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蜜より甘い夢の味!?
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薬品の匂いが鼻をくすぐる理科室で、
御巫 時子
は目を覚ました。
どうやら、机に顔を伏せてうとうとしてしまっていたようで、
「ああ、目が覚めましたか」
と、実験器具の片付けをしていたらしい
五十嵐 尚輝
先生が、穏やかな声音で言う。
「尚輝先生、私……」
「あまり気持ち良さそうに寝ていたので、起こすのも憚られて」
いい夢は見られましたか? と問われて、覚えていないと時子は緩く首を横に振った。
大切に想う人と2人きり、あたたかで、優しくて、幸せな時間。
けれど、時子の胸には焦燥に似た何かがくすぶっていた。
(お花を、探さなくては……)
時子が表情を曇らせたのを見て留めてか、五十嵐先生が「どうしました?」と仄か首を傾ける。
時子は、五十嵐先生の顔を真っ直ぐに見て、音を紡いだ。
「尚輝先生、一緒にお花を探していただけませんか?」
「……花、ですか?」
「はい。この幸せな時間が消えてしまう予感があるけど、見つけないといけないんです」
その不吉な虫の知らせのことを思うと、時子の胸はぎゅっとなる。
堪らなくなって俯く時子の耳に、五十嵐先生の柔らかな声が届いた。
「……わかりました。そうしたら、僕も一緒に」
顔を上げる時子。五十嵐先生が、ぽつぽつと言葉を続ける。
「それが御巫さんにとってやるべきことなら、そういう顔はやめましょう。花は……花、花……ああ、校庭の端の方になら、何かしら咲いている気がしますが、行ってみますか?」
五十嵐先生の言葉に、時子は胸がいっぱいになるのを感じながらこくと頷いた。
そうして2人は、連れ立って夕暮れ時の校庭へ。
しゃがみ込んで花を探し出した時子の肩に、ふわりと小鳥が舞い降りた。
愛らしいくちばしに咥えているのは、四つ葉のクローバーだ。
「私に? 有り難う御座います」
どうやら小鳥も、時子を手伝おうとしている様子だった。
その微笑ましさに2人で顔を見合わせれば、時子の顔に自然と浮かぶ微笑。
「……ああ、やっと笑った。僕はともかく、御巫さんはそういう顔の方が似合いますよ。多分」
何気ない言葉にも、時子の心はふわりとあたたまる。
花探しに戻った五十嵐先生の横顔をちらと見遣って、時子は躊躇うように手を止めた。
花を見つけたいという思いと見つかってほしくないという思いが、時子の中でせめぎ合っている。
(先生は見つかって欲しいのでしょうか? それとも……)
淡々として手を動かす五十嵐先生の様子からは、彼の思いは窺えない。
「御巫さん」
五十嵐先生の声に、時子はふと我に返る。
「この花はどうですか?」
「それは……ごめんなさい、違います。色は似ているけど、別のお花……」
根拠はないけれど、違うという確信が何故だかはっきりとあった。
そうですか、とだけ呟いて、五十嵐先生はまた作業に戻る。
その姿に、考えていても仕方がないと、時子も再び目当ての花を探し始めた。
「この辺りにあると思うのですが、なかなか見つからないですね……」
葉の生い茂る辺りに手を伸ばした、その時。
「痛っ……」
鋭い葉が、時子の指をちりと傷付けた。
「大丈夫ですか?」
時子の手首を、五十嵐先生の手が掴む。
ぐい、と腕を引いて、五十嵐先生はじわりと血が滲む切り傷の様子を間近に確かめた。
「大したことはないみたいですね。小さな傷でも、指の怪我って痛いんですけど」
気をつけてくださいね、という五十嵐先生の言葉に、時子は真っ赤になって頷きを返す。
距離の近さに、傷の痛みなんて彼方へと追いやられてしまった。
堪らず視線を逸らした、その瞬間。
「あ……」
時子はそこに、探していた花を見つけた。小さくて可憐な、薄桃色の花だ。
摘み取ろうと手を伸ばせば、考えることは傍らの人も同じだったらしく触れ合う指先。
仄か伝わる温度に頬を染める時子だったが、
「見つかりましたか。よかったですね、御巫さん」
「あ……は、はい……」
五十嵐先生の言葉に何とか応じるや、堪らずに視線を地面に落とした。
さよならが近づいていることを、確かに感じてしまったから。
(離れない、離れる、離れない、離れる……)
花占いのように、一枚ずつ花びらを散らす。
最後の花びらは、やはり『離れる』と歌っていた。
きゅっと唇を噛んで、時子は顔を上げる。五十嵐先生の顔を、じっと見つめる。
「私は、先生の事が好きです……」
今までずっと、伝えたかった想い。伝えられなかった想い。
それを時子は、真っ正面から音にした。後悔を残したくはない、と。
五十嵐先生の口元が、本当に僅かだけ、緩んだ。
「……楽しかったですよ、君と過ごせて」
「……先生、返事になっていませんよ。……ずるい、です……」
それでも、時子は笑った。涙を堪えて、花よりも愛らしく。
そうして彼女は――最後の花びらを、自分の意思で風に散らした。
「さよなら、尚輝先生……」
花が散った今はもう、時子はこれが消えゆくばかりの夢だと理解している。
それでも、閉じた目の奥で、時子は自身の胸が切なさに痛むのを確かに感じたのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
巴めろ
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年02月15日
参加申し込みの期限
2016年02月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年02月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
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