変態の軍隊 Revolution ～葉っぱ１枚でも寒くない～｜リアクション

変態の軍隊 Revolution ～葉っぱ１枚でも寒くない～

　そんな、変態たちの動向を己の情報収集能力をフルに使って把握するひとりのメイドがいた。
　彼女の名前は檜扇舞華。星ヶ丘寮に住まう『魔女』に仕える者だ。
「うーん、臨時ボーナスに釣られてこの仕事を引き受けてしまいましたが、果たしてやりきれるでしょうか……？」
　舞華は開始早々、頭を抱えていた。
　というのも、彼女はSNSのねこったー・ニャースブックだけではなく、匿名巨大掲示板のオカルト板やアダルト板などのマニアックな方面まで検索をかけていた。
　その甲斐あって、それっぽい情報を得ることができたのだが……。
「なんでしょう、『HAHAHAHAそんなでかい釣り針に俺が釣られクマー！？』な情報を、あたしは信じろっていうのでしょうか……？」
　確かに、モテモテスターの存在を裏付けると思しき情報がここ数日間で激増していた。
　だが、その内容は目を疑うものばかりで、舞華は思わず困惑しているのだ。
「だいたい、意味がわかりませんね……エログッズを燃やす……しかも全裸で……」
　舞華の正気度がガリガリと削られていく。
「それにシトラスガムダンやらニャムダンってなんでしょう？　希望戦士ニャンダムの形をした柑橘系の芳香剤？」
　思考を深めるほどこんがらがってくるので、舞華はひとまず自室を出てキッチンでコーヒーを入れることにした。
「あ、そうだ。反応はないだろうけど『情報求む』とねこったーに書き込んでおきますか。こういうの、必ず自己顕示欲の強い莫迦が勝手にしゃべってくれるはずですし」
　舞華は書き込みを終えると、背伸びをしながら自室を出てキッチンへ向かった。