this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
FEAR THE FORCE:前哨
<< もどる
1
…
18
19
20
21
22
…
33
つぎへ >>
円の頭を狙った針は、蒼く輝く拳に砕かれていた。
いや、針と言うより、蟲そのものが、弾けて四分五裂した。
「放っておけねぇなあ、やっぱ」
その名は青にして蒼穹、その、容赦なき一撃。
「如月か、いいところに!」
海原茂が声を上げる。
額に傷、不敵な面構え。人は彼を不良と呼ぶが、厄介事を避けて通らぬ生き様をそう呼ぶのであれば、汚名も誇りとして戴こう。
彼こそ、如月庚だ!
「出てきやがったな厄介事ども……よかったな、今日の俺ぁすこぶる気分が良い」
庚はニヤっと笑った。蒼い輝きに引き寄せられたか、甲虫がさらに何匹も何匹も、天井の穴から降りてきたのである。
――あのときも、今も、俺は俺だ。厄介事も面倒事も俺の『領域』に入る奴ぁ容赦しねぇ。
拳が吼える。蒼い軌跡を描きだす。
それとともに蟲たちは、甲高い声を発して破裂するのだ。
神魂のエネルギーが蒼色に顕在化していた。これを宿した今、庚の身躯は人を超え、拳は岩すら易々と打ち砕く。
「『納得』した俺は、強いぜ?」
異能者が闇を駆ける、穿つ、舞う!
小山内海もまた、香に包まれて不思議な体験をしている。
何年も前の話ではない。ほんの少し前である。
苦い思いが去来する。己を過信した、とまで言えば言いすぎかもしれないが、たしかに単独行動は軽率だった。
あのとき、みんなと一緒に動いていればあんな怖い思いを味わわずに済んだかもしれない――海が後悔しているのはこのことだ。
洞窟は幻のように消え去っていた。そしてなぜなのか、海はあの後悔した瞬間を再び迎えていたのである。
二度目の「あのとき」だ。やり直すチャンスが与えられたというのか、それとも、後悔のあまり、過去の風景に自己を投影させてしまったのか。
あるいは、ののこの消失や洞窟のことはすべて嘘、もっといえば、あの選択をした後の記憶はすべて捏造で、海はまだ、選択前の状態にあり、一人で行動することを選べばどうなるか、ずっと長い想像をしていただけなのかもしれない。
――今度は、みんなの方に向かおう。
海はそう決めた。怖い目にあって、後悔するのはもう沢山だ。安全な道があるのなら、それを選ぶべきじゃないのか。なんといっても自分は、『ろっこん』があるとはいえ単なる、一人の女の子にすぎないのだから。
超人じゃない。神様でもない。ただのか弱い、傷つきやすい人間だ。
海の目は、もうひとつの方向を向いていた。きっと後悔しない選択を。
――でも。
このとき海の内側で、高波が岩にぶつかり、飛沫をあげるような感情が立ち上がっていた。
自分に問い直す。
ここで一人で動くことを選択したからこそ、得られたものもあるはずだ――そんな風には思えないだろうか。
失ったもの、負った傷、そればかり数えて何になる?
得たものは数えないのか。
あんな思いをしたのに何も得られなかったなんて、そんな風には思いたくないし、実際、そんなはずはないのだ。
弱い人間だからこそ、勇気を出して踏み出すことは貴重だ。
そうして、得たものはその有形、無形を問わず、やはり貴重だ。
否定するのはたやすく、後悔もまた、たやすい。
いやそもそも、あえて困難を選んだこと、その過去は、それほど悪いものだったのだろうか。
――私はこの過去を否定しない。
強く、思った。
――もう二度とこの時みたいな目には遭いたくないけれど、それでも否定しちゃいけないんだ。
そうして海は、やはりあのときと同じで単独で行動することを選んだのである。
殺されかけたかもしれないが、実際に殺されたわけじゃない。
いまもこうして、私はここにいる。
海に、あのときの恐ろしい経験が再度襲いかかった!
過去から帰還した海は眩暈を覚えていた。
気分は最悪なんてものじゃない。
動悸が激しい、頭が痛む、震えが止まらない――当然だ、死にかけて、殺されかけた、あの時をもう一度味わったんだから。
――それでも今は、ののこちゃんを助けに行かないと!
とたちまち現実に順応した海は、庚と同じく、円を護るべくかけ出していた。
しばし過去の世界にさまよっていたときに変化があったのだろう。この蟲たちが出てきた経緯は知らない。正直、今何が起こっているのか正確には把握できていない。
けれども、海の大切な人たちに、危険が迫っていることだけは判った。
胸ポケットから取り出した防水ペンで、海は空間に線を引く。何もない空間を掘るように力強くペン先を走らせる。
手応えがあった。ボールペンのインクが画用紙に乗ったときのような確かな感触が。会心の線が引けたときのぐりっという書き味が。
強く書き記した線の軌道、これに石を乗せる、キャンプ用具の尖ったペグを乗せる。
すると次々、レールガンが射出した物質のように加速され、石もペグも、風切る勢いとともに轟音上げて飛んで行った。
ひとつが、甲虫の頭部に激突した。
ひとつが、その胴を貫いて消滅させた。
――負けないよ!
海は思うのだ。
負けない。過去にも。この怪物たちにも。
<< もどる
1
…
18
19
20
21
22
…
33
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
FEAR THE FORCE:前哨
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
バトル
神話・伝説
定員
20人
参加キャラクター数
21人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年07月18日
参加申し込みの期限
2016年07月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年07月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!