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期末テストだよ！ 中学生諸君、全員集合！！＜物語編＞
放課後。迷える子羊が１人、廊下を俯きがちにてくてく歩いていた。
（そろそろ期末なのです……特に数学が不安なのです）
１年生のキリエ・オーラティオである。期末は中間と違いフルで９科目。苦手科目にばかり割く時間はもうない。しかし彼女には奥の手があった。
（少々癪に触るのですが、あいつに教えてもらうのです……。け、決してあいつが頼りになるとかそんなんじゃねーのです！）
そう、これは非常事態なのです！
自分に言い聞かせると、いつも持っている分厚い聖書を抱え直し、キリエはある人物を捜し始めた。
その頃。若宮 菫はのんびりと下駄箱に到着していた。期末テストという学生生活に立ちはだかるベルリンの壁にも、彼女は大して気に留める様子もない。壁は崩壊するしねぇといつも通りの通常運転。おお、運転と言えば、帰ったらＳＯＣＡ・ＭＯＯＮのデイリートナでもするかなぁ。
ゲームのボーカルＢＧＭが菫の頭を駆け巡っている時、下の方から声がした。
「こんなとこにいやがったのですスミレ！」
「おお、キリエもん！」
菫が両手を広げて小さなキリエをその豊満な胸に埋没させようとする。キリエは精一杯抵抗して何とか窒息を免れた。
「お前殺す気かなのです！ あとキリエもん言うな！ なのです！」
「鼻血が出るほど愉快な逝き方だよぉ。で、どしたぁ？」
「あ、そうだったです。スミレ、いっしょに勉強会するのです！」
「ええ、勉強ぉ～？ 僕ぁそんなフラグ立てた覚えないんだけどにゃぁ……」
菫はあきらかに面倒臭そうである。けれどキリエはそんな事一向にお構いなしだった。
「場所は……スミレの家はゴミ屋敷だったのです。しかたがないので私の下宿先でするのです」
「えー、僕の城にゴミ屋敷はひどい。宝の山と言って欲しいなぁ。住めば都の陰陽師～」
「私はシスター見習いだから陰陽師にはならないのです！」
「陰陽師になったら式神にテストを受けさせればいいんでないかい？ そして僕らはデイリートーナー♪」
そこで菫は気が付いた。キリエが腕をぷるぷるさせながら顔を真っ赤にして分厚い聖書を振り上げている事に。
「うわちょ、キリエん聖書はやめ！ ルターも怒るって！」
「私はシスター見習いだから物理的にスミレの悪霊を追い出してやるのです！」
これはフス戦争だ逆十字軍だと逃げ回る菫とそれを追いかけるキリエ。そんなこんなで２人の勉強会は開かれる事になった。
「あんま僕ぁこざっぱりした部屋だとはかどらないんだけどにゃぁ」
「何で片付いてて文句言うのですか！ さっさと座りやがって勉強するのです！」
キリエの自室。しぶしぶながらも勉強会に来た菫は、彼女に促されてその正面に座り、机に数冊の本を取り出した。
「それは参考書ですか？」
「あー、僕の使い古しのもってきた。あと古本屋で１０８円で売ってた去年の問題集とかも。ついでにゲームアンド……ちょ、ま、バイブルアタックは勘弁！」
「勉強会は勉強をするのです！ ってこの参考書、もの凄く難しそうというか高校の物ではないですか？」
「そうかなぁ？ まあ解るからいいよ。で、数学だっけか？ 教えてあげるよ、どこ？」
キリエが淹れてくれた紅茶を一口啜り、菫はキリエのノートを覗き込む。そして確実にキリエの疑問を潰していった。
「ぐぬぬ、悔しいがわかりやすいのです……」
勉強がはかどっているのに非常に複雑な顔をしてキリエが歯ぎしりをする。菫は眠そうな目を更に細めて笑った。
「ふふん、無駄にハイスペックな僕をありがたく思うがいいよ」
「イタリア語ならいけるのにですー！」
わいわいきゃわきゃわ。菫がキリエをいじり、キリエが菫に怒る。それでも勉強が進むのは、要所要所できちんと菫が教えてくれるからだろう。キリエは悔しいが内心認めていた。菫を頼って正解だったという事を。
「スミレ、その……」
「ん？」
キリエは菫にお礼を言うつもりだった。けれど、何だか気恥ずかしくて言葉が続かない。キリエはちょっと紅茶を啜ると下を向いて小さく呟いた。
「私は家庭科もできるんですー。だからズボラなスミレの世話をすることもやぶさかではないのです」
キリエの言葉に菫の片眉が意外そうに少し上がる。菫は俯くキリエの横でふわりと笑うと、キリエの頭に優しく手を置き、そして鷲掴みにした。
「何するですか！」
驚いて顔を上げたキリエに菫はニカリと笑った。
「僕の世話頼むよー。てかウォルニャークポジ狙ってる女だからね僕ぁ。キリエもんはジャプスやってよー」
「何なんですかそれは！」
「修道女のプレゼン、悪くないねぇ。よーし、世界を獲るぞぉキリエもん！」
「だからキリエもん言うなですー！」
聖書を振りかざすキリエ。青くなって逃げる菫。
２人の愉快な勉強会は楽しく過ぎていくのでした。
（そろそろ期末なのです……特に数学が不安なのです）
