「ああ、実は」
ぐっと水をあおって武道は言った。美味い。ただの水なのに、魂の汚れも洗い流してくれるような気がする。
「例のメール……『過去と向かい合う』って文面があったよな。まさに、その状態にあった」
武道は簡単に経緯を話した。その過去で、自分がどんな想いをしたかまでは打ち明けられなかったが、それ以外は口にできたと思う。
陽太にその体験はなかったようだ。アリーセと悠月も顔を見合わせあっている。この現象に逢ったのは武道だけだ。
なので武道は過去に意識が飛んだこと、それをしっかり話しただけではなく、自分が飛んでいる間の肉体状況について陽太に確認し、体感時間と実際に経過した時間の差も調べてみる。
肉体的には無防備になるようだ。
長い時間別世界にいた気がするが、現実に経過したのはほんの数分だったと思われる。
「楽な体験じゃなかったようですね」
悠月が問うも、武道は思った。
――いやむしろ、気分は少し、楽になったかもしれない……。
だからつとめて、こう明るく答えたのである。
「大丈夫だよ。なんていうか、三歳当時のことを思い出せて懐かしかったし☆」
過去への旅を終えて戻ったとはいえ、過去が書き換わったわけではない。
過去は変えられない、今は変わっていない。
――俺は、記憶を再生したに過ぎないはずだ。
でないと……今笑えるはずがないではないか。
洞窟から戻ったら弟の顔を見にいこう――そんなことを武道は思った。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
バトル
神話・伝説
定員
20人
参加キャラクター数
21人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年07月18日
参加申し込みの期限
2016年07月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年07月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
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