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FEAR THE FORCE:前哨
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八神修もまた、ここではないどこか、別の時間軸にいる。
あれは以前、入学間もない春の日……以前といっても、まだ一年に満たない程度の過去のことだというのに、あれからもう、何年も過ぎ去ったかのような気がする。
まだ桜が散りはじめてもいない頃だった。
新入生オリエンテーションの一環として、九夜山でトレッキングが行われた。寝子島高校を出発、落神神社周辺を通るコースを散策し、猫又川そばの桜の群生地を目指すという内容である。
初々しい気持ちで、修もこれに参加した。
いい天気だった。半日の行程は終わりに近づき、花見にぴったりのロケーションにて弁当を広げたところで、彼はクラスメイトの七夜あおいに気がついたのである。
そのころ自分があおいにどんな感情を抱いていたのか、修もはっきりとは覚えていない。といっても、気になっていたことは確かだったと思う。もう、好きになりかけていたのかもしれない。
だからだろう、このとき彼はあおいを見つけると、迷わず声をかけていた。
「よお、七夜」
「あ、修君。どうしたの?」
――今でもこのときのことを思い出すと、穴があったら入りたくなる……。
そのとき彼があおいに対して取った行動は、あまり印象のいいものではなかった。いや、相手があおいでなければ、それきり口を聞いてもらえなくなってもおかしくないほどのものだった。
とはいえ修とて、あおいを傷つけようと思ってやったものではない。
むしろ逆だ。あおいが肩身の狭い思いをしないで済むよう、彼なりに考えて行った行動だった。だが結果としては、気持ちが空回りしてしまったといっていい。
わずか数ヶ月前とはいえ、随分と稚拙なやりかただったと、今は反省している。
――もっともっと誰も傷つけずに成功させたい。
そう願う気持ちが呼び寄せたのだろうか。
ほんの数分前、いや、数十秒前まで、修はマッピングをしながら洞窟を進んでいた。鉄板入り書類鞄を盾、バットを鈍器にして果敢に戦い、蟲を撃退してもいる。だが蟲を倒すのが目的ではないので、追い払えればそれでよしとし、深追いは避けて先を急いだ。
――あおい。
その気持ちだけでここまで来ていた。
――必ず俺は、あおいの世界を取り戻す……!
ののこを喪失した世界は、あおいを悲しませるものでしかないだろう。あるべき世界を取り戻すには、どんな労苦も惜しまない。
そして修はここに来た。数ヶ月前の世界に。
「手作りか? なんか美味そうだな」
自然に顔がほころぶ。
本当は、こう言いたかったのだ。そもそも、これが修の正直な思いだった。あおいが手作りしたものだ。心がこもっていれば、それこそ最高の調味料ではないか。
「そう? ありがとう」
屈託なくあおいは微笑んだ。
――これが見たかったんだ。
「俺の弁当と、いくつかおかずを交換しないか」
周囲にいた同級生に、えっ、という反応をする者もあったが修は気にしない。
「本当? 好きなの選んでよ」
「じゃあ、これ」
といって彼は、半ば炭と化した玉子焼きを迷わず指定した。
「いいの……? 修君のお弁当に比べると安っぽいけど……」
「手作り感があっていいと思う。好きだな、俺は」
皮肉な調子はまったくなかった。
あおいがこの世にいてくれること。
しかも自分と同じ学校で、こうして食事をともにできること。
それを修は喜んでいる。幸せだと、思う。
玉子焼きを口に運んだ。焦げており形も悪いが、しっかりと味はついていた。決していい加減に作ったものではないのだ。
悪いところより良いところを探すほうが、ずっと楽しいしずっと気持ちがいい。
「うん、美味い」
修は、そうあおいに微笑みかけた。
――こういうのもいい。
あおいの笑顔をたくさん見ることができた。修にとってはそれが、贅沢なくらいのご馳走だ。
今さらあの経験をなかったことにできないことは、修には十分すぎるくらいわかっている。それが現在につながっていいるのだから、否定するつもりはない。だが、『あったかもしれない』可能性の一つとして、さっき見た展開も覚えておきたいとは思った。
「……」
首を振って立ち上がる。
