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わすれものはなんですか?
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【想いの結晶】
わすれものには、ドラマがにじむ。年末の忙しない時期に、どこかの駅員さんがふと、そんな風につぶやきました。どの駅にも大抵置いてある遺失物保管箱が、それを物語っているのだと言うのです。
何気ない手帳に挟んだ、家族の写真。恋人にプレゼントされたという、思い出のイヤリング。使い込まれてぼろぼろ、ヒビ割れた携帯電話……何の変哲もない、あるいは安っぽくて見栄えもしない、けれど大切な、自分だけの宝物。そんなものと再会するたび、浮かぶ笑顔。あたたかな想い。
寝子島でも……ほら。ほんのちょっぴり、些細な忘れ物、落とし物をしてしまった人々同士。響き合って、ドラマを生み出しているようなのです。
「あ~……疲れた」
日暮 ねむる
は今日もまた、ふわぁ……大あくび。
放課後、本日は所属するボクシング部の部活もお休みでして、早いところ帰宅して晩ごはんまで昼寝でも……なんて思いつつ、校舎を出たところで。彼、気付いたのでした。
(あ、お使い頼まれてたんだっけ。えーっと、スマホ、スマホ……あれ?)
スマートフォンのメモアプリに、頼まれた買い物の詳細を記してある……はずがそもそも、見つからないスマホ。あちこちポケットを探ろうと、いくらカバンをごそごそやろうと、いつもはそのあたりに入っているはずの感触が、さっぱり見当たらないのです。
(……落とした? まずいなぁ、失くしたじゃすまないぞ、あれ)
買い物メモを見られるくらいなら当然、ねむるも慌てたりはしません。特に意味を成さない不規則な数字のパスワードだってしっかりかけてあって、そうそう中を見られることも無いはず……けれどそこには、友人知人、多くの大切な仲間たちの住所や連絡先まで、それも少なくない数が詰め込まれているのです。
もちろんねむるだっていつもは、紛失にはことに、細心の注意を払っているつもりです。けれどどんなに気を付けていても人間、時には、うっかり! してしまうものだったりするわけなのです。
(さて、持ってないとなると……教室かな?)
とはいえ彼、大っぴらには慌てふためくことも無く、少なくとも表向きは冷静でした。内心はちょっぴりどきどき、胸は焦りに早鐘を打っておりましたけれど……ともかくねむるは、頭の中で自分の行動を思い返して道筋をたどり、即座に場所を特定すると、小走りに教室へ駆け戻ります。
すぐさま自分の机をがさごそと探してみますと……ぴた、と手に馴染んだあの感触。
(……あった! ふう、良かった……さすがに肝が冷えたね)
あまりそうは見えなくとも、そこそこに動揺はしていたようでして、ほっと安堵。胸を撫でおろしました。
と、そこで。
(……?)
ねむるが怪訝そうに見つめたのは、クラスメイト。思いつめたように、教室内で何かを探している、
浅山 小淋
の姿でした。小淋はねむるに気付くと、ひとつ、ふわり。微笑みを返して、小さく頭を下げましたけれど……すぐにも張り詰めた顔を取り戻して、熱心に教室中を歩いては、何かを探しているようです。
いつも穏やかでにこやかな彼女のそんな様子に、ねむるは思います。
(浅山さんも何か、失くしたのかな)
どこか余裕の無い表情の理由が、今のねむるには、理解できるような気がします。何を失くしたにしろ、きっと大切なものなのでしょう。あの焦りは今しがた、にわかに自分も感じていたこともあって、何だか他人事とは思えません。
「……や、浅山さん」
自然、ねむるは手を上げて、そんな風に声をかけていました。もっとも自分が忘れ物などしなくても、お人よしで優しい彼は、きっとそうしていたでしょうけれど。
「何か、探し物かな? 良かったら、僕も手伝うよ。一人より二人のほうが効率的、ってね~」
さしたる重さも無い、単なるリボンです。そのはずなのに、やけに頭が軽くて、落ち着かなくて。小淋はどうしても、そわそわ、不安な気持ちを抑えられません。
(……どうしましょう。このまま、見つからなかったら……二度と……!)
