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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
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暴走世界からこんにちは
【epilogue】
全ての羽が引っこ抜かれると、世界は無事に元通りになり、別の世界に飛ばされた者達も戻ってきた。
「……オレももれいびかぁ。なんだか大変そうだけど、ちょっと嬉しいねぇ」
曖浜 瑠樹は己の能力に気づいてもマイペースだった。
きっと彼はこれからもマイペースに事件に巻き込まれていくのだろう。ちょうどさっき羽を抜くときに力を入れ過ぎて、うっかりポッキリ羽を折ってしまったときのように。
「とりあえず皆無事でよかったぁ！ でも、高橋くんはちょっと大丈夫かなぁ……？」
雨寺 凛は皆の無事を喜びつつも、すっかり意気消沈している高橋のことが少し気になる様子だった。
「放っておきなさい。これで駄目になるようなら、その程度のオトコだったということ。あとは本人次第よ」
と、尾鎌 蛇那伊はあくまで冷静にそう言った。
実際、その通りだろう。たとえ暴走したせいであっても、自分のしでかしたことの責任は自分で背負っていかねばならないのだ。
近石 簾はそんな高橋にそっと近づき、その背中をばしっと叩いて言った。
「お前さー、せっかく面白い能力持ってるんだから馬鹿なことやっていないで一緒に遊ぼうぜ？ なあ、骨削？ あれ、あいつどこいった？」
振り向いた先に、友人の姿はもうなかった。
骨削 瓢はすでに満足して帰路についていた。
「にししっ。なかなか面白い体験でしたねぃ。駄鳥の羽を使った暴走――どっかにもっと羽が落ちていたりはしませんかねぃ？」
そこから生じるより凄まじい喜劇を想像して、瓢は思わずその胸を躍らせたのだった。
大天使 天吏も足早にその場を後にしていた。
「クローネさん。どこにいるの？ どうすればあなたの羽をわけてもらえるの？ 私ならきっと高橋よりももっとあなたの役に立てるのに」
天吏はすでに高橋に何の興味も抱いていなかった。
それよりも、どうすればクローネと接触できるのか、それが彼女にとっての最大の関心事であった。
エロ・イーアルオーは首を傾げていた。
「結局、エロは役に立ったのですー？」
結論から言うと、あまり役に立ってはいなかったが、それはそれでキャラとしてはアリだった。
鼎 八千穂は何かを感じていた。
（……なにかしら。元の世界にもどったときから、自分の中に何か『力』の胎動のようなものを感じる）
八千穂がその『力』の正体に気づいたのは、それからもう少し後になってのことだった。
橘 勇は初めて自分の能力に畏怖を感じていた。
（……あのとき、もし高橋に暴走の圏外まで投げ飛ばされていなければ、本当に脳まで《硬化》していたかもしれない）
ぞっとする考えに頭を振りつつ、ひとまずの平穏に安堵の息を吐いて、勇もまたその場を後にした。
仙藤 紫も自身の能力について考えを巡らせていた。
（……結局、あれは幻覚だった。でも、レンチについての情報は決して幻覚なんかじゃない）
紫にはそんな確信に近い予感があった。
あるいは暴走した状態で、クローネに関する文字情報に触れれば――。
そんなことを考えながら、紫もまた日常に帰っていく。
そして――。
九夜山の上空で、その一部始終を一羽のカラスが見つめていた。
『アハハッ！ 暇潰しのつもりだったけど、意外と面白いものが見られたわねー！ 私、排除しろとは言ったけど、殺せなんて一言も言ってないのにねぇ～。暴走って怖いわぁ～』
カラス――クローネは楽しそうに笑う。
まわりを飛ぶ配下のカラス達が追従の声を響かせる。
『案外フツウを望まない人間もいるものねー。彼ら全員に羽を与えて、その力を一斉に暴走させたら、はたしてこの島のフツウはどうなるかしら？』
嘴の端に凄絶な笑みを浮かべて、クローネはどこかへ去っていく。
帰り際、羽ばたいたクローネの羽が一枚、ひらりひらりと風に巻かれて、寝子島の夜の闇に消えていった。
全ての羽が引っこ抜かれると、世界は無事に元通りになり、別の世界に飛ばされた者達も戻ってきた。
「……オレももれいびかぁ。なんだか大変そうだけど、ちょっと嬉しいねぇ」
曖浜 瑠樹は己の能力に気づいてもマイペースだった。
きっと彼はこれからもマイペースに事件に巻き込まれていくのだろう。ちょうどさっき羽を抜くときに力を入れ過ぎて、うっかりポッキリ羽を折ってしまったときのように。
「とりあえず皆無事でよかったぁ！ でも、高橋くんはちょっと大丈夫かなぁ……？」
雨寺 凛は皆の無事を喜びつつも、すっかり意気消沈している高橋のことが少し気になる様子だった。
「放っておきなさい。これで駄目になるようなら、その程度のオトコだったということ。あとは本人次第よ」