それにしても、なんだったのか。
幻覚を見せられていたような感覚はない。催眠術などのトリックとも違うようだ。
あまりにも現実味があった。まるであれが、もう一つの世界であったかのように。パラレルワールドに迷い混んでいたのだろうか。
あの世界にたどりつく直前、ローズマリーに似た匂いを修は嗅いでいた。
――ローズマリーというハーブには、記憶力に作用する効果があると聞いたことがある……。
それがなんらかの形で作用したのだろうか。だから過去の記憶の世界に入った……? 一度、調べてみたほうがいいかもしれない。
それにしても、都合の悪いところで意識を失ったものだ。岩と岩の狭間のようなところにはまり込んでいる自分に修は気がついた。地上から2メートルほどの、少し深い場所になっている。
意識が飛んだときに滑り落ちたのだろう。手と膝をすりむいているのもわかった。といっても、ほんの軽傷だったのは幸いだが。
「修君!?」
顔を上げた修は、おや、という顔をわざと作って見せた。
「まだ夢を見ているらしい。あおいがいる」
「夢じゃないよ」
七夜あおいが、笑って手をさしのべた。引っ張り上げようとしているのだ。
いつだって、修に安らぎを与えてくれる笑顔だ。
あおいの体格では尺が足りず、彼女の手は、あとわずか修に届かない。
「たいしたことなさそうで良かった……怪我はない?」
「ああ、ほとんど無傷だ」
「気絶してたの?」
どうやらあおいは、彼が頭でも打って昏倒していたと思ったもののようだ。
「いや……どういう原理かわからないが、ちょっと、四月頃の夢を見ていた。あれは夢というより……過去を再体験したというか……」
簡単にだが、心を込めて修は内容を説明した。後悔している部分を含めて、包み隠さず。
「あれは最悪の出会いだった。けど互いを強烈に印象付けた出会いだったな……俺には……」
運命的なものだった――そう言いたかったが、その前に、
「手伝う」
あおいと入れ替わるようにして、もう一本腕が伸びた。
鴻上彰尋だった。
修は彰尋を見た。彰尋も修を見る。
互いに目をそらさない。
一秒ほど、そうしていただろうか。
修は彰尋の手をつかんだ。
けれども抜け出すには少し、岩と岩の間隔が狭い。どうしても修の頭は岩にぶつかりそうになる。よくもこんな場所にはまりこんだものだ、と彼は苦笑した。
「もう少しなんだが……」
彰尋がつぶやいた。このとき、
「岩……早くどけないと……修君が……」
声がして振り向くと、あおいが思い詰めたような顔をして、岩に両手を掛けていた。
「あおいさん、なにを……?」
という彰尋の言葉が終わるよりも早く、あおいは『ろっこん』を発動させていたのである。
彰尋は息を呑んだ。あおいが力むと、少しずつではあるが確実に、巨岩が動くではないか! あの細腕のどこにそんな力があるというのか……!
――そうか。
このとき彰尋は理解したのである。あおいにも、人知を越えた能力があるということを。
狭間から抜け出てみると、もう一人、夜海霧楓の姿もあった。
楓の姿に、彰尋とは違うタイプの戦慄を修は覚えている。なんというか、弾を装填した重いハンドガンが、ごろりと無造作に置かれているような。
「俺たちがここに来た事情は、そちらと大同小異だろうぜ」
楓は端的に言った。
「野々を見つけて連れ帰る、それだけの話だ」
「うん」
あおいは言う。ぐっと両の拳を握って力んだ。
「それに、寛美ちゃんも探す!」
「……寛美?」
修は怪訝な顔をした。
「ああそうか、修くんは知らないんだよね? 実は……」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
バトル
神話・伝説
定員
20人
参加キャラクター数
21人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年07月18日
参加申し込みの期限
2016年07月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年07月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
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