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夕暮れアメジスト
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●茜雲に包まれて
その日、
野阿 胡桃
は学校が終わってからシーサイドタウンにあるゲームセンターへと遊びに来ていた。誰を誘うでもなく、一人気ままにシューティングゲームやクレーンゲームに興じている。
「っと……よし! ゲットー!」
クレーンに引っ掛かった、デフォルメされた小さな猫のぬいぐるみがが可愛いキーホルダーが二つ、カチャンと音を立てて取り出し口へと落ちた。それを拾い上げ、満足そうに鞄にしまうとゲームセンターを後にした。
目の前に広がった綺麗な夕焼けを見ながら、ゲーセン楽しかったな、お目当てのキーホルダーも二つゲットできちゃったし……と思いながら歩き出す。けれど、ふっとその歩みを止めると表情からも色が消える。
「でもちょっと虚しいよーな、疲れたよーな」
そう口にしてしまえば、本当に疲れてしまって無意識に溜息が出た。
あたし、何やってるんだろう。そんな風に思いながらぼんやりとしていると、不意に声を掛けられた。
「野阿? そんなところでぼんやりして、どうかしたか?」
聞き覚えのある声だと振り向けば、そこにはクラスメイトの
八神 修
が自転車に乗ってこちらを見ていた。白馬ならぬ、自転車に乗った王子様のようだと胡桃は少し笑ってしまう。
「やがみん! やがみんこそ、こんな所で何してるの?」
「俺はちょっと買い物を……いや、ここで立ち話もなんだ。あっちにベンチと自販機があったよな? そっちで少し話さないか」
缶コーヒーぐらいなら奢るぞ、と言う言葉に頷いて胡桃は修の後に続いた。
本当は気分転換に格闘ゲームの対戦でもどうだと誘おうとしたのだけれど、胡桃の様子を見てそれじゃ駄目だと感じて修は言葉を変えた。いつも明るく元気なクラスメイトは、何故だか酷く頼りなげな……迷子の子どものような顔をしていたからだ。
「どれにする?」
「あ、じゃあホットココアで!」
修はホットコーヒーのボタンと、ホットココアのボタンを押す。二つの缶を取り出すと、一つを胡桃に渡してベンチへと腰掛ける。
「それで、どうかしたのか?」
ストレートに聞いてくる修に、らしいなと思いながら胡桃は手の中の缶を弄びながら口を開いた。
「らしくないとこ見られちゃったね。……あたしはねぇ、明るくて元気なあたしが好きなんだあ」
修が静かに頷きながら、缶コーヒーのプルタブを引く。パキリという音が響いた。
「それがあたしだし。だから、なるだけそーいうあたしでいられるよーにってしてるんだけど」
胡桃の視線が、自然と下を向く。手の中のココアに触れた、冷えた指先が熱を持っていく。修は、コーヒーを一口飲んで、胡桃の言葉を待った。
「そーいうのに最近ちょっと疲れてきたかなーって」
「うん、俺も自分が疲れる時はあるよ。多分誰にでもあるんじゃないか?」
「やがみんもそういう時あるんだね。そっか、あたしだけじゃないのか」
少しだけほっとして、胡桃はココアを口に含む。それから真っ直ぐ前を見てから飲み込んだ。
「とゆーか、今の時期外出ると仲良さそうなカップルよく見るよね、羨ましー。あーあ、あたしも恋人ほしーなあ!」
「クリスマスが近いからな。……恋人とか、俺もいないよ」
「えー、彼女の一人や二人いそうなのに! よく女の子と一緒にいる気がするんだけど、やがみん」
「嘘じゃないって、ホント。それは友達だな」
疑いの目を向ける胡桃に、修は笑って見せる。確かに修には女友達が多い、誤解されるのも無理はないのかもしれない。けれど、修が唯一想いを寄せるのはたった一人だけだ。ツインテールの、青い目をした――――。
「野阿、観覧車に乗っていかないか?」
「ん? 観覧車? いいよ、夕焼けも綺麗だしね!」
シーサイドアウトレット横にある大観覧車はすぐ目の前だし、と二人は立ち上がって歩き出す。海風が冷たくて、ちょっと寒かったけれど観覧車に乗り込めばそれなりに暖かい。
向かい合わせに乗り、ゆっくり上がっていく観覧車から夕陽を眺めれば、その美しさに溜息が出た。
「あたし、もしかしたらホントはずっとこうやってのんびりしたかったのかも」
ぽつりと出たその言葉は、胡桃の本音だろう。表情はゲームセンター前で見た時よりも、遥かに穏やかだった。
ゆっくりと沈んでいく太陽は海に溶けていくようにも見えて、二人は少しの間黙って夕陽を眺める。
「空と夕陽を二人占めだな」
「なかなか贅沢な空間だよね。あ、あんなとこにもカップルがいるじゃん。あーあーいいなあ」
「野阿はいないのか? そういう人」
「いたらカップルに向かっていいなあ、なんて言わないよ」
「そうか……じゃあ、野阿に好きになって貰える人って、どんな?」
好きなタイプ。そう問われて、胡桃の動きが止まる。それから夕陽を見て、ぽつりぽつりと口を開いた。
「あたしの好きなタイプは……頑張り屋で、一生懸命な人かな。一緒に色々、頑張ろーって思わせてくれる人」
ふと、夕陽よりも赤い髪色が胡桃の心の中をよぎった気がしたけれど。
「そーいう人と、いつか付き合えたらいいなあ」
「野阿なら、いつかそう思える奴と付き合えるさ」
そうだね、と海を見る胡桃の横顔は、落ち着いたオレンジに照らされて修にはどこかしんみりとしているように見えた。だからだろうか、少し子どもめいた事を言って彼女に優しい刺激を与えたくなったのは。
「あの雲、林檎に見えないか? 丁度紅くて美味しそうに見える」
「あは、ほんとだ。あっちのはヤキソバパンみたいじゃない? ……なんかお腹空いちゃうね」
観覧車が頂上へ着く頃、太陽は半分以上沈みかけていて、オレンジサファイアとアメジストが空に溶け込んでいるようだ。雲もゆっくりと流れてはその形を変えていく。
「あ、あれなんか狼に見えないか? 銀色の毛並みが茜色に染まってるみたいだ。山の方に駆けて行くみたいに見える……って、ちょっと子どもっぽいかな」
照れたように笑う修に、ううんと胡桃が首を振る。
「なんか、気を使わせちゃったみたいでごめんね? でも、ありがとう」
「いいや、俺こそ付き合ってくれてありがとう」
「今日はあたしが愚痴っちゃったけど……やがみんも、もしなんかあったら遠慮なく愚痴ってくれていいからね!」
だって友達だもん! と笑った胡桃は、修の知るいつもの明るい彼女だった。
観覧車はゆっくりと地上へ向かう。太陽はもう少しで水平線の向こうに消えようとしていた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
加持蜜子
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年01月16日
参加申し込みの期限
2016年01月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年01月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
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