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滅びの呪文の夢現
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星々の幽かな、けれど大量の光が重なる梢にさえ透けて見える。霧の粒にも蜘蛛の糸にも似て優しく降る星月の光の下、古に滅んだ王国の町。
(本当にあの町みたいだね)
自室に見ていたアニメ映画の空の城ニャルタと、此処はとてもよく似ている。
草履に踏む石畳を蒼碧に彩る苔に、
音羽 紫鶴
は王国が放棄されてからの永の月日を想う。それは数百年か、あるいは数千年か。そしてそれは即ち、今此処を訪れた己が永の年月を経て初めて訪れた人間であるということ。
魔法にも等しい科学によってか、地上にはありえない巨大さに育ち、浮遊城の全てを支える大樹を仰ぐ。幾層にも重なる石造の建物と通路を、その身に抱え込んで護る、ひともとの巨木。
(……ああ、いや)
大樹の守護する街の何処かから、誰かのはしゃぐ声が聞こえてきている。それも一人ではなく、複数人。この不思議の城に数千年ぶりに立った人間は、己だけではないらしい。
歳月を経るうちに風化し崩れた石の家屋がある。巨大な石塀がある。古びていて尚、不思議な光沢を宿す石を覆いつくす勢いで、旺盛な生命力宿した瑞々しい色した植物たちが繁茂している。
歩むごと目前に広がるのは、かつて此処に高度な文明があったのだと思わせるものの残骸。
過去の時代の展示品や集落の跡ならば、何度か目にしたことはある。
(けれど、ここは違う)
興味深く周囲を見回しながら、紫鶴は古代王国の探索を続ける。
(これは、誰にも手を付けられずにただ取り残された町だ)
これが神魂の影響がもたらしたナニカであることは理解している。誰かのろっこんが作り出した偽物であるかもしれないとも思う。ただ、それでも、ここには確かに人々の生活の跡が残っている。
古代に生きた、天翔ける城塞都市の人々。
彼らの遺した場所に、もしかすると永遠に見つからなかったかもしれない場所に、己は立っている。
(……不思議な感覚だ)
星月の光の雫を金剛石のように宿す樹蔦の葉をそっと踏み分け、古代の少年神官のように歩む紫鶴の傍らを、小さな雀を連れた夜鷹が過ぎる。少年の視線を振り切り、夜鷹と雀は森よりも深く生い茂る植物の葉群の影に姿を紛らわせる。
木々の一枝に翼を休めるヨタカさんの一瞥に、ぐるりに人目のない意味を読み取って、
御巫 時子
は変身を解除する。雀から人の姿へと戻る。服のポケットから雷鶏さんを片手に包んで取り出し、寝ぼけ眼のヒヨコを肩へそっと乗せる。
夜空を渡って辿り着いたそこは、庭園のようだった。
夜の冷たさ宿す草木を掌にそっと分ける。背後に聞こえるヨタカさんの密やかな羽ばたきを心強く思いながら、色鮮やかな百花の咲き乱れる場所に踏み入る。足首をくすぐる花の優しさに思わず顔が綻んだ。腰を屈める。ここまでついてきてくれたヨタカさんや雷鶏さんに花冠や花の指輪を作ってあげたいけれど、
(でも、摘んでしまうのはもったいないですね)
艶やかにささやかに、それぞれにそれぞれの花びらを開く花を採ってしまうのは惜しい気がした。一輪の花に触れた指先は花びらを優しく撫でるだけにとどめて、時子は歩みを進める。
幾許と進まぬうち、ヨタカさんとは違う小さな羽ばたきを耳にして、時子は三つ編みの黒髪を揺らして振り返った。
晴れ渡る冬空の如く鮮やかな色した小鳥が一羽、人を恐れぬ仕草で時子の足元に舞い降りる。
「今晩は」
小首傾げる空色の鳥に、時子は丁寧にお辞儀する。同時にろっこんを発動させ、小鳥の声に心の耳を澄ませる。言葉は、通じるのだろうか。
「私は、
御巫 時子
と言います。良ければお名前と、それから、このお城について聞かせてもらえませんか……?」
ゆっくりと話しかければ、小鳥はどこか楽しげにチチチと笑った。小さな翼を羽ばたかせ、ついておいでとばかり庭園の空に舞い上がる。小鳥を追って見上げた黒い瞳に、穏やかな夜を映す高い窓が見えた。ふわり、暖かな空気が頬を撫でる。庭園を満たす春のような温もりに唇を笑ませ、時子は小鳥を追うて足を僅かに早める。
空色の小鳥に薄紅色の翼持つ小鳥がじゃれつく。途端、時子のことなど忘れ、小鳥は仲間の小鳥と遊びながら庭園の空に舞い飛び始めた。彼らは日々をこうして誰に邪魔されることもなく楽しく過ごしているのだろうと思えば、時子は自然と笑顔になる。
小鳥や小動物が跳ねる庭園を抜けた先には、最早樹の根や蔦に呑まれ果てた街があった。街を包む空気の冷たさに己が身を抱き、時子は白い息を吐き出す。光源も見えぬのにふうわりと明るいのは、足元に敷かれた石畳が淡く白く光を湛えているせいか。
(誰が何のために城を造ったのでしょうか?)
