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Snow Snow Sweet!
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おかしい、確かケーキを食べなきゃいけないはずだったのでは? と
夜海霧 楓
が気が付いたのは、一人用鍋で煮込まれた美味しい寄せ鍋を
トワ・E・ライトフェロゥ
と半分以上食べた頃だった。
炬燵は暖かく、鍋は美味しい。けれど、今するべきは巨大ケーキを食べることのはず……できれば自分は食べたくなかったが。
「とっても、あったまるデス。ね、カエデ?」
「それはそうなんだがな……ここで鍋食ってる場合じゃなくねぇか?」
きょとんとした顔を向けるトワに、これは完全に忘れてるなと楓は溜息を吐いた。
「ケーキ、食わないと帰れねぇだろ」
「oh! そうでした、ケーキ! ケーキもいっぱい食べるヨ!」
すっくと立ち上がったトワは、長靴を履いて慌てて外へ出ようとする。が、楓に腕を掴まれてほんの少し前へとつんのめる。
「なにするデス? きけんがあぶない、デス!」
「お嬢様一人で出てって、ケーキまで辿り着けるのか? 迷子になるのがオチだろうが、いい加減学習してくれ」
楓は帽子を被り直しながら、トワに言い聞かせる。それもそのはずで、トワは行動力のある少女なのだ。そしてその行動力は10秒でも目を離せばどこへ行ったのかわからなくなるほど。そして、極め付けなのは彼女が方向音痴という事実だ。
つまり、行動力のある方向音痴。これに今までどれほど楓が手を焼いてきたのか、考えるだけでも同情に値するだろう。楓はトワの腕を掴んだまま、巨大ケーキへと歩き出す。トワも、ケーキを食べる為に大人しく腕を掴まれたまま歩く。少し歩けば、目の前に巨大なケーキが現れた。
「fantastic……! ほんとにおおきなケーキ、デス!」
「これかー。マジかー」
きゃっきゃとはしゃぐトワは、積まれた皿と並べられたフォークを見つけて手に取ると、さっそく食べる為にケーキを載せていく。対して楓は、これを食べるのか……と若干うんざりした様子を見せながらも、座って食べれる場所を簡単にだが作ることにした。それっぽくなっていた場所の雪を軽く固めるだけなので、そんなに時間は掛からない。その作業の間にも、トワから目を離さないのは楓のプロ意識の表れであろうか。
「カエデ、カエデも食べるデス!」
「わかった、わかったから、良いから皿の上のをとっとと食え。だが夕飯が食べれなくなる分までは食うな。ついでに食べた分は動いて消費しろ」
「わかったデス、ケーキをいっぱい食べるヨ! ウンドーは、食べるまえデス? あと?」
「皮肉に決まってるだろ」
ソウデシタカーと言う返事に気が抜けつつ、楓もケーキを食べるべく巨大ケーキに向き合う。本音を言えば、適当に遊んでいれば他の誰かが食べてくれるだろうという気持ちはある。けれど、それはそれで楓の主義に反するのだ。
なるべく甘そうじゃないケーキを、とベイクドチーズを選んで皿に載せる。覚悟を決めて口にする横で、トワはひたすらハムスターのようにケーキを食べている。擬音にすれば、はむはむはむはむはむはむはむはむ、と言ったところだろうか。
楓が口にしたケーキは甘さは控え目で、ほんのりアクセントにレモンも効いていて食べやすくはあった。
けれど、甘いものが苦手な楓からすれば十分に甘い。
食べきれば帰れる。楓の心の中で、その一文だけがリフレインする。
食べれば終わる。実際は食べきらなくても大丈夫なのだが、彼は知らない。
食べれば。段々心の中に流れる言葉が短くなっている、大丈夫だろうか。
食べ。あ、これ大丈夫じゃなさそうな奴だ。
「食えるかァァァァ! 甘ったるいわァァァァ! これがちゃぶ台返し出来ない台でよかったなァァァァ!」
普段食べない、しかも苦手なものを食べた結果、楓は謎の混乱を見せたが、叫んでスッキリしたのか既に落ち着きを取り戻している。トワはひたすら食べている。はむはむはむはむはむはむはむけぷ。ちょっとお腹がいっぱいになってきているようだ。
楓は早々に白旗を掲げて、楽しそうにケーキを食べる人々を眺めた。
「よく飽きずに食えるな……」
「カエデ、もう食べないデス? なら、トワが食べる、デス!」
トワが楓の皿に載ったベイクドチーズを食べるのをぼんやりと見ながら、本来なら戦場じゃ何でも食べれるようにならなきゃいけないけれど、胃袋が受付けないのは自分の味覚がおかしいせいだろうと考える。
「甘すぎるんだよ……」
それでも、無理なものは無理だと溜息を吐いた。大人しく雪洞で鍋を食ってりゃ良かったな、と思いながら美味しそうにケーキを食べるトワを眺めるのだった。
雪洞が出来た後、炬燵で暖を取っているうちに話が盛り上がりすぎてケーキへ出向くのがちょっと遅れてしまったのは
奈倉 藍
と
錦織 彩
、そして
澪乃 澄佳
だ。
「雪洞に炬燵、それからお鍋は魔性だねえ」
「一人前のお鍋で少しだからって、油断してしまいましねー」
「あ、あの、でも、楽しかったから、つい……」
そうなんだよねー、と顔を見合わせて三人は笑う。お鍋を軽くつつきながら学校のことだったり、先生のことだったり、話し始めたらクラスは違えど共通の話題は尽きなかったのだ。
最初は藍と澄佳の話に控え目に相槌を打っていた人見知りの彩も、笑顔を見せて少しだけれど自分から話をするようになっていた。
「でも、二人と仲良くなれた気がするから問題ないべさ。ケーキは今から食べに行ってもまだ残ってるだろうし、大丈夫大丈夫!」
「そうですねー、行きましょう錦織さん」
「は、はい……! ケーキ、楽しみです……」
足元に気を付けて、なんて話しながら三人で巨大ケーキへと向かう。既にそれなりに食べられていたけれど、まだまだその姿はどどーんと三人を待っていてくれて、彩は目をきらきらさせながら、ほうっと息を吐いた。
「大きいです……ま、まるで、小人になったみたいですね……!」
「あ、ほんとですねー。私たちが小さくなってしまった気持ちになります」
「不思議の国のアリスにそんな話があったよねえ」
巨大ケーキを見上げて笑いながら、ケーキのそばにあったお皿とフォークを手に持つ。三人で顔を見合わせると、一つ頷いて巨大ケーキへと挑むのだった。