this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
蜜より甘い夢の味!?
<< もどる
1
…
5
6
7
8
9
恵御納 夏朝
は、どこにでもいる普通の少女だ。それは恐らくは、いい意味で。
悲しい過去もなく、どこまでも続く平穏な日々。
目を覚ましてリビングへと顔を出せば、双子の姉の夏夜が夏朝を迎えてくれる。
「おはよう、夏朝」
何か温かい飲み物を嗜んでいたらしい夏夜が、マグカップで手のひらを温めながら夏朝の方へと顔を向けた。
「夏夜ちゃん、おはよう。何飲んで……って、うわあっ!?」
夏朝の足元にぎゅっととびついてきたのは、まだ幼い弟だ。
大人しい性格ながら姉たちによく懐いていて、夏朝の顔を見上げ、嬉しそうにふにゃりと笑う。
「かーさお姉ちゃん、おはよう」
「うん、おはよう」
頭を撫でてやれば、弟は照れたように仄か俯いた。
その愛らしい様子に、2人の姉はそっと顔を見合わせる。と、その時だ。
夏朝の脳裏を、ふっと僅かな違和が掠めた。
(何だろう……花を探さなくちゃいけない気がする)
もやもやと胸に広がるこれは、虫の知らせとでも言うのだろうか。
「夏朝?」
不意に夏朝の表情に陰りが生まれたのを見て取ってか、夏夜が双子の妹の名を零す。
だから夏朝は、胸にわだかまる想いをぽつぽつと音にして紡いだ。
「花を……見つけなきゃいけない気がするんだ」
「花? 何でまた花なんて……本当に探すの?」
少し怪訝な顔になる夏夜へと、夏朝はこくと頷いてみせる。
すると、夏夜は仕方がないとばかりに立ち上がった。
「夏朝が行くなら、僕も行くよ。手伝う」
「ぼくも。お姉ちゃんたち、ぼくも連れていって」
夏夜が静かに声を零し、弟が夏朝の足に縋りつく。
「……わかった。なら、3人で探しに行こう」
夏朝の言葉に頷きを返す2人。
そうして3人は、連れ立って街へと繰り出した。
「お花って、どこに咲いているのかな?」
「うーん……川辺、とか?」
「よし、行ってみよう」
そんなふうに言葉を交わしながら、3人は散歩がてらといった感じで近くの川辺へと足を向ける。
その途中、夏朝たちは白い髪が特徴的な三つ子とすれ違った。
年の頃は夏朝たち双子と同じ高校生くらいだろう。
その3人の姿に何故だか見覚えがあるような気がして、
(あれ、どこかで……?)
と、夏朝はふと足を止めると、首を傾げて、去っていく3人分の影を目で追った。
「夏朝? ……ああ、三つ子か。ちょっと珍しいね」
「うん……」
「お姉ちゃん、はやく行こうよ。お花、探すんでしょ?」
2人の声が、夏朝の意識を花を探すという当初の目的へと引き戻す。
やがて辿り着いた川辺で――夏朝は、これだという黄色の花を見つけ出した。
鮮やかに咲き誇るそれを損なわなくてはいけないと、頭の中で何かが囁く。
花へと手を伸ばした夏朝だったが、そこには隠しようもなく、躊躇いの色が滲んでいた。
この花に何かあれば今の平穏が失われてしまうような、じとりと嫌らしい予感。
「折らないと……でも……可哀想、かな」
迷う夏朝に、弟と夏夜が優しく声を掛ける。
「じゃあ、お花、そっとしておこうよ」
「僕もそう思う。見なかった事にして、別の花を探せば……」
2人も、夏朝と同じく何が正答なのかを決めあぐねている様子だ。
夏朝は一つ息を吐いて――覚悟を、決めた。
「それでも……やらないといけないんだ」
小さく漏らせば、夏夜と弟は少し眉を下げて、何かを確かめるように視線を合わせる。
そうして、2人は悲しげな笑顔を夏朝へと向けるのだ。
「かーさお姉ちゃん……うん……」
「……わかった。それが夏朝の決断なら、尊重する」
ありがとう、と夏朝は噛み締めるように言葉を零した。
そしてようやっと花を握り潰し、何もかもを思い出す。
(ああ……そっか、これは……)
夢だ。格別幸せな、それでいて矛盾だらけの。
辛い過去が原因で、死んだ、生きた、生じた者たち。
彼らが、彼女らが、その存在を生んだ辛い過去なく在って生きる、そんな優しい世界がこの場所だ。
今はもう、消えていくのを待つばかりの儚い世界だけれど。
世界が、音もなく崩壊していく。霧散して、無に帰る。
そんな中で、共に夢の世界を生きた2人が、夏朝へと懸命に手を振っていた。
夏朝も、手を振り返す。
幻だと知っていても、それでもそうせずにはいられなかったのだ。
『――頑張ったね、夏朝……大丈夫、【僕】は消えてないよ』
薄れていく意識の中で、夏朝は全てを包み込むような声を聞いた。そんな気がした。
<< もどる
1
…
5
6
7
8
9
このページにイラストを設定する
あとがき
担当マスター:
巴めろ
ファンレターはマスターページから!
お世話になっております、ゲームマスターの巴めろです。
まずは、ご参加くださった皆様、本当にありがとうございました!
今回はPC様方にとっての『幸せ』を夢という形で描かせていただきましたが、
どの夢にもPC様方それぞれの在り方が滲み出ているような気がいたしまして、
とても大切な場面を預けていただいたことを嬉しく有り難く思いつつ、
楽しく、けれど身の引き締まるような思いで執筆に当たらせていただきました。
最後には崩れてしまう儚い『幸せ』ではありましたが、
PC様方にとっても皆様にとっても、心に残る夢のひと時となっておりましたら幸いです。
重ねてになりますが、ご参加くださった皆様に心からの感謝を。
この度も本当にありがとうございました!
↑ページトップに戻る
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
蜜より甘い夢の味!?
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
巴めろ
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年02月15日
参加申し込みの期限
2016年02月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年02月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!