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わすれものはなんですか?
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【ともだち】
教室へやってきた一風変わった友人、
千歳飴 楓子
がどうやら少しばかり慌てているらしいことを、見上げた
卯木 衛
も、何とはなしに悟りました。
「……サイフ、失くしたぁ!? 大変じゃねえか、一体どこに落として……っていうか、警察とか、届け出たほうが良いんじゃないのか?」
「時は金なり、と言うじゃないか。衛氏」
確かに彼女は、いつものポーカーフェイスと変わらないようにも見えます。けれどどこか、こう……そわそわと、落ち着かない感じを漂わせているのです。
「イベントの開催期間は有限なんだ、少しの時間も無駄にはできないんだよ。こうしている間にも、他のプレイヤーは順位を上げ、楓子のランキングは下がっていく……でもまだ、今なら巻き返しは可能なんだ。すぐに見つけて課金すれば……」
「あ、ああ。何だか良く分かんねえけど、急いでるんだな……」
それにいつもより、彼女、大分口数が多いのです。普段はスマホいじりながらゲームだか何だかに忙しいところが、今は所在無げにそこらを行ったり来たり、時折衛へすがるような目線を流したりしつつ、しきりに差し迫った状況を語るのです……まぁ、表情は、ぴくりとも変わりませんでしたけれど。
彼女の語る理由については、衛には良く分かりません……けれど、そこは彼。お人好し、世話好きで通っておりまして、だからこそ楓子もまた、友人たる彼を頼ってきたのでしょう。そこに悪い気はせず、だからこそ、衛は言いました。
「しょうがないなー!」
ぐい、と袖の余った制服を改めて腕まくり、気合を入れ直しますと、
「俺が手伝ってやるよ。絶対見つけてやるからさ、そんな心配すんなよ!」
「ああ、ありがとう。衛氏ならそう言ってくれると思っていた。よろしく頼むよ」
「おう、任せとけって!」
小柄な身体をめいっぱいに反らして、胸をぽすんと叩きました。身長は並んだ楓子より10センチばかり低い衛ですけれど、今の彼の、何と頼もしく見えること!
「よし、それじゃ楓くんが今日行った場所、歩いた道を教えてくれ。順番にたどっていけば、きっとどこかで見つかるさ」
「そうだね、今日は確か……」
そんなわけでふたり、失くしたお財布探しへと乗り出します。
ひとまずは、学校中を探索。自分の教室に、使用した移動教室、その他もろもろ、記憶を頼りにずずいとたどりまして、玄関へ。校舎内の心当たりをひと通り巡った限りでは見つからず、お財布捜索の道行きは、通学路へと飛び出します。
「学校じゃ見つからなかったな、さて次は……楓くん、今日は真っ直ぐ学校に来たのか?」
「いや、銀行へ寄ってきたよ。今日はイベントの初日だからね、現金が多いに越したことは無い」
「銀行でお金を下ろして……となると、そこから学校までの間がアヤシイな。よし、行ってみようぜ」
とずいずい前に立って先導しながら、衛はたどった場所を逐一、手にしたノートへ詳細にマッピングしていくという、何とも本格派。友人のためと気合の入る彼は、楓子にとっても大変にありがたい存在です。
とはいえ、衛がそうしてあたりを一生懸命に探しては、かりかりとペンを走らせ……という間に彼女が何をしているのか、と言いますと、
「助かるよ、衛氏。きっと衛氏が見つけてくれると、楓子信じてる」
「おう、絶対見つけてやるからなー!」
なんて会話を交わしつつ、衛の後ろで何かウロウロしてたり。手伝うでもなく、ただ後ろに立ってそわそわしてたり……何しろ、実のところ楓子はこう見えて、内心かなりの焦りを感じておりまして。
「ああ、こうしている間にも、ランキングは入れ替わる。順位はどんどん落ちていく……いや、今からでも巻き返しはできる。まだ遅くはない、ああでも、このまま見つからなかったら……」
等々、ぶつぶつぶつ。
要するに彼女にとって、綺麗な青のエナメル製長財布、それそのものは二の次。そこに入っている、おろしたて、けっこーな額の現金と、引いてはそれによって賄われる、潤沢なゲーム内マネーこそが重要なわけなのです。昨今スマホで遊べるゲームといえば、これがなかなかにシビアなものでして、費やすお金は言わば実弾、加えてかけた時間に比例して結果が現れるという、何とも力ずく、仁義なき戦いであります……そこへいくと楓子は、お財布の中身、つまりはこつこつと溜めたバイト代を湯水のように注ぎ込むことも厭わない、由緒正しき課金戦士と呼ぶにふさわしき、まさしく歴戦の勇士! なのでした。
