嫉妬暴走！　リア充爆発しろ！｜リアクション

嫉妬暴走！　リア充爆発しろ！

●お洒落計画実行

　スケバンな立ち振る舞いの桜崎巴だが、磨けばもっと綺麗になる。
　横嶋下心は、巴の素質を見抜いていたので綺麗な服を着て、それに合ったヘアセットやメイクをすれば、巴はもっと綺麗になると思っている。
　待ち合わせ場所のシーサイドタウン駅前に行くと、既に巴が来ていた。
「待った？」
「いや、あたしもさっき来たところだ」
「もうすぐクリスマスだし、それに合った巴ちゃんの魅力を引き出すよ」
「あたしの魅力を引き出す？　あんただけが知ってりゃ十分じゃないかい？」
「巴ちゃんは美人さんなんだから、俺以外にも君の魅力を知ってほしいんだよ」
　断るとと余計綺麗にすると言いかねないので、巴は下心の好意に甘えることに。
（その方が捗りそうだ。カップルだと思われれば、奴らの標的になりやすい）
　以前のプレゼントはセンスが良かったので、今回も期待できそうだと巴は楽しみに。
「俺のコーディネイトは完璧だよ！」

　シーサイドタウン駅の駅ビル『miao』の衣料品店で、下心は巴に似合いそうな服を熱心に物色。
（もうすぐクリスマスだし、赤とか白を意識したコーディネートがいいかな）
　選んだのは赤いレースフレアのワンピースと、それに合わせた赤いパンプス、ワンピースの上から着る狐色のファー付きの紺色のコート。
　パッと見た時は落ち着いた雰囲気だが、コートを脱いだら、鮮やかな巴が見られるという寸法。
「これどう？」
「なかなかいいセンスじゃないか」
　気にいってもらって良かった！　と心の中で大喜びの下心。
「次は美容室に行こう。服に合わせたヘアセットとメイクをしないと」
「そこまでやるのかい？」
「当然！　巴ちゃんを美人さんにするためなんだよ」
　美容室でヘアセット、メイクを済ませると、最後の仕上げはアクセサリー。
　miaoで買った服に合うアクセサリーをつけると、巴の綺麗がアップ。
（紳士としての嗜みです）
　というが、服代、アクセサリー代、美容室代はすべて彼持ち。計画実行には金がかかる。
「これだけ素敵になれば、巴ちゃんに思わず跳びこんできちゃう人がいるかもしれないね。その時は、俺がバッチリガードするから！」
「お言葉に甘えて、その時は、あんたに守ってもらうよ」
　後ろを見ると、さっそくおいでなすったね、と口角を上げて笑う巴。

（あ、あれは巴ちゃんなのだ？　美人さんになっているのだ？　……い、いやいや、こ、心を鬼にして爆発するのだ！）
　今の彼女はにっくきリア充。爆発すべき相手だ。
（今の真央ちゃんはREDCのデビルサンタさんなのだっ！）
　意を決し、巴と下心の前にREDCの面々と共に仁王立ちするデビルサンタさん。
「リア充滅ぶべしっ！　メリー苦シミマスなのだ～！」
　胡椒アフロ弾を巴めがけて投げつけたが、下心シールド（名前通り下心を盾に）が自動的に発動。
　効果的すぎてドン引きだね、と呆れる巴に「酷いよ……」と涙目の下心。
「これで済んだと思うなよ。最後の手段をくらいな！」
　巴は下心ブーメラン（下心を突っ込ませてから回収）を強制発動。それによりREDC数名が吹っ飛んだ。
　その後、所構わず嫉妬してくるREDCを憐れみの視線で見下し、下心が用意してくれたパンプスの威力を試すことに。
　デビルサンタさんは既に逃走したので、その場に倒れている数名が容赦なく踏みつけられた。
「あたし達の邪魔をする奴はこうなるんだよ」
　女王様っぽい巴ちゃんもいい……と朦朧とした意識で見ていた下心は、俺も踏まれたい……と思いながら気を失った。