と、尾鎌 蛇那伊はあくまで冷静にそう言った。
実際、その通りだろう。たとえ暴走したせいであっても、自分のしでかしたことの責任は自分で背負っていかねばならないのだ。
近石 簾はそんな高橋にそっと近づき、その背中をばしっと叩いて言った。
「お前さー、せっかく面白い能力持ってるんだから馬鹿なことやっていないで一緒に遊ぼうぜ？ なあ、骨削？ あれ、あいつどこいった？」
振り向いた先に、友人の姿はもうなかった。
骨削 瓢はすでに満足して帰路についていた。
「にししっ。なかなか面白い体験でしたねぃ。駄鳥の羽を使った暴走――どっかにもっと羽が落ちていたりはしませんかねぃ？」
そこから生じるより凄まじい喜劇を想像して、瓢は思わずその胸を躍らせたのだった。
大天使 天吏も足早にその場を後にしていた。
「クローネさん。どこにいるの？ どうすればあなたの羽をわけてもらえるの？ 私ならきっと高橋よりももっとあなたの役に立てるのに」
天吏はすでに高橋に何の興味も抱いていなかった。
それよりも、どうすればクローネと接触できるのか、それが彼女にとっての最大の関心事であった。
エロ・イーアルオーは首を傾げていた。
「結局、エロは役に立ったのですー？」
結論から言うと、あまり役に立ってはいなかったが、それはそれでキャラとしてはアリだった。
鼎 八千穂は何かを感じていた。
（……なにかしら。元の世界にもどったときから、自分の中に何か『力』の胎動のようなものを感じる）
八千穂がその『力』の正体に気づいたのは、それからもう少し後になってのことだった。
橘 勇は初めて自分の能力に畏怖を感じていた。
（……あのとき、もし高橋に暴走の圏外まで投げ飛ばされていなければ、本当に脳まで《硬化》していたかもしれない）
ぞっとする考えに頭を振りつつ、ひとまずの平穏に安堵の息を吐いて、勇もまたその場を後にした。
仙藤 紫も自身の能力について考えを巡らせていた。
（……結局、あれは幻覚だった。でも、レンチについての情報は決して幻覚なんかじゃない）
紫にはそんな確信に近い予感があった。
あるいは暴走した状態で、クローネに関する文字情報に触れれば――。
そんなことを考えながら、紫もまた日常に帰っていく。
そして――。
九夜山の上空で、その一部始終を一羽のカラスが見つめていた。
『アハハッ！ 暇潰しのつもりだったけど、意外と面白いものが見られたわねー！ 私、排除しろとは言ったけど、殺せなんて一言も言ってないのにねぇ～。暴走って怖いわぁ～』
カラス――クローネは楽しそうに笑う。
まわりを飛ぶ配下のカラス達が追従の声を響かせる。
『案外フツウを望まない人間もいるものねー。彼ら全員に羽を与えて、その力を一斉に暴走させたら、はたしてこの島のフツウはどうなるかしら？』
嘴の端に凄絶な笑みを浮かべて、クローネはどこかへ去っていく。
帰り際、羽ばたいたクローネの羽が一枚、ひらりひらりと風に巻かれて、寝子島の夜の闇に消えていった。
あとがき
担当マスター：
水月 鏡花
ファンレターはマスターページから！
というわけで、ご参加頂いた皆様お疲れ様でした。
ＭＳの水月 鏡花です。
今回のテーマは暴走でした。
暴走を真正面から取り扱うのは初めてですので、若干緊張いたしましたが、お気に召して頂けましたでしょうか？
皆様の想い描く暴走が少しでもリアクションで再現できていましたら幸いです。
さて、エピローグでなにやら若干不安なことをおっしゃっているクローネさんですが、はたして彼女は何をするつもりなのやら。
というわけで、今回はだいたいそんな感じで。
ではでは最後になりましたが、改めまして、ご参加頂いた皆様、ここまでお読みくださった貴方様、そして「らっかみ！」に関わる全ての皆様に感謝を。
それではまたどこかのあとがきでお会いできることを祈って。
水月 鏡花 拝
ＭＳの水月 鏡花です。
今回のテーマは暴走でした。
暴走を真正面から取り扱うのは初めてですので、若干緊張いたしましたが、お気に召して頂けましたでしょうか？
皆様の想い描く暴走が少しでもリアクションで再現できていましたら幸いです。
さて、エピローグでなにやら若干不安なことをおっしゃっているクローネさんですが、はたして彼女は何をするつもりなのやら。
というわけで、今回はだいたいそんな感じで。
ではでは最後になりましたが、改めまして、ご参加頂いた皆様、ここまでお読みくださった貴方様、そして「らっかみ！」に関わる全ての皆様に感謝を。
それではまたどこかのあとがきでお会いできることを祈って。
水月 鏡花 拝
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
-
- 2016年02月07日
- 参加申し込みの期限
-
- 2016年02月14日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2016年02月14日 11時00分
