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FEAR THE FORCE:前哨
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突然、それが訪れた。
立ったままだというのに、真っ逆さまに落ちていくような奇妙な感覚、ハーブのような香、それでいて決して、不快さはない。
むしろ流れに身を任せるような、適度な心地よさがあった。
いくつかの場面が、走馬燈のように過ぎていった。
生まれて初めて、自分の顔を鏡で認識した瞬間。なんだか怒ってるな、こいつ――と我がことながら思った。
まだ小学校に上がる前、見知らぬ野良犬と死闘を演じた。派手に噛まれてぼたぼたと血が流れたが、犬を追い払うことには成功したので、痛みより誇らしさが勝った。
小学生になって覚えた言葉のひとつが、『問題児』というもの。ただそれは、大人が眉をひそめて口にする意味とは違い、『間違っているものは間違っている、とはっきり言う生き様』だと実感した。だから『問題児』と呼ばれてもむしろ誇らしく思った。
流れは加速し、混じりあい、喜怒哀楽すべてを交えた濁流となる。
しかしその明滅が、ある場所で止まった。
「ここは……」
なんどかまばたきし、如月庚は己が立っている場所と時間を認識する。
土の匂いがする。グランドの匂いだ。土が、風に乗って運ばれてくるのだ。
埃っぽい。
けれど懐かしい感覚もある。そこは横須賀の中学校だった。
――ああ、中学ん時の記憶か……。
洞窟を歩いていたはずがこんなところに出てしまった。
けれどそれを庚は、変なこととは思わない。地続きであったのか、くらいな気がしている。
不思議なもので、その日がいつで、何があったかも庚はほぼ把握していた。
つまりそれは、今から何が起こるのか知っている、ということである。
やっぱりだ。
自分を目の敵にしてくる生活指導の教師と衝突する面倒を避け、庚は裏門から学校を出ようとしていた。
その場所で、気の弱そうな女子生徒が他校の不良とおぼしき男子二人に絡まれているのを目撃したのである。
付き合えよ、とか、遊ぼうぜ、とかなんとか、チープすぎて猿の鳴き声と同レベルで、言語として意味を考えたくないほどくだらない言葉が男二人から飛んでいた。
いずれも中学生離れした背の高さで、不細工という言葉すら勿体ないほどのご面相である。
女子生徒のほうは、恐ろしさからか声を出すこともかなわない様子だ。
――ああ、そういや首突っ込んだったな俺……。
女子生徒に面識はない。でかい男二人も同じだ。周囲に人の姿はない。見て見ぬ振りして校内にUターンしても、誰に非難されるような状況でもなかった。
あのとき庚は無闇につっこんで、男二人を徹底的にブチのめした。追い払えればそれで良かったというのに、連中が角材なんてものを持ち出してきたものだから、もう手加減はできなかった。
男たちを遠目に見ながら、無意識のうちに庚は額に触れていた。
そこには、あるべき傷跡がまだなかった。
――このときだったな。パックリ額を割られちまったのは。
つるりとした額を撫でていると、妙に落ち着かない。
なおこの件は、庚が二人組をのしてそれで終わりではなかった。
その後、仲間を引き連れた連中からの報復があり、それを撃退することを繰り返していくうち、『問題児』如月庚はいつしか、周囲から『不良』と呼ばれるようになっていったのである。
――不良街道の入口が、要するにここだったってわけだ。
女子生徒を救ったこと自体に後悔はない。まあ、乱闘になっている間に少女は逃げて、その後感謝の言葉はおろか、まれに校内ですれ違っても、目すら合わせようとしないままだったが、そのことにも不満はない。
ただ、この件以降、庚の身に厄介事や面倒事が増えたのは事実だ。
二人組の所属中学との長い抗争はもちろんある。それ以外にも、地元の先輩から喧嘩の助っ人を頼まれたり、自分とは無関係の仇討ちを依頼されたりといった、無用に腕力をふるう機会が続いたのである。
いずれも興味がないと彼は言ったのだが、地面に額を擦りつけるようにして頼まれてはどうしても断れなかった。ところが依頼してきた側は、ことが終わると手のひらを返し、庚一人を悪者に仕立て上げたり、教師に密告したりした。おかげで庚は悪名ばかり被ることになったという始末だ。
――ヘタに干渉するもんじゃないんだよな。何の見返りもありゃしねぇ。
今でも横須賀には、庚の悪い伝説だけが残っているという話だ。一方で、元・不良連中のヤンチャ自慢系お友達サークルには、庚は狂犬扱いで敬遠されているらしい。まあ、そういうやつらとつるむなんて、こっちから願い下げだが。
今も、男二人は自分のしていることに夢中の様子だ。今にも少女の手首をつかんでどこかに連れ去っていきそうである。
――あの女もそれなりにしたたかだから、自分でなんとかするだろうさ。
そう自分を偽ろうとしたのだが、庚は振り返らなかった。
そうして、またも彼らに近づいていったのである。
――どうにも、性分らしい。
「おい! てめぇら、うるせぇんだよ!」
いきなり喧嘩腰である。言葉で説得できる相手だなんて、はなから思っちゃいない。
男二人が、「なんだとコラァ!」と同時に吠えた。
しかし庚は知っている。連中など、体が大きいばかりで中身は野良犬だと。いやむしろ、野良犬のほうが根性があるだろう。
挨拶代わりに繰り出された最初の拳を、簡単にかわしながら庚は思う。
――考えてみりゃ、今回のことだってそうだ。どう考えても厄介事だ……だが、放っておけねぇ。
殴ってきた相手の軸足を蹴りつけ、バランスを崩した顔面に肘を叩き込む。
ぱっと赤い血の花が咲く。
女子生徒が、悲鳴を上げて逃げていく。
全部、前と同じだ。
――なぜかって……放っておいたら俺自身が「納得」しねぇからさ。
男の一人が、校門に立てかけられていた角材をつかんで両手で振り上げるのが見えた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
バトル
神話・伝説
定員
20人
参加キャラクター数
21人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年07月18日
参加申し込みの期限
2016年07月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年07月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
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