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【期末テスト】赤点?満点??冬寒波、四日間の死線<物語編>
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●テスト3日目:社会、家庭
期末試験も半ばを過ぎ、天気予報の通り大寒波が訪れた。
降る雪もちらちらなどと可愛らしいものではなく、時に逆巻き、時に横殴りになって振りつける。
ほんの十分ほども外にいれば見事な雪だるまになれそうなほどだ。
登校時間、雪に逆らい手を翳して前へ前へと歩きながら、
鴻上 彰尋
は呟いていた。
「一日目はまさかあんな事が起きると思ってなかったから油断していた。……残り科目はなんとか点数はキープなくちゃ……」
昨日も酷い状態ではあったがなんとか頑張った。今日は彰尋にとっては山場で、得意な家庭もあるからと充分に備えてきたのだが……この寒さと言ったらなんだ!
「勘弁してくれ!」
前傾姿勢でなんとか校門前までたどり着くと、後ろから黒塗りの車が走って来て、若干スリップ気味に校門の先で止まった。運転手が後部座席のドアを開けると、真っ赤なリボンのお人形のような少女が降りてくる。
少女――
毒島 虹子
は、車を見送り、ぶるり震えた。
「あら。車に乗って来たので気づきませんでしたけれど……少し、寒すぎる気がしますわ」
自家用車通学の虹子は、ほぼ外気に触れずに移動出来てしまうため、防寒に気を使っていなかったのだ。
「テストが始まる前に何か対策を考えておかないと……しかし体を温めるものなんて持っていませんし、どういたしましょうか……」
ちょっと考えた虹子は、なにかを閃いた顔でロッカーの方へ駆けだす。
走りながら虹子が考えていたのは、即席コートの完成図だ。
試験開始までの僅かな時間に作り上げることのできるもの。
服飾制作が得意な虹子のロッカーには、幸いなことに別珍やファー素材の余り布が仕舞われていた。
裁縫箱を開ける。糸を咥え、針穴に通す。
「出来るだけ簡単なもの……こことここを縫いとめれば……」
まるで、ショーの最中、出番までの僅かな時間にデザイナーがアドリブを効かせるように、虹子はあっという間にふわふわのファーのついたワインレッドのコートを仕立てあげる。
あとはこのコートを着て試験を受けていいか先生に交渉するのみ。
虹子は講堂入り口で生徒たちを誘導する桐島先生に訴える。
「家庭科のテストということで、いい点数をとれるという願掛けをこめて自作のコートを着てテストに望みたいんです。勿論中に不正を行うものなどは一切入れていません。初めて高校で試験を受けるので緊張して……」
ダメだと言われるのではないかと思っていたが、それは無用の心配だった。
「今日は寒いから上着の着用を許可する」
虹子はにっこり。
スカートの端を持ち上げて「よかったですわ」と席に着く。
◇
3日目の試験がはじまった。
手もかじかむ寒さに耐えて社会が終わり、続いて家庭科の試験が開始される。
他の者が震えるなか、
天満 七星
は集中して問題を解いていた。
寒さについてはせいぜい、
(なんかちょっと寒いですわね、空調の温度上げていただけないかしら?)
と心の片隅で思う程度だったが、問題も半ばまで進んだ頃、「バコンッ!!」と大きな音を立てて扉が吹き飛んだのにはさすがに驚いて肩を竦めた。
虹子はコートの前をかき合わせて迷惑そうな顔をする。
「……あら? この校舎、こんなに建てつけ悪かったでしたっけ?」
「おいおい……寒波で扉が壊れるとか命の危険ってレベルじゃないだろうか、うん……」
彰尋も呆れた表情だ。
先生方が慌てたように扉の方に走ってゆき、
「心配ない! 先生たちで何とかするから君たちは試験に集中するように!」
とかなんとか言っていたが、その後「うわあ!」と叫び声がして、強い風と共に雪がびゅうびゅう吹き込んできた。
冗談のようだが、講堂の中まで吹雪模様になってしまったのである。
「あら。寒いよりも、視界が悪くてちょっと問題が見えませんわ……」
おっとりものの七星はそれでもまだのんびりしていた。
彰尋はダウンをロッカーに入れてきてしまったのを、心の底から後悔した。
(仕方がない。座りながら身体を温めないとな……文字も書けなくなりそうだ)
たしか首や手首、足首など、首と名がつくところを温めると良いと聞いたことがある。
彰尋はテストの問題を読みながら、首を回したり、肩を上げ下げしたり、足のつま先をあげたり伸ばしたりと、座ったままでもできる運動に努めた。
(よし、すこし身体が温まってきた)
いまだ。勉強してきたことを思い出して鉛筆を動かせ。彰尋は一気に答えを埋めてゆく。
虹子はコートのファーに首を埋め、慌てふためく試験会場を面白そうに眺める。
試験直前の機転のお蔭で、寒さからは免れている。
先生方は必死に外れた扉を嵌めようと格闘しているようだが、暴風のせいで苦戦しているらしい。
強まってきた吹雪に、七星は身を屈めて雪のこない場所を確保しようとしていた。
(あっ、この体勢なら試験の用紙に雪がかかりませんわ。このまま解いてしまいましょう)
他の人がどうしているかは目にはいらない。
なぜなら今はテストの時間。
ルールは自分の力で与えられた問題を解くこと、なのだから。
(神様から与えられたこの状況も、試験内容の一部に違いありません……)
七星の長い黒髪が、雪で白く染まってゆく。
それを時々払い除けながら、それでも試験に向かう姿は健気というほかない。
こうして試験時間最後の頃、彰尋はじめ、学生たちの思いはひとつだった。
――テストが終わったら暖かい飲み物を買おう。家に帰ったら風呂で温まろう……!
先生方はとうとう、自分たちの身体を盾に、扉を支えることにしたようだ。がたつく扉と時折吹きこむ雪に苛まれながらも、生徒たちはその後、社会の試験もなんとかやり遂げたのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
コメディ
定員
1000人
参加キャラクター数
79人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年01月01日
参加申し込みの期限
2016年01月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年01月08日 11時00分
参加キャラクター一覧
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