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【思い出をたどって】
傍らを歩く人物は、見た目に反して……と言ったら失礼かもしれませんけれど。冷淡に見えて、意外にも気さくな人柄であるようです。
「あの時計かい? 月並みだが、妻との思い出の品……というやつでね」
鴻上 彰尋
が何とはなしに尋ねてみれば、
晴海 正毅
は眼鏡をひとつ押し上げて、語ってくれました。
「奥さんの、ですか」
「初めて社会人になった時に、お祝いとしてくれたものなんだ。ああ、妻とは高校時代からの付き合いでね……色々と理由があって、大学の在学中に結婚の約束を、と。まぁ、そのあたりはいいか」
昔を懐かしむような彼の眼差し、話しぶりに、彰尋は何となくながら、察します。彼の奥さんは、恐らくは、もう故人なのかもしれない……と。だから彰尋は、正毅の回想へ余計な口を挟まずに、思い出の聞き役に徹することにしました。
三毛猫の目撃情報に基づいて、その足跡を追いつつも、正毅はどこか懐かしそうに、旧市街の街並みを見渡します。
「ちょうど、このあたりの店だったな……僕に内緒でね、いつの間にやら買っていたらしい。もらった時は、どうせなら一緒に選ばせてくれれば良いのに、なんて思ったもんだが……」
正毅の記憶、そこに思いを馳せる彼の表情には、彰尋にとっては親ほどの世代を生きる人として、年齢を重ねてきたこと、その重み、深み……そういったものがにじみ出ていて。彰尋はつい、見入ってしまいます。
「彼女の、嬉しそうな顔ときたら。水を差してしまうのは、どうにも惜しくてね。それ以来、今でも、大事に使ってるんだ」
言いつつ、前から来た通行人とぶつかりそうになり、おっと失礼、なんて言いながら慌てて避けたあたり、彼もクールに見えて、焦ってはいるのでしょう。無理もありません。
「ふう。それで、君は?」
「え?」
「探している、ノートだったかな。思い入れのあるものかい?」
「それは……」
問われて彰尋は、言葉に詰まってしまいました。
確かに、思い入れはありました。それも、少なからずに。
何度も遊びに行ったことのある、祖父の家……まだ小学生の時分に、そこで働いていた家政婦さんから、料理を教えてもらったのが最初だったと記憶しています。以来、その日の献立や必要な材料をメモしたり、覚えたレシピを忘れないようにと書き付けて、時に家政婦さんに綺麗な字で補足のコメントを入れてもらったり。時には、今は亡き祖母が横合いから助け舟、教えてくれた特別な味付けも……そんな、懐かしい思い出が詰まったノートです。
もっともそれと同時に、昔の自分のお世辞にも美しいとは言いがたい字やら、初期の頃合いにはやたらと多い拙い図解やら……言わば黒歴史の結晶とも言うべき側面もあり、あまり他人に、興味本位で覗かれたくはないものでもありました。
と、彰尋が昔を思い返しながらに、どう言ったものかといささか戸惑っていると、
「いや、何。無理に言わずともいいさ、言葉にしにくい思い出というのもある。あえて語るべきでないこともね」
事も無げにそう言って、颯爽と先を行く正毅の背中を眺めて、彰尋は思いました。
(……これが、大人。ってやつなんだろうな)
てってっ、弾むような足取りの三毛猫、お尻で揺れるしっぽの後をついて歩きながら、
八葉 あいら
もまた、隣の
尾花 ひよどり
へ、探し物の由来を尋ねました。みょいんみょいん、と動く彼女の触覚めいたアホ毛の動きを、ついつい目で追ってしまいながら。
「お母さんとお父さんが、おたんじょうびのプレゼントにくれたです。ひよどりと同じ名前の、鳥さんのぬいぐるみです」
「へえー! ヒヨドリ、ってどんな鳥なんだ?」
「ひよどり、まだ本物のヒヨドリは見たことねぇです。でもきっとぬいぐるみといっしょ、もこもこです。もこもこ。いつか見てみたいです」
「おおー、もこもこ……! あたしも見てみたいんだぞ」
どちらもなかなかクールな子どもで、ちょっぴり意地っ張り。けれど不安を紛らわそうとしてか、何となーくふにっと、手は繋いだまま。
「あのぬいぐるみと、ひよどり、いつもいっしょです。おでかけするときも、おやすみなさいをするときも、いつもいっしょです……」
だから、目に見えるほどでは無いにしろ、ひよどりの感情がごく小さな揺れとなって、握った手から伝わってくるのを、あいらは感じました。
「すっごく、大事にしてるんだなー。あたしもだぞ。あたしのスケッチブックも、お母さんが買ってくれたんだ」
