this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
期末テストだよ! 中学生諸君、全員集合!!<物語編>
<< もどる
1
…
10
11
12
13
14
テストが終わると、また中学生達は日常に戻っていく。
2年生の
八葉 ひまり
は学校が終わるとクラッシック同好会の練習に参加し、久々に楽器を練習する事ができた。
「それじゃあ、津島」
帰り際、ひまりは同学年の
津島 直治
に声をかける。
「ああ。久し振りの練習、楽しかったな」
「ほんとだな」
直治に軽く手を振り、ひまりは講堂を出た。
外に出ると、街はクリスマス一色だ。テストも終わり、普通ならウキウキしてその雰囲気を楽しむのだろうが、ひまりはクリスマスソングも耳に入らないかのように、まっすぐに花屋に向かう。そして、アイリスを1輪だけ買い、その足をある場所に向けた。
―――星ヶ丘霊園へ。
霊園に着くと、ひまりはあるお墓の前で立ち止まった。そしてアイリスをそっと置き、その場にゆっくりとしゃがんだ。
今日は、母さんの月命日だ。
私と妹のるちるを産んでくれた母さんは、10年前この世を去った。
私と父さんと母さん、3人で買い物に出掛けた先での、不慮の事故だった。だけど、誰も……父さんも知らないことがある。
ひまりは表情なく墓石に触れる。
私があの日の朝、こっそり母さんに「欲しい物がある」と言ったのだ。母さんは笑って頷き、行き先を1つ増やした。そう、本来ならそこに行くはずはなかったのに。
ひまりは俯く。髪に隠されたその表情を窺い知ることはできない。彼女は墓石に触れていた手をぎゅっと握り締めた。
あんなお願いをしなければ。あの店にさえ向かわなければ。何千回思ったことだろう。幼い頃からずっと抱える罪悪感。私はいまだ父さんの再婚相手のことも認めることができない。
―――母さんを、裏切ることになるから。
ひまりは母の墓前に手を合わせる。「ごめんなさい」と心の中で謝り続けながら。
八葉 るちる
は、放課後まっすぐ帰宅せずに、星ヶ丘の商店街を歩いていた。継母に買い物を頼まれていたのである。
(さーて、おかーさんに頼まれていた物、結構ありますねー。ひまりに荷物持ちを頼んで……って、今日は無理でした)
るちるは思い出す。いや、本当は朝から判っていたことだ。るちるにも、彼女の父にも、そしてひまりにも、この日はしっかりと心に刻まれていた。
お母さんの月命日、ひまりはいつからか欠かさずお墓参りに行く。花束は高くて買えないから、1輪だけ花を買って。そのことをるちるは知っていた。
10年前、お母さんが死んだ。
その時私は友達の家で遊んでいた。どうしてもその子が持っているおもちゃで遊びたくて、我が儘を言って家族について行かなかったのだ。
―――そして、2度とお母さんに会えなくなった。
るちるは目をつぶった。あの気が狂いそうな喪失感。一変してしまった世界になぎ倒されそうになりながらも、進んでいく日常。
母親に目の前で死なれるのと、母親の死に目に会えないのとどちらが悲しいのだろう。
独り微かにるちるは首を振った。そんな事、言ってもどうしようもないことだ。もう、彼女には会えないのだから。
るちるは容赦なく過ぎていく日々の中で、子供心に悟った。悲しみは、前者の立場であるひまりの方が理解されやすいと。
(だから、私は泣かずにお父さんとひまりを励まし続けた)
ふっと空を仰ぐ。キンと冷えた空気に、空の青が鮮やかだ。そう、時は進む。全てを呑み込みながら、残酷に、美しく。
るちるは踵を返した。商店街を抜けて、ある場所を目指す。
おかーさんには悪いけど、買い物はちょっと待ってもらおう。今日もひまりはきっと行ってるはずだ。……そう、あなたも気付いているはず。
私たち、もうお母さんの身長に近付いているんだよ。
(少し、冷えてきたな……)
冬の日が落ちるのは早い。霊園の門まで来て、ひまりはブルッと少し身震いした。と、その足が止まる。目が、門に釘付けになった。
「……お前、どうしてここに……」
「やっぱり、ここでしたね」
門の影に、るちるが立っていた。驚くひまりに、るちるはにっこりと微笑む。ひまりは言葉を出す事が出来ない。ただ、早くこの場所を立ち去りたかった。足早にるちるの横を通り過ぎようとした時、彼女の声がした。
「ひまり……もう10年だよ」
足が、止まった。
「お母さんが死んでからの時間の方が、もう長くなったんだよ」
るちるの言葉が降りてくる。私の心に突き刺さる。
「何が……言いたい」
やっと絞り出した声は、掠れていた。るちるは少し悲しそうにひまりを見た。
「私たちは、大きくなったんだよ、ひまり。そしてこれからも大きくなって……きっといつかお母さんを抜かしてしまうよ」
「 ! 」
「……あの人は私達のことちゃんと考えて、いい『お母さん』してくれてると、私は思うよ。いつまでも子供みたいに意地張っても仕方な―――」
「―――うるさいっ!!」
るちるの言葉を掻き消すように、ひまりが怒鳴った。
「お前にそんなこと言われたくない!」
乱暴に言い捨てると、ひまりは逃げるようにその場から駆け出した。うるさい! うるさい! うるさい! 目尻に涙が滲む。
本当は分かっていた。るちるには、るちるなりに抱えてる思いがあることを。けれど、けれど!
もう頭の中はぐしゃぐしゃだった。10年。私は何をしてきたのだろう。あいつは何を考えてきたのだろう。お母さん、私はどうすればいい?
走りながらしゃくり上げる。冷たい風が頬に刺さる。ああ、でも1つだけ確かなことがある。
駆けていたひまりの足は段々と遅くなり、そして止まった。
……私は、最低だ。
門の前でるちるは1人、ひまりが見えなくなってしまったその先をいつまでも見つめていた。そしてゆっくりと首を振り、軽く溜息をついた。
ひまりの反応は、まあ予想通りだった。彼女が目をつぶり、耳を塞いできた期間は余りにも長い。
(……やれやれ、どうすれば素直になってくれますかね)
るちるは暗くなってきた道を歩き出した。そして腕時計を見てあっと叫ぶ。
「もうこんな時間です! おかーさんのお買い物が!」
るちるは慌てて駆け出そうとしたが、ふとその足を止める。彼女は後ろをそっと振り向き、呟いた。
「……お母さん、またね」
そして今度こそ霊園を背に、走り出した。
<< もどる
1
…
10
11
12
13
14
このページにイラストを設定する
あとがき
担当マスター:
KAN
ファンレターはマスターページから!
KANです。
シナリオにご参加の皆様、本当にありがとうございました!
どうやら杉村校長先生からお言葉があるようです。
「皆さんのテストに対する熱い思いや、中学生活を楽しみ、真剣に考える様子に大変感動したざます!
これからも勉学を疎かにせず、寝子島中学生の誇りを持って過ごして欲しいざます。
何か悩みがあれば、先生や私に遠慮無く相談するざますよ!」
by 杉村 小春
杉村校長達と、楽しい中学生活をたくさん送ってくださいね。
至らぬ所ばかりですが、これからも是非是非お付き合い下さい。
またシナリオでお会いできること、楽しみにしています!
↑ページトップに戻る
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
期末テストだよ! 中学生諸君、全員集合!!<物語編>
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
KAN
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
1000人
参加キャラクター数
17人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年01月09日
参加申し込みの期限
2016年01月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年01月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!