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滅びの呪文の夢現
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「っと、ここがまず第一歩と」
「……マジかよ」
「降下成功、ってとこかな」
宙に張り出した大樹の梢の上、不思議の技で地面と同じように組み上げたられた石畳の路の端に、
ナイト・レイヴン
を抱えた
三夜 茜
は舞い降りる。
背後から抱えた格好だったナイトを解放し、茜は背の大翼を仕舞う。空の城の只中に立ち尽くし、呆然と周囲を見回すばかりのナイトの前に回り込む。
「何だよ」
鋭い目で見下ろすナイトを真顔で見上げ、おもむろに両手を掴む。ぐーるぐーる、まるでニャルタに到達したアニメの少年少女がしていたのと同じに二人で回る。回って回って、道の端から空中へ落ちそうになって、
「お、おいッ?!」
焦ったナイトが必死の顔で踏みとどまった。空にのけぞる格好の茜を咄嗟に抱き寄せ、二人して路に倒れこむ。
仰向けに倒れたまま、ナイトは夜空に向けて息を吐く。きつく抱き寄せて初めて気づいた。
(女かよ)
話し方や幼い顔つきのせいで年齢不詳ではあるものの、どうにも年上らしい茜に、ナイトは渋い顔をする。
「ったく、あぶねーだろ?」
怖い眼で見られて、けれど茜は屈託ない笑みを弾けさせた。
「見殺しにするかと思ってたよ」
小さい頃から空や飛行機に憧れていた。だからニャルタも大好きで、印象的な場面は空で台詞が言えるくらいに覚えている。でも、ナイトは若い。
(なにやってんだろこの変人、って)
そう思うだけだと思っていた。
「……できるわけねーだろうが」
根っから憤慨してみせるナイトの手を取り、茜は空の城を見遣って立ち上がる。不満顔を見せるナイトにもう一度笑いかけ、先だって石畳の路を辿り始める。背後にきちんとついてくる不貞腐れ顔の少年の気配を確かめながら、路に沿う建物にぽっかりと暗く開いた窓の奥、樹の根に絡みつかれて転がる金貨や銀貨、煌びやかな宝石の幾つもついた金細工を見る。
ちらりと振り返れば、ナイトが物憂げな眼差しをニャルタの宝物へと向けている。
「こらーネコババするなー」
「別に盗みはしねーよ」
釘を刺されてナイトはまたむくれた。ただ、
(アイツと観たニャルタとまんま同じだから)
だから思い出していた。
「なあ……」
言葉が零れ落ちてしまったのは何故だろう。
「好きだった奴と死に別れた時さ、残された奴はどうしたらいいんだろうな」
知らず零れた言葉に焦った。思わず唇を抑える。変な事を言ったと詫びるよりも先、
「立ち尽くしてしまうよな」
まるで同じ経験をしたことがあるような茜の言葉に、ナイトは言葉を失う。
「父さんがくれたのは空への憧れとかっこよさ、母さんがくれたのはこの眼差し、とかね」
琥珀の瞳を僅かに笑ませ、茜は己が孤児であることを口にする。その上で、母がくれたと同じ優しい瞳で微笑む。
「今はどっちもいないけど楽しくやれてるよ」
明るく言ってのけて、茜は空を仰ぐ。そうして、おお、と歓声を上げる。
空の城を支える巨木の梢から梢を、幹に貼りつくような建造物から建造物を翼もなしに自在に飛び回る、亜麻色の髪した少年と少女。
「……うわぁ」
空を渡りニャルタに降り立って一時間程。大樹の幹や梢に広がる廃墟の街も庭園も、隅々まで探検しようとばかりにどこもかしこもを目に納めようとどれだけ飛び回っても、
鴇波 羽衣
はうっかりするとニャルタのその壮大さと臨場感に飛び立つことを忘れて見惚れてしまう。
「鴇波」
羽衣のろっこんで飛行能力を付与された布を纏い、好奇心の赴くままにニャルタを飛び回る
八神 修
に声を掛けられ、羽衣は瞬く。
「っと、いけない」
せっかく来れたのだから、時間を無駄には出来ない。時間の許す限り、修と共にニャルタを探検したい。
路に遊ぶ栗鼠にも子狐にも似た小動物をデジカメに納めていた修の肩にしがみついていた黒猫のブラックが、不意に修を離れた。小動物にじゃれかかったかと思えば、二匹して少し離れて立ち止まり、振り返る。
「何所まで案内してくれるんだい?」
追いかける修と羽衣を連れてブラックが立ち止まったのは、路の果ての壁の前。行き止まりに見える壁を護るように、一体のロボットが衛兵じみて立っている。
永の月日を風雨に晒され錆色に染まったロボットは樹蔦に絡め取られるようにして、
「壊れてるのかな……?」
「そのようだ」
ブラックを抱き上げたのとは反対の手で動かぬロボットに恐れげもなく触れ、修はロボットの指先から呆気なく外れた小さな輪をポケットに入れる。指先に触れるのは、庭園の池から掬い上げてきた翡翠色の宝石。
「確か、物語では城は最後に崩壊するんだよな」
「……うん」
朽ちながらも何かを護ろうと立ちはだかるロボットを羽衣は見仰ぐ。
ここには、どんな歴史があったのだろう。
尽きない興味と共に、嫌な予感もある。もしもここが、あのアニメと同じように崩れてしまうとしたら、ここを住処としている動物たちはどうなるのだろう。目の前のロボットは壊れてしまっているけれど、ここは広い。生きているロボットだってまだ居るかもしれない。穏やかに優しく生きているだけの彼らは、どうなってしまうのだろう。
(もし、)