油断すると、目に涙すら浮かべてしまいそうです。
それだけに、ねむるの申し出は、思わずその雫がこぼれてしまいそうになるくらい、ありがたいものでした。
「浅山さん、そのリボンって、いつ頃まで着けてたか覚えてるかい?」
きちんと順序立てて探してみよう、という彼の頼もしさに感謝しつつ、小淋は首をひねりながら思い返して、さらさら、さらり。スケッチブックへペンを走らせて、
『確か、お昼休みまではあったと思います……』
「ふむ。となるとそれ以降、5限の美術か6限の体育で、ということになるかな。この教室は、もうずいぶん探したんだよね? じゃ、美術室と……あ、そういえば浅山さん、体育の時、道具の出し入れとかしてたよね? 体育用具倉庫も探してみようか」
てきぱきと方針を組み立ててくれるねむるへ、小淋はこくこくとうなずくのみです……なかなかに聡明な彼女のこと、普段なら自分の足跡をたどるくらいはできそうなものですけれど、今はどうにも、ふわふわと心が宙を漂っているような感覚。考えだって、ちっともまとまりません。
(日暮さんがいてくれて良かったです……私ひとりじゃ、きっと今頃……)
方策もなく、あたふたとするだけだったことでしょう。
ふたりはひとまず、5限で使用した美術室へと向かいます。今日は放課後に美術部の活動も無く、がらんとした教室の中へ入ると、まずは授業で使った画材や、座った席の周辺をチェック。その後は美術室全体をくまなく……準備室も含めて、隅々まで探します。
けれど探しても、探しても見つからず、焦りは募ります……気付けば手元はおぼつかず、あたふたとして、うろうろ、そこらを歩き回るばかり。
「落ち着いて、浅山さん。大丈夫、きっと見つかる……見つけるよ」
(……! ああ、私、またぼんやりとして……これじゃ、ダメですよね)
にっこり笑ったねむるへと、小淋は少々苦労しながらも、微笑みを浮かべて。
『ありがとうございます、日暮さん』
「いいんだよ、僕にも……その気持ち。分かるからさ」
その後も美術室中を探し回ったものの、結局見つからず。
けれど小淋は、傍らの彼のおかげで、ちょっぴり心は軽く、取り乱さずに済みました。
結局、再びあのリボンと巡り合うことができたのは、6限目に訪れた、体育用具室の中でのこと。
「あった、あった! リボン、これで良かったかな?」
(………………っ!!)
丸めたマットとマットの隙間。ねむるが手を差し込み取り出して、小淋へと差し出してくれたそれを目にするなり……じんわり。急激に潤んだ瞳から涙粒がこぼれないようにするのに、小淋はひどく苦労をすることとなりました。
『それです! ありがとうございます!』
へろへろに揺れる文字でスケッチブックへ書き付けてから、震える手で、受け取りました。
「……よっぽど、大切なものなんだね。良かったら、理由を聞いてもいいかな?」
小淋の感情は、きっとねむるにも伝わったことでしょう。控えめにそう尋ねた彼へと、小淋はきゅうっと胸元へ抱き込んだリボンについて……動悸がいくらか収まるのを待ってから。
『中学時代の親友が、身に着けていたものだったんです』
それは、小淋を知る人なら誰もが見覚えのある、
チェック柄のリボン
。何の変哲もない一品……けれど他には代えがたい、大切な、大切な記憶が宿る品。
そっと閉じたまぶたの裏、思い浮かべます。あの、素敵な
夢の中
に見た、彼女の笑顔を。ずっと胸に抱え込んだままだった苦しみが、ふわりと解放された瞬間を。
彼女の、あの綺麗な髪を結っていたのも同じ、チェックのリボンでした。
『これを身に着けていると、今でも彼女が背中を押してくれているような……いつだって私を、勇気づけてくれるんです』
「……そっか。良かった、見つけられて」
そう言ったねむるの顔にもまた、満足そうな表情がにじみます。つぶやいたのは、心からの言葉だったことでしょう……そんな彼へともう一度、小淋もまた、心からの感謝を述べて。
そうしてリボンは再び、あるべきところへ。小淋の頭の後ろへきゅっと結ばれて、いつものように、彼女を彩りました。
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担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
恋愛
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年01月24日
参加申し込みの期限
2016年01月31日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年01月31日 11時00分
参加キャラクター一覧
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