this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
蜜より甘い夢の味!?
1
2
3
4
5
…
9
つぎへ >>
ふと気がつくと、
志波 武道
の足元を澄んだ水が洗っていた。
「ここは……海?」
茜色に染まる世界の中でぼんやりと感じたのは、僅かな違和。
けれど、ふと振り返れば、そこには数多の笑顔が溢れていた。
子供も大人も男女の差も関係なく、誰もが微笑み、平和を享受し、謳歌している。
(……あぁ、そっか。そうだった)
武道の顔に、安堵の色と柔らかな笑みが浮かんだ。
ここは争いも、悩みすらも存在しない楽園の孤島だったと、思い出したのだ。
島の仲間たちが、武道を呼んでいる。
武道は手を振ってそれに応えると、楽園の浜辺へと駆け出した。
誘われるがままに、穏やかな波が寄せるあたたかな浜辺に腰を下ろす。
夕暮れの光に照らし出された空も海も、見惚れるほどに美しかった。けれど。
(……落ち着かない……)
何の憂いもないはずなのに、何故だか、胸がざわざわとして気が休まらない。
(俺の好きな海と笑顔、それにあふれているのになぜこうも落ち着かないんだ……)
その時、武道の脳裏にふっと過ぎるものがあった。
「……花」
思わず、唇から音が漏れる。
(花……そうだ、花がないんだ……)
探さないと、と武道は熱に浮かされたように立ち上がった。
「泳がないのかー?」
と、煌めく海に背を向けた武道の背に声が掛かったが、
「ごっめーん、ちょっと用事☆」
なんて軽いノリで誤魔化して、武道は島の中へと分け入っていく。
島の風景に花を探す武道だったが、見つかるのは人々の笑顔ばかりだ。
(それに、果実は生ってるけど花はどこにも見当たらない……)
ふと、思案の底に沈む武道だったが、
「ねえ、何を探しているの?」
声が、武道を思考の世界から楽園へと引き戻した。
振り返ると、満面の笑みをその顔に貼り付けた水着姿の人々が、誰も彼も真っ直ぐに武道を見つめていて。
ゾクリ、背中を冷たいものが走るのを感じながら、笑顔を作る武道。
「いやぁ、花が咲いてないなぁって思って☆」
「それって本当に必要な物?」
「え……」
「そんな物なくったって、ここにいればずっと楽しい時間を過ごせるのよ」
得体の知れぬ恐れこそ感じるものの、それは明確な形を成してはいない。
言葉に詰まる武道の腕を、不意に、誰かがぐいと引っ張った。
「えっ? ええっ!?」
半ば自分を引き摺るようにしてその場を離れる逞しい手の持ち主の顔を、武道は見遣る。
年の頃30歳ほどのその男性は、この島に似つかわしくない、酷く険しい顔をしていた。
(あれ? この人ダレダロ?)
どっかで見たような……と頭の奥、靄のかかったような部分を必死で働かせようとする武道へと、
「探していない場所があるだろ」
と、謎の男性は端的に言葉を零す。
そうして彼が指差したのは、いつの間にか目前に広がっていた、夕焼け色に染まる海だった。
驚きに、武道の瞳が見開かれる。
「海!? って……どっかであった事ありましたっけ?」
「覚えていないならそれでいい」
武道の言葉に、男性はふっと口元を緩めた。
その仄かな、けれど柔らかな笑みに、すうと解れる武道の心。
この人になら胸にわだかまる想いを明かしてもいいかもしれない、そんな気がした。
「えっと……探したら、この楽園消えるんじゃ」
「武道君は、海と笑顔は好きか?」
胸に渦巻く不吉な予感を口にした武道へと、男性は一見ちぐはぐなような問いを投げる。
けれど、男性は優しい、それでいて真摯な面持ちで武道を見つめていて。
だから武道は、何も迷うことなく、素直にその質問に答えることができた。
「はい! 大好きでっす!」
男性は眼差しを和らげて、再び問いを零す。
「好きなのはその二つだけか?」
今度の問いには、武道はすぐに応じることができなかった。
しかし男性は、それでいいとでも言わんばかりに、緩く口の端を上げる。そして。
「行け」
男性の手が、明確な意思を持って武道の胸をとん、と押した。
それは決して乱暴な動作ではなかったけれど、ある種の力強さをもって、武道をそのまま海へと誘う。
「今度は溺れるんじゃないぞ、武道君」
背中から海へと落ちていく武道の耳に、男性の声はやたらはっきりと響いた。
――ざぶん。
水の音、上がる飛沫。武道は気づけば水の中だ。
不思議と、息は苦しくならない。
潜って、潜って――武道は遂に、咲き誇る黄色い水中花を海の底に見つけ出した。
手を伸ばして、鮮やかな黄色を引き千切る。
そうして武道は、忘れていたすべてのことを確かに思い出した。
自分を導いてくれた、あの男性が誰だったのかも。
(そっか、あの人……俺を助けてくれた人だ)
幼い頃、溺れた武道を救ってくれた命の恩人。それがあの男性の正体だった。
(まーた助けられちゃったんだなぁ、俺ってば)
端から形を失い消えていく空虚な楽園の海で、武道は瞼を閉じる。
「また会える日を楽しみにしている、現実世界でな」
男性の静かな声が、武道の耳には確かに聞こえたのだった。
1
2
3
4
5
…
9
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
蜜より甘い夢の味!?
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
巴めろ
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年02月15日
参加申し込みの期限
2016年02月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年02月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!