自分も不安でありながら、ひよどりを元気づけようとしてでしょうか? あいらは努めて明るく、
「お休みの日には、寝子島の面白い建物をスケッチしにいくのが、あたしのお決まりなんだ」
「……おもしろい、たてもの? 建物を描きやがるですか」
「そうだぞー! 寝子島には、ヘンな建物とか、カッコイイ建物とか、面白いのとか、いっぱいあるんだ。そういうのをスケッチするの、楽しいんだぞ」
島中、あちこちへと出かけて行っては、目にしたエキセントリックな民家や、驚くほど見事な造形のビルとか、凝った飾り付けのお店とか、そんなものを見つけてはさらさら、あいらはスケッチブックへと描き残してきました。これまでにも、もうずいぶんとたくさんの建物をスケッチして……その積み重ねは、色褪せない思い出としてそこに、そしてあいらの胸へと、確かに息づいているのです。
「…………でも、それが……無くなっちゃって」
明るくしよう、と思っていたのに。泣くまいと、心に決めているのに。
大切なスケッチブック……それが今、手元に無いというだけで、何だか、ぽっかり。心に大きな、穴が開いてしまったような気がします。
涙がぽろり、とこぼれてしまいそうになるのに、あいらは必死に抵抗しながら、
「ダメだ……あたしは、八葉家の娘なんだぞ……! 泣いちゃ……泣いてちゃ……あたしっ」
「……そーです。ひよどりだって、泣かねぇです」
ぽむ、と頭に置かれた手があたたかくて、ひよどりを見上げれば……彼女だって、同い年の女の子。目元はうっすらと、潤んでいるようにも見えました。
「泣かねぇです……それが、オトナのよゆーってやつです……」
「そうだぞ……! きっと、絶対、見つけるんだ……あたしは、諦めないんだぞぉ……!」
ふたりがお互いの手をぎゅうぎゅう握って、うつむきながらに肩を震わせて耐えるのを、ふと振り返った三毛猫が、笑うように。にゃおうん! ひと声、鳴いたなら。
「……あ! 見つけましたよ、晴海さん。三毛猫」
「どれ、お目当ての猫なら良いんだが……うん?」
ぱちくり。少し赤くなった目で見上げたところで、ちょっぴりいかつい顔のおじさんと、優しそうなお兄さんが、ふたりを見下ろしておりました。
「まあ、まあ! また、やっちゃいました? うちの子……もー、ダメよーって何回言っても聞かないんだから、この子ってば。本当に、ごめんなさいねぇ?」
三毛猫が行き付いた先は、一軒の古い民家。応対に現れた人の好さそうなおばさんは、もう幾度となく同じことがあったそうで、四人をあっさりと庭先へ招き入れてくれました。
「うちの子、気に入った何かを集めてきては、縁の下に隠しちゃうクセがあって……困ったものよねぇ」
おばさんに言われるまま、屈んで床下の空間を覗き込んで見たなら、確かに。
「……猫君には悪いが、これは譲ってやれなくてね。返してもらうよ」
正毅は、古びてベルトがぼろぼろの腕時計を腕にはめ、愛おしそうに指で撫で、
(食べ物の匂いでも染み付いてたかな……? 何にしても、見つかって良かった……誰かに見られる前に)
彰尋はそそくさと、年季の入ったノートをカバンへ、大切そうにしまい込みました。
「嬉しいんだぞ……あたしの、スケッチブック。戻って来てくれて……」
「……しかたねぇです。見つかったから、悪戯猫は許してやるです」
あいらはスケッチブックを、ひよどりは自分と同じ名前を持つ鳥のぬいぐるみを、むぎゅっ。大事に大事に、胸へと抱き締めます。
犯人の三毛猫はと言いますと、悪びれもせず、飼い主さんの腕の中でのんびり、ごろごろ。早くも居眠りモード、ふにふにと気の抜けた声には、安堵とともに、あいらと彰尋は思わずふんわり。笑みを浮かべ、正毅とひよどりはクールに、ついと肩をすくめたのでした。
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担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
恋愛
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年01月24日
参加申し込みの期限
2016年01月31日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年01月31日 11時00分
参加キャラクター一覧
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