嫉妬暴走！　リア充爆発しろ！｜リアクション

嫉妬暴走！　リア充爆発しろ！

●MRB（マジでリア充を爆発）数時間前

「心理学に、恋の吊り橋理論ってあるですよ！　恐怖で興奮すると、恋による興奮と頭が認識して、相手に恋愛感情を抱くようになるですよ！」
　リア充撲滅委員会（以下REDC)に協力するための計画を綿密に練り終え、動画撮影の準備をするのは北玄。
　吊り橋理論とは、とある心理学者が行った実験で、怖さで頭が恋をしたと勘違いしてしまう効果が実証された心理現象である。
「撮影準備よし、音声加工準備よしですよ！　REDCに協力を申し出るですよ！」　
　玄自身、恋人がいるリア充なので、嫉妬深い非リアなREDCにバレたら制裁される羽目になってしまう。
　撮影した動画の細かい編集を終えたら、通信傍受対策で暗号化したネットからネコネコ動画等の動画サイトに投稿を。
「あとは、REDCの返事待ちですよ！」

　その頃。
　リア充を爆破すべく集まったREDCメンバーは、寝子島にいるリア充を爆破する準備を念入りに行っていた。
「ハーッハッハッハ！　完成したのだ、胡椒アフロ弾！　これでクリスマスの平和は守られるのだ！　ハレルヤなのだ～！」
　デビルサンタの衣装を身に纏い、意気揚々と完成品をじゃーん！　と見せる後木真央。
「デビルサンタさんは、これでリア充を涙目にさせるのだ！」
「やる気マンマンだな、デビルサンタさん！　さすがはREDCの一員！」
　サンタ服を身に纏い、嫉妬マスクの上に眼鏡をかけた男は、リア充共をひとり残らず、完膚無きまでに叩きのめす！　と意気込む。
「リア充爆発の準備はできたか？　できた者から、各配置につき実行せよ！」
　REDC隊長の日野舞斗の合図で、集まった同士と協力者達は寝子島各地へ向かおうとしたが。
「日野さん、ネットに協力申し出の動画があります！　ご覧ください」
「俺は日野ではない、リア充＝スレイヤーだ！」

　なお、これ以降REDC、協力者は二つ名（偽名）で呼ぶ。

　リア充＝スレイヤーが見た動画には、覆面で顔全体を隠した正体不明の人物が映っていた。
　正体不明なのは顔出しNGだから。
「はじめまして、REDCの諸君。我が名はor blanc。故あって貴殿らと会うことはできないが、志を同じくする者である」
　フランス語で白金色(white gold)のことを指すor blancと名乗る人物は、広報と武器調達を担当する旨を動画越しに伝える。
「頼もしい仲間が増えて嬉しいぞ！　or blanc、我らの活躍を大々的に宣伝してくれ！」
　数分後、or blancの動画は『リア充爆発！』というコメントで覆い尽くされた。
　弾幕を使ったのは、REDCの面々であるのはいうまでもない。
　
　今度こそ爆発開始！　というリア充＝スレイヤーの号令でREDCは寝子島各地へ、と思いきや。
「隊長、こいつ、リア充です！　こっそり彼女とメールのやり取りをしていました！」
「何ぃ！？」
　突き出された裏切り者からひったくったスマホを見ると、画面にはラブい文章が。
　ハートマークと絵文字が大量に使われた、いかにもイチャついている内容のものだった。
「REDCにリア充は不要！　裏切り者には制裁を！　やれ！」
　爆発開始前に、REDC一同は裏切り者にキツーイお仕置きをするのだった。
　恐るべし、非リアの怨念！　いや、私怨？　何にせよ、リア充発覚の裏切り者はフルボッコにされた。

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