「つまり、課金は蜜。というわけだね」
「うん、良く分かんねえけど、楓くんがマジだってことだけは良く分かったぜ」
真顔でわたわたとするばかり、探すことにはいまひとつお役に立たない楓子をよそに、衛はイキイキとして地図を書き込み、あたりの地形や探したポイントを埋め、順調にマッピングを進めていくこの頼もしさ。友人の望みを叶えてあげようという、彼の優しい気質、明るい笑顔には、楓子の不安も和らごうというものです。
「……ああ。やっぱり、衛氏に頼んで良かった」
「このへんには無さそうだな、次はあっちの道に……ん? 何か言ったかー?」
「いいや、何でも。小さくても頼りになるな、と思っただけだよ」
「だーれーが、小さいんだよ!? ったくもー」
なんて、何気ないやり取り。こうして彼と友情を深められることが、あるいは、今日の一番の収穫と言えるかもしれません。今日と言うこんな日は代えがたく、友情こそが自分にとっては一番の財産であると楓子の胸には刻まれて、もし仮に、このままサイフが見つからなかったとしても、たとえゲームのイベントに参加できなかったとしても、
「いや、それは困る」
あ、はい。やっぱりそうですよね……。
民家の並ぶ路地へと差し掛かると、衛はぴたり、足を止めました。
「ここを抜けると、楓くんが寄ったって銀行に着くわけだな。よしっ」
「地図はここまでだな。どうするんだ?」
「ま、見てろって!」
マッピングはあらかた済んでしまい、後はこのあたりを残すのみ。見つからなければいよいよもって、警察に届け出るほかナシ、といったところで。楓子の不安そうな……というほどでもない、真顔のままに寄せられた視線へ、衛は、にかっ! 笑みを浮かべます。
いかにも怪しいのは、道の両脇を伸びる、長大な路面排水用の側溝です。覆いかぶせてある金属の格子、その目が何とも、楓子の愛用する長財布がガスッと入り込んでしまいそうな、ちょうど良い大きさでして。かといって、そのひとつひとつを確認していくのには、少々時間がかかりそう……というわけで、
「なら、高いところから見下ろせば、一発で見えちまうってわけだ……よっ!」
ととん、っと衛はつま先をコンクリートへ軽く打ち付け鳴らすと、ぐぐっ、と身をかがめて……ぴょーーーん! ろっこんを使って大ジャンプ!
「おお。小さいから良く飛ぶな……」
「んあー、何だってー?」
「何でもない」
しゅたん、と高ーい電信柱のてっぺんへ難なく着地して、ぐるり。周囲を見渡せば……すぐにも彼は、
「! あそこ……何か光ったぞ! 向こうの溝の下、きっとあそこだ!」
びしりと指差した、その先へと楓子が駆け寄り、格子の下を覗き込んでみますと。そこには確かに、エナメル皮、艶めく青色の見慣れたサイフが、ちょっぴり汚れに塗れながらも、
「……あった!」
ふかぶかと頭を下げた楓子に、衛は、きょとん。
「ありがとう。衛氏が見つけてくれて嬉しいよ。もし、衛氏が何か困ったことがあったら、いつでも頼ってくれ。力になるよ」
淡泊に見える友人も、こういう時には何となく慌てたり、そんな風に律儀にお礼を言ってくれたり……今日に見ることの出来た意外な一面には、衛も思わず、にっこり。笑顔がこぼれてしまうのでした。
「おう、期待してるぜ!」
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担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
恋愛
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年01月24日
参加申し込みの期限
2016年01月31日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年01月31日 11時00分
参加キャラクター一覧
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