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蜜より甘い夢の味!?
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維都月 茉菜
が目を覚ますと、そこは本土の屋敷だった。
目覚めた瞬間瞳に映ったのは、常とは違う景色。
意識が覚醒するや否や茉菜はがばりととび起きて――そうして、すぐに身体の違和に目を丸くする。
尤も、違和とは言うが、それは茉菜にとって喜ばしいものだった。
(体が軽い! 嘘みたい、いつもだったら起きるのもだるくって……ん?)
興奮に頬を紅潮させた後で、茉菜はことりと小首を傾げる。
「あれ……『いつも』って『いつ』のことかな?」
頭に湧いた問いは音になって唇から零れ落ちたけれど、答えはもはや遥か彼方。
天井をいつもとは違うと認識したことだって、すでにすっぽりと意識から抜け落ちている。
何故なら、夢の世界へと誘われた茉菜にとっては、これが当たり前の『日常』なのだから。
それでも、身体が軽いというのが何故だか格別嬉しいことのような気がして、
「私ったらこれだけ恵まれているのに、一体何であんなに神様が嫌いだったんだろう!」
なんて、上等のベッドからこれもまた質のいい絨毯の上へと降り立った茉菜の心は弾んでいる。
茉菜は、少女と猫の姿を取った神のことをふと思い出した。
今は在るべき所へ帰ってしまった彼女たちのことを憎んでいた理由が、今の茉菜には見当もつかない。
だって、茉菜には健康な身体があって、立派なお屋敷で何不自由のない暮らしをしていて、家族仲も勿論良好、両親は、茉菜に枯れ果てることのない深い愛情を注いでくれているのだ。
(神様を恨む必要なんて、どこにもないじゃない!)
瞬間、花を探せという聞きたくもない声が聞こえたような気がしたが、控えめなノックの音が、茉菜の意識を『今ここ』へと確かな力をもって引き戻す。
それに応じるや、使用人の女性がしずしずと部屋に入ってくるのだって、いつものこと。
用意を整えると、茉菜の腰まである長い髪に、彼女は丁寧にブラシを掛けていく。
毎日のことながら見事な仕事ぶりだと、鏡に映る茉菜の顔には笑みが乗った。
次いで、服を着替えて、茉菜は朝食の席へ。
先にテーブルについていた母が、茉菜へと上品に微笑みかける。
「おはよう、茉菜。今日は随分と機嫌がいいのね」
「お母様、おはよう! うん、そうなんだよっ。今日は学校も休みだからゆっくり出来るし……」
そこまで言って、茉菜は慌てて自分の口を抑えた。
口調がおかしい、ということに思い当たったのだ。
(……直さなければ。恥ずかしいもの)
胸の内に戒めて、茉菜は改めて母へと声を掛けた。
「ごめんなさい、お母様。はしゃぎすぎてしまったみたい。……お父様は?」
「少しお仕事があるみたいなの。でも、すぐに終わるそうだから、皆で食卓を囲めるわ」
「そう、良かった」
茉菜の口元に、ふわりと柔らかな笑みが乗る。
家族で仲睦まじく過ごす時間は、何度繰り返しても茉菜の心をあたためて止まないものだ。
幸せな朝食を終えれば、茉菜を待っているのはダンスの練習。
今日の夜にはパーティーがあるので、レッスンはいつも以上に念入りだ。
(身のこなしも何も、お父様に恥をかかせないようにしなくては)
そんなことを思いながら、茉菜は繰り返し何度も何度も舞う。
(やっぱり今日は体が軽い。嗚呼、なんて幸せ)
うっとりとしながら、茉菜はつつがなくレッスンを終えた。
これならばパーティーで披露するにも問題がないだろうという仕上がりだ。
そして、やがて茉菜の世界に、華やかな夜が訪れる。
「さあ、行きましょう」
シンプルな赤のドレスを身に纏って、車から降りた茉菜はパーティー会場へと歩を進める。と、その時。
茉菜はふと、その目に、ドレスの左胸に咲く真紅のカーネーションを見て留めた。
瞬間、穏やかだった胸の内に湧き上がったのは確かな憎悪。
それから、茉菜には扱いかねるほどの絶望と、忌んでも忌み切れないほどの疎ましさ。
茉菜の足が、ぴたり、と止まった。
花を損なえ、という声が頭に響く。
その声に従ったというよりは明確な己の意思で、茉菜はドレスを彩る赤を力いっぱいに握り潰した。
そうして茉菜は、自身の真実の記憶の蓋を開ける。
この世界に存在した愛すべきものを、何一つ手にしていない現実の自分を思い出す。
(『フツウ』を『普通』に返すまで、私は自分に成せる事、全てを片付けなくてはならない)
揺らいでいく世界の中で、けれど茉菜の意思は、頑なと言っていいほどに強固なものだ。
(考えなくちゃ。私如きに、一体何が出来るかを)
カーネーションの花びらが、色を失った世界に、一片ひらりと舞い落ちた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
巴めろ
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年02月15日
参加申し込みの期限
2016年02月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年02月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
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