羽衣はそびえる大樹を仰ぐ。もしも、木の根の支えで崩れない場所があるのなら。アニメの通りに、城の中枢に城を浮遊城たらしめる動力源の魔法の石があるのなら。その石が、例えば宇宙や別次元の世界まで大樹を飛ばしてくれるのではないか。そうすればロボットも動物たちも無事でいられるのではないか。
夢物語にも思える挑戦を、羽衣はけれど出来ると信じた。
信じたままに傍らの修に話せば、同じ懸念に至っていた修は大きく頷いてくれた。
(次元門を開いて異世界に逃がすとか、……それは無理でも外から見えないシールドを張るとか)
廃墟の浮遊城に生きる彼らが静かに生きてゆける手段を模索して、修は考え続ける。けれど今ここに、それを可能とするろっこんを持つ者はいない。
(中枢部に行けば可能かもしれないが)
物語の中では、城塞都市の中枢部たる城の奥に城の状況を把握できる制御装置があった。あれを使えば、庭園のある区画を、動物やロボットのいる区画を崩壊部から切り離して護ることが出来るかもしれない。
(だが、……)
中枢部に至るには、魔法の石が必要だった。入り口さえも、今は見つけられていない。
山積みの問題を前に、むしろ修は奮い立つ。
「ギリギリまで諦めないで助ける方法を探すぞ」
「うん!」
二人は動かないロボットの立つ路から飛び立つ。城の外壁に沿って自在に飛びながら、所々に光宿して見える城内に目を凝らす。壁に伝う樹蔦にも、大樹から張り出す梢にも、鳥や小さな動物が数え切れないほど息づいている。彼らを皆助けるためにはどうすればいいのだろう――
「ねえ! もうすぐここ、崩れちゃうかもしれないの!」
「城の上部への避難を――」
声を限りに叫ぶ羽衣に倣い、避難を呼びかけようとした修が不意に口を閉ざす。鴇波、と羽衣に指し示すは、城の上部。
大樹の梢に巡らされた石の路を、淡く輝く光持った黒髪の青年とロボットが歩いている。彼らが目指しているのは、道の果ての円形広場。
細い路ひとつで繋がれ支えられているとは思えないほどの広場を埋めつくすは、色とりどりに咲き乱れる花々。花々に囲まれた広場の央には、巨大な石碑。
空を渡り降り立った二人と一匹を迎えたのは、
「ああああかわいいいいっ」
「……で、やっぱこうなると」
花園に遊ぶ尻尾ふわふわの小動物を前に悶絶する
呉井 陽太
と、呆れ顔で息吐く
楢木 春彦
。
「ちょ、何その目は……っ」
無言で肩すくめる春彦に、陽太は地団駄を踏む。
「知ってたって顔しないでよぅ、もー!」
真剣に怒ってみせてから、陽太は広場に舞い降りる羽衣と修にひらひらと手を振る。
「おー、深縹さんもー」
「HAHAHA、何処へ行こうと云ふのかね?」
お弁当箱を大事につまみあげたロボットと並んで歩きながら、
深縹 露草
はアニメ映画に出てくる悪役の台詞を怪しい口調で口にする。
「わあっ!」
動くロボットを目にして、羽衣は目を輝かせる。
「今晩はっ! あたし、羽衣!」
全速力で駆け寄り、きらきらした瞳で見上げてくる少女に、ロボットは頭部の赤い光をちかちかと明滅させて笑った。花畑に遊んでいた動物たちが慣れた様子でロボットの肩に駆け登る。
「聞いてくれ」
優しげなロボットの前に立ち、修が顔を引き締めて語り掛ける。城の一部が崩れ去るかもしれないこと。けれど城の上部は無事に残るだろうということ。城に住む動物たちやロボットたちを避難させたいこと。
「でも、あたしたちだけじゃ……」
俯く羽衣の頭を武骨な掌で撫で、ロボットは花畑の央の石碑にお弁当を供える。祈るような仕草をして後、赤い光を明滅させ、体内の何処から鳴るとも知れない高い笛のような音を立て始める。
警報音にも似たその音を、おそらくは避難誘導のための音だと信じて、羽衣はこの場に集まった皆に駄目元で提案する。
「……あの呪文、みんなで唱えてみない?」
自然に任せるよりも自分たちで崩壊させた方が安全かも、と言う羽衣に、
「良いですね」
露草が神妙に頷く。やけに嬉しそうな笑みを唇に浮かべ、羽衣と修、陽太と春彦の手をそれぞれに重ね合わせる。怪訝そうな少年少女たちをよそに、露草は取り出したメモに素早く何かを書付け、
「……時間だ」
おもむろに、重々しく告げる。
少年少女たちは目を合わせる。息を合わせ、重ねた手を掲げ、叫ぶ。
『ニャルス!』
(彼らの手よ、光れ!)
二組の少年少女たちの重ね合わせた手から迸る蒼白い光の渦を僅かに不審に思いつつ、露草は心底楽し気に喚いてみせた。
「目が、私の目がぁぁ……!」
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担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
16人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年01月20日
参加申し込みの期限
2016年01月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年01月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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