そうして、折角造った城を何故放棄したのだろう。
街に人影はない。蔦の隙から石造りの家屋を覗けば、緑に半ば呑まれて最早色褪せた絵画や書棚に遺されたまま風化した書物や、部屋の隅に今も尚輝く宝石の埋め込まれた宝箱が見えた。
寝子島の停電とこの城の出現の関係性が読めず、時子はただ首を捻る。それでも、アニメ映画に見た城と此処はとてもよく似ていた。
(まさかアニメに神魂が宿ることが……)
空っぽの家からほとんどを緑に占められた古代の町へと視線を移したその先に、時子は街の広場に夜空から降り立つ土色したロボットを見た。
時子の背丈の三倍はあろうかという大きなロボットが、風の歌うような不思議な駆動音を立てつつ身を屈める。その広い背から、黒髪の少年と長い黒髪の青年とが滑り降りる。それからもう一人、大柄な少年が不意に、まるで魔法のように黒髪の少年の傍に立ち上がる。
「こうしてはいられません……描いて描いて描きまくりマース!」
ロボットから降りるなり、
深縹 露草
は歓喜の雄たけびをあげる。スケッチブックを取り出し、鞄から敷物を取り出してその場に広げ、目前に広がる古代王国の幻想的な光景を心の赴くままに写生し始める。
はしゃいでいる時とは打って変わった真剣な瞳で、もう誰の声も音も聞こえない様子の露草を見、
七峯 亨
は滅んだ街へと視線を移す。僅かに黒い瞳を細める。
「帰りも頼んだぜ」
見た目のいかつさに反して気のいいロボットに手を合わせて頼み、同行の千早に軽く笑いかける。
「俺は探索に行くが、君はどうする?」
身の丈を自在に変えられる少年に声掛けられて、千早は慌てて外していた眼鏡を掛け直した。ぼやけていた視界がきちんと見えると同時、さっきまでの自分の言動がものすごく恥ずかしくなった。ここまで一緒に来た亨と眼を合わせるのも照れくさいまま、けれど黙りこくっているのも悪い気がして、
「……すごい景色だ」
「ああ」
独り言じみて零せば、少年は確かな同意を示してくれた。
先客なのか、廃墟の前に立っていた三つ編みに和装姿の少女が丁寧なお辞儀を見せ、小鳥が羽ばたくように和服の袖を揺らして町の何処かへと消える。少女を護るように、夜鷹が少女の後を追う。
少年二人は廃墟の探索へと繰り出す。空の城を護る傘のように梢を広げる大樹の根なのか、遺された街のそこかしこを樹の根が這いまわっている。樹の根の隙間を縫うようにして草花が芽吹いている。
草花の楽園の如き廃墟に視線を広げれば、不思議に淡い光を宿す石畳の道の間、文様のよう彫り込まれた用水路があった。近づき覗き込んで、千早は息を呑む。
水路の中、蒼く沈んで街がある。
水中の街を泳ぐは、地上に見たことのないかたちした水棲生物たち。
水路の傍ら、苔に包まれ樹蔦に呑まれ、静かに朽ちてゆくばかりの石造りの家屋に手を伸ばす。指先に確かに感じる石の、草木の手触りに、千早は表情を変えぬまま心を躍らせる。ニャルタは、今は確かに存在している。
「土産物……なんてのはきっと無粋だろう」
蔦の這う窓辺に忘れられて転がる空色の宝飾品を一度手にして元の位置にそっと戻し、亨が呟く。見上げる千早にちらりと笑みかけ、静かに、ゆっくりと廃墟を歩き回る。
「少なくとも、冒険心は十二分に満たせるな」
「……確かに、そうですね」
内心の興奮を隠して落ち着いた声音で返し、千早は訪れる機会があるなど夢にも思っていなかった遥かな空の城を見晴るかす。
夢とも現とも知れぬ、けれど確かに在る空の城に連れて来てくれたロボットは、絵を描く青年の傍らにじっと跪いている。まるで何かに祈るように、何かを待ち受けるかのように。
「おにぎりどうぞ」
廃墟の町を描き上げ、露草は夢から覚めたように瞬きして後、鞄から取り出したお弁当箱を開きロボットの膝元に置く。
赤い光を瞬かせ、ロボットはごつい指を伸ばしてお弁当箱を器用につまみ上げた。おにぎり型の頭をくるりと回して笑い、ひょいと立ち上がる。のんきな足取りで廃墟の町に伸びる石畳の道を辿り始める。
「どうかしましたか?」
黙って澄ましていれば妖艶にも見える顔を心底楽しい笑みに崩し、露草は鞄とスケッチブックを片手にロボットの後を追う。
不思議な淡い光源があるとは言え、それでも充分に暗い物陰で樹蔦に足を取られ、転びそうになって踏み止まり、露草は持参したメモに素早く紋章を描く。
(私の鞄よ……光れ!)
そうして念じれば、露草の持つ鞄にメモに描いたものと同じ紋章が光り輝き現れる。いつもより光が少なく感じられるけれど、足元くらいならば照らし出せるランプ代わりの鞄を手に、露草はほくほく顔でロボットに続く。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
16人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年01月20日
参加申し込みの期限
2016年01月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年01月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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