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犬と歩けば……
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顎に鉛筆の軸を当てて、
追分 義一
は眉を寄せながら閉じたスケッチブック見つめていた。
ふと甘い香りが鼻先を掠めたと思ったら、ソファ席のクッションの両側が沈む。
「義一君はどんな具合ですかー?」
「描き上がりましたの?」
スケッチブックを見つめる紅緒と、こちらを見上げている陽毬の期待に、義一は「そうだな……」と曖昧に答えながらページをぱらぱらと捲って、今日描いたところへ持っていく。
「感想くれるか——?」
スケッチブックを見ても分かる通り、芸術科に所属する義一がこの店を訪れたのは、同窓生たちのように犬との触れ合いを愉しむ為ではなく、勉強の為だった。
「俺はどうしても人間を描くのが苦手で、無機物ばっかり描いてるから。先生に注意されて……」
それがプロならば結構だが、彼はまだ学生の身だ。
模索の為にも、スキルアップの為にも教師の言う経験の必要性は理解できる。ただ彼は人間を描くのは抵抗があった為、まずは動物から——と、自転車を飛ばしてここへやってきたのだ。
「ほんとはこの先にある公園のドッグランとか行った方が、金もかからないし、色んな犬種がスケッチ出来るんだろうけど、飼い主が警戒しそうだし難しそうだと思ってな」
それで一番安価な紅茶を注文して、黙々とスケッチを続けていたのである。
紅緒はまだスケッチを食い入るように見ているが、陽毬は顔を上げた。
「あ。だったらミルクホールは? エリレナ先輩とイリヤ君、最近犬飼い始めたよ。
ポンちゃん。ボルゾイってすっごく大きい子で、かわいいの!」
「あそこなら事情を話せば普通に大丈夫だと思いますわ。
ポン太郎は入り口の隅でビスクドールのように大人しくしてますもの、貴方も倣って静かにしていれば、きっと置いておいて貰えてよ」
スケッチブックを義一の前に戻して、紅緒はスケッチを示した。
「——静かな絵ですわね」
「モデルさんが大人しいからね」
陽毬はそう言いながら、義一がスケッチした犬を見る。彼が店員に頼んで描かせて貰ったのは、この店の看板犬だ。人にも慣れているだろうから安心して描けると踏んでいたが、予想以上のモデルぶりで、ほとんど動く生き物を描いている感覚もない程だった。
「やっぱイマイチか」
「そんな事ないよ!? 上手だと思う」
陽毬は世辞抜きでそう言ってくれたが、義一にとっては生物はやはり苦手ジャンルと言う事もあり自信がないし、実際それは特別上手くもない、普通の仕上がりだった。
「……おまえたちは、どうしても苦手なものってあるか?」
義一の言葉を聞いた瞬間、陽毬の頭には虫が過ぎったが、彼が聞いているのはそのようなことではない気がした。もう一つ思い当たるとすれば、年頃らしくたまに話題に上がる性的な話しなどがこれに当たるが、男子生徒の前で「えっちなお話が苦手」だなんて言える筈もない。——実は義一も苦手なのだが、それは陽毬には知る由もなかった。
「…………ええと……うーん……」
結局困り涯ててしまった陽毬に対し、義一は質問を少し変える。
「苦手なものってそれぞれあるけどさ、どうやって対処してるんだ?」
「知識を増やす事ですわね」
紅緒が答えた。
「ここだけの話しですけれど、今日は新キャラの設定を固める為に此処を訪れたんですの」
「犬を出すのか?」
「正確には犬では有りませんわ。詳しくはまだ話せませんけれど、女性をターゲットにしたキャラクターグッズ面で強化したいとの意向で、マスコット的なものを出せないかと編集さんが……。兎に角小さな動物ですわね」
「紅緒ちゃん沢山本を読んで研究してたもんね」
陽毬は部屋での友人の様子を思い出して、義一に教えるように言った。
「でも実際に見て触れると、また印象も変わりますもの。ね?」
紅緒にそう言われて義一が頷いていると、陽毬も「あ、なんだか分かったかも」と手を挙げた。
「あのっ、私ね。義一君の絵とか、紅緒ちゃんの小説とは比べものにならないかもしれないけど、作るのが好きなものがあって——」
一方はプロで、一方は芸術科の生徒を前に、陽毬は恥ずかしそうにしながらも続けた。
「難しくて上手く出来ないところは、すっごく丁寧にやるの。
いつもは早く出来るところも、ゆっくり踏んだりして慎重に一針ずつ進めたり……」
言葉は濁されているが、彼女の言わんとしている内容は理解できる。
「——なるほど、有難うな」
と、礼を述べて、義一はスケッチブックを閉じた。
さて。タイミング的に三人で退店したが、義一は自転車の為、店の前で別れる事となった。
「絵、また見せてね」
「——尊敬している先輩作家さんが下さった言葉なのですけれど『追いつこうと慌てなくて良いから、ゆっくりいらっしゃい』と。
悠久とは言えずとも、私たちにはまだ時間が沢山あって、その分迷う事も出来るのだから……、お互いに頑張りましょう」
手を振る紅緒と陽毬に片手を上げて、義一はスケッチブックを大事に携え、自転車のハンドルを握る。
「じゃあまた学校でな」
笑顔のままペダルを踏み込んで、彼は前へと進んでいった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
東安曇
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年01月04日
参加申し込みの期限
2016年01月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年01月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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