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【大晦日】星ヶ丘のSPECIAL DAY & NIGHT
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●その音色は情熱を孕んだ、透明
すっかり日も暮れた頃、高級海上レストランである『イソラ・ガレッジャンテ』の二人掛けのテーブルに、二人の男が向かい合って座っていた。二人ともタキシードを着込んでいて、またそれが似合っていて憎らしいほど。
タキシードを着ているせいか、年齢も少し上に見えてはいるが彼らはまだ少年と呼ぶべき年齢だ。お互い夏生まれの17歳で、大人と少年の境目をゆらゆらと漂っている……そんな少しの危うさと色気があるようにも見える。
だからだろうか、レストラン内の女性の目をかなり惹いているのは。けれど、二人はそんな視線に気付いているのかいないのか、特に周囲を気にした様子もなく店内で流れる上質な音楽をBGMに……軽い言い合いをしていた。
臙脂のシャツにタキシードを着ている、少し冷たい印象を受ける顔立ちの男……
神嶋 征一郎
と、白いシャツにタキシードを着ている線の細い柔和そうな印象を受ける顔立ちの男……
篠宮 六花
だ。
「まさかお前と年を越すとはな」
「俺は大晦日に誰かと一緒なのは初めてだな……」
その相手がお前で嬉しいけど、という言葉はグラスに注がれた水と一緒に飲み込んで六花が言う。
仄かに浮き上がる感情を抑えて、征一郎は六花を見る。確かにこのレストランを指定したのは自分だけれど、いつも和装の六花がタキシードを持っているとは思っていなかったので少し不思議なものを見ている気分になって、皮肉交じりに口を開いた。
「それはそうと、和服だけじゃなくそんな服も持ってたのか」
「俺が和服以外持ってる訳ないだろ、征一郎のをちょいと拝借しただけだ」
しれっと、とんでもないことを言われたと征一郎は思う。確かに鍵は掛けていたはずだが――。
「……てめぇまさか勝手に自分の部屋に入ったのか?」
「……お前の部屋の鍵、もっと頑丈な物にした方がいいぞ」
確かに部屋番号を教えたのは自分だが、来るならそうと言えばいいものを……そこまで思ってから征一郎は溜息混じりに、もういいと六花に言う。
「その服を汚したら引き取れ、金はいらねぇ」
「え、汚さない自信なんてないぞ」
知っている、とは言わずにじろりと目だけでそれ以上の問答を止める。知っているから言ったのだ、一着くらいもっていなければこういった店には来れないから。
六花が諦めたように微笑むと、このレストランの自慢のイタリア料理が運ばれてくる。暫くの間、二人は食事と二人の間に流れる音楽を楽しんだ。二人とも食べ方が綺麗で、様になるとはこういうことを言うのだろうか。
「すごく美味しいな、ここの料理、征一郎のお気に入りか?」
「……ああ、ここの料理に外れはねぇからな」
つまり、気に入っているということなのだろう。征一郎に気が付かれない程度に笑みを浮かべ、六花は美味しい料理を堪能する。
「デザートは……てめぇはいらねぇか」
征一郎のその言葉は、六花が洋菓子が苦手だということを知っての心遣い。こくりと頷いたのを確かめると、ウェイターにそう伝える。暫くすると店側の気遣いだろうか、フルーツを軽く盛り合わせたものが運ばれてきた。それを摘みながら、征一郎は六花の目を見つめる。
「CD屋で言った事覚えてるな?」
「CD屋……ああ、あれか。建前抜きの演奏、か」
あの時は結局出来なかった六花の演奏を今日こそ聞かせろ、と征一郎は言うのだ。けれど六花は困ったように眉根を寄せて渋っている。こんな立派な店で自分の演奏などと思っているのだろう。だから、征一郎は親指で入り口の方を示しながら、
「賭け事は好きじゃねぇが、次に来店した客が男か女か賭けて負けた方が飛び入り演奏するってのはどうだ」
と、自分が負けるとは少しも思っていない、そんな表情を崩さずに言う。先に選ばせてやる、と言って六花の言葉を待った。
「賭けか……そうだな、それなら女性に賭けよう」
数分も経たないうちに勝敗は決まった。結果は当然とばかりに口の端を上げる征一郎を見れば一目瞭然であった。
「嘘だろ、男二人とか……。俺が演奏って何だよ、大事故だろ雰囲気台無しだろ、だから嫌なんだよもう……」
ぶつぶつと呟いた後、負けは負けだと気を取り直して六花は立ち上がる。
「何してる、早く行け」
「よし。行くぞ、征一郎」
「何で自分が? 負けたのはてめぇだ」
「俺もお前の演奏が聴きたいんだ、知ってるだろ。な、久しぶりにあの曲、弾こう? 俺達の大切な曲を」
そう言われてしまっては、征一郎は立ち上がらざるを得ない。促されるままにステージへと向かった。
六花はピアノの前に、征一郎はヴァイオリンを持ってきていなかったから、ステージで演奏していた奏者に借りてもいいかとだけ確認して渡されたそれを手にした。
先に音色を奏で始めたのは六花だ。一瞬でその場の空気を奪うようなその音色は談笑していた人々の視線を集める。曲目はサティの「ジュ・トゥ・ヴー」だ。
調整を終えた征一郎が、ピアノの演奏に合わせるようにヴァイオリンを奏でる。六花と初めて弾いた「ジュ・トゥ・ヴー」は丁寧に、まるで大事なものを優しく抱きしめるかのような音色を響かせた。
けれど、征一郎は感じていた。六花が自分と二人きりの時のような、手加減のない全てを色付かせるような演奏をしていないことに。不満気に睨めば、ふっと顔を上げた六花が今は客が多いし、ヴァイオリンも借り物なんだから仕方ないだろう? というように目を細めるのが見えた。
ここで己を剥き出しにするわけにはいかない、だって二人きりではないのだから。
それからは流れるように次の曲へと移る。そして征一郎へと悪戯っぽく笑ってみせると音に色を載せていく。
叙情的に、扇情的に、時に激しく、時に愛を囁くように。
そこへ征一郎の音が重なって、まるでお互いの心を絡ませるように深みを増していった。
演奏が終わる頃にはそこにいた全ての人々を魅了して、二人の若き演奏家は拍手喝采を浴びるのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
加持蜜子
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年03月05日
参加申し込みの期限
2016年03月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年03月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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