１年生のキリエ・オーラティオである。期末は中間と違いフルで９科目。苦手科目にばかり割く時間はもうない。しかし彼女には奥の手があった。
（少々癪に触るのですが、あいつに教えてもらうのです……。け、決してあいつが頼りになるとかそんなんじゃねーのです！）
そう、これは非常事態なのです！
自分に言い聞かせると、いつも持っている分厚い聖書を抱え直し、キリエはある人物を捜し始めた。
その頃。若宮 菫はのんびりと下駄箱に到着していた。期末テストという学生生活に立ちはだかるベルリンの壁にも、彼女は大して気に留める様子もない。壁は崩壊するしねぇといつも通りの通常運転。おお、運転と言えば、帰ったらＳＯＣＡ・ＭＯＯＮのデイリートナでもするかなぁ。
ゲームのボーカルＢＧＭが菫の頭を駆け巡っている時、下の方から声がした。
「こんなとこにいやがったのですスミレ！」
「おお、キリエもん！」
菫が両手を広げて小さなキリエをその豊満な胸に埋没させようとする。キリエは精一杯抵抗して何とか窒息を免れた。
「お前殺す気かなのです！ あとキリエもん言うな！ なのです！」
「鼻血が出るほど愉快な逝き方だよぉ。で、どしたぁ？」
「あ、そうだったです。スミレ、いっしょに勉強会するのです！」
「ええ、勉強ぉ～？ 僕ぁそんなフラグ立てた覚えないんだけどにゃぁ……」
菫はあきらかに面倒臭そうである。けれどキリエはそんな事一向にお構いなしだった。
「場所は……スミレの家はゴミ屋敷だったのです。しかたがないので私の下宿先でするのです」
「えー、僕の城にゴミ屋敷はひどい。宝の山と言って欲しいなぁ。住めば都の陰陽師～」
「私はシスター見習いだから陰陽師にはならないのです！」
「陰陽師になったら式神にテストを受けさせればいいんでないかい？ そして僕らはデイリートーナー♪」
そこで菫は気が付いた。キリエが腕をぷるぷるさせながら顔を真っ赤にして分厚い聖書を振り上げている事に。
「うわちょ、キリエん聖書はやめ！ ルターも怒るって！」
「私はシスター見習いだから物理的にスミレの悪霊を追い出してやるのです！」
これはフス戦争だ逆十字軍だと逃げ回る菫とそれを追いかけるキリエ。そんなこんなで２人の勉強会は開かれる事になった。
「あんま僕ぁこざっぱりした部屋だとはかどらないんだけどにゃぁ」
「何で片付いてて文句言うのですか！ さっさと座りやがって勉強するのです！」
キリエの自室。しぶしぶながらも勉強会に来た菫は、彼女に促されてその正面に座り、机に数冊の本を取り出した。
「それは参考書ですか？」
「あー、僕の使い古しのもってきた。あと古本屋で１０８円で売ってた去年の問題集とかも。ついでにゲームアンド……ちょ、ま、バイブルアタックは勘弁！」
「勉強会は勉強をするのです！ ってこの参考書、もの凄く難しそうというか高校の物ではないですか？」
「そうかなぁ？ まあ解るからいいよ。で、数学だっけか？ 教えてあげるよ、どこ？」
キリエが淹れてくれた紅茶を一口啜り、菫はキリエのノートを覗き込む。そして確実にキリエの疑問を潰していった。
「ぐぬぬ、悔しいがわかりやすいのです……」
勉強がはかどっているのに非常に複雑な顔をしてキリエが歯ぎしりをする。菫は眠そうな目を更に細めて笑った。
「ふふん、無駄にハイスペックな僕をありがたく思うがいいよ」
「イタリア語ならいけるのにですー！」
わいわいきゃわきゃわ。菫がキリエをいじり、キリエが菫に怒る。それでも勉強が進むのは、要所要所できちんと菫が教えてくれるからだろう。キリエは悔しいが内心認めていた。菫を頼って正解だったという事を。
「スミレ、その……」
「ん？」
キリエは菫にお礼を言うつもりだった。けれど、何だか気恥ずかしくて言葉が続かない。キリエはちょっと紅茶を啜ると下を向いて小さく呟いた。
「私は家庭科もできるんですー。だからズボラなスミレの世話をすることもやぶさかではないのです」
キリエの言葉に菫の片眉が意外そうに少し上がる。菫は俯くキリエの横でふわりと笑うと、キリエの頭に優しく手を置き、そして鷲掴みにした。
「何するですか！」
驚いて顔を上げたキリエに菫はニカリと笑った。
「僕の世話頼むよー。てかウォルニャークポジ狙ってる女だからね僕ぁ。キリエもんはジャプスやってよー」
「何なんですかそれは！」
「修道女のプレゼン、悪くないねぇ。よーし、世界を獲るぞぉキリエもん！」
「だからキリエもん言うなですー！」
聖書を振りかざすキリエ。青くなって逃げる菫。
２人の愉快な勉強会は楽しく過ぎていくのでした。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
-
- 2016年01月09日
- 参加申し込みの期限
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- 2016年01月16日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2016年01月16日 11時00分
