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蜜より甘い夢の味!?
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その日
朝鳥 さゆる
は、夢すら見ないほど深い深い眠りに落ちるはずだった。
一夜限りの快楽に溺れる気になれない夜は、睡眠薬を寄る辺にして眠る。
さゆるにとっての『今日』はまさにそういう日のはず、だったのだが、
「ここは……」
気づくとさゆるは、街の通りに立っていた。
さゆるにとっては、寝ても覚めても『現実感』なんてあってないようなものだ。
彼女は常に、白く濁った霧のような、終わらない悪夢の中にいる。
なればこそ、彼女こそ夢と現の境に触れすらせずに終わり得る存在と、(もしそれらに意思があったとしたならば)寄生植物だって高を括っていたのかもしれないが、
(何かしら……いつもとは何かが違うような……)
と、さゆるはすぐに胸がざわつくような違和を、目に映る景色に覚えた。
目の前に広がる街並みは、彼女の生きる現実と寸分も違わぬ、代わり映えのしないもの。
それなのに、彼女の目には――常よりも世界が、弾むような色彩を帯びているように見えたのだった。
彼女の心象風景をそのまま掬い取ったような、冷たくくすみきった光景に目が慣れているからこそ、微かに、けれど確かに心を温める夢の世界の色彩は、さゆるには眩しいほどで。
目の眩むような心地がして、さゆるが僅か目を細めた、ちょうどその時。
「わあっ!」
傍らを急ぎ通り過ぎたばかりの年の頃5歳ほどの女の子が、声を上げた。
声に釣られるようにして緩慢に振り返れば、どうやら女の子は、躓いて転んでしまったらしい様子。
「う、ううっ……」
今にも泣き出してしまいそうな女の子の元へと、さゆるはすぐに駆け寄った。
しゃがみ込んで、「大丈夫?」と声を掛ける。
懸命にここまで走ってきたのだろう、まだ息を弾ませている女の子が、声に顔を上げた。
「……っ!」
泣きかけのその顔を見た瞬間、さゆるはひゅっと息を飲む。
女の子の顔に、確かに見覚えがあったから。
(この子は……子供の頃のあたし……?)
寄生植物は、宿主が夢を夢と認識することを封じている。
故にさゆるは、出会うはずのない存在と出会ってなお、この世界を夢の世界だと判ずることはできないが、
(どうして……)
と、彼女を混乱させるのに、それは充分な事象だった。
状況にまだ頭がついてこないさゆるへと、目元をごしごしと拭った女の子が、
「お姉ちゃん、どうしたの?」
なんて、無邪気に問いを投げて小首を傾げる。
さゆるは、ハッとして我に返った。
「……何でもないわ。怪我はない?」
「えっとね、ちょっとすりむいちゃったけど、だいじょうぶ」
だって、と、女の子はその顔に輝くばかりの笑みを浮かべる。
「ずっとおしごとでとおいところへいっていたパパとママがかえってくるの」
どこか誇らしげですらある女の子が立ち上がるのに、手を貸してやるさゆる。
立ち上がった女の子は、「ありがとう」と笑って、また街並みを駆けていく。
さゆるは、ほとんど惹き寄せられるようにしてその後を追った。
そうして、幼い自分が導いた先で彼女が見留めたのは、
(嘘……そんな……)
さゆるが12歳の時に飛行機事故で命を落とした、彼女の両親の姿。
「パパ、ママ、おかえりなさい!」
「ただいま、さゆる。……おや、その人は?」
「あたしがころんだとき、たすけてくれたお姉ちゃんだよ」
懐かしい声を呆然として耳に聞いていたさゆるへと、両親の眼差しが向けられる。
「ありがとうございます。うちの子を助けてくれたそうで……」
「……ごめんなさい」
堪らなくなって、さゆるは両親の笑顔から顔を逸らした。
「……あたしは……あたしはもう……!」
それに続く言葉は喉の所で固まってしまって、音となって生まれ出ることはなく。
(今の自分は……二人に顔向けなんてできない)
ぎゅうと服の裾を握るさゆるへと、「お姉ちゃん?」とどこまでも邪気のない声が掛かる。
「大丈夫? 顔が真っ青……」
「もしかして具合が悪いんじゃ……少し、休んだ方が」
母も父も、さゆるのことを気遣うようにしてそんなことを言った。
動揺に、ぎゅっと目を瞑るさゆる。
「もし良ければ、一緒に病院に……」
差し出されたのは、父の手だったか母の手だったか。
懐かしい温もりを、さゆるは思わず払い除けていた。
そしてそのまま、3人に背を向けると逃げるように街を駆け出す。
「お姉ちゃん!」
自分を追う声さえも振り払って、走る、走る、走る。
眉を下げる幼い自分を両親が優しく慰める様子が、見えるような気がした。
(花、花。花はどこ……?)
溢れる涙を拭うこともなしに、さゆるは街の中に花を探す。
それを損なえばこの残酷な幸福は去ってくれると、そんな予感があったから。そして。
「見つ、けた……」
その真っ赤な花は、さゆるが幼い自分と出会った、そのすぐ近くに咲いていた。
半ば縋るようにして、さゆるは見つけ出した鮮やかな赤を摘み取ると、ぐしゃりと花びらを潰す。
それはあまりにも明確な意志を持った、幸せの拒絶だった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
巴めろ
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年02月15日
参加申し込みの期限
2016年02月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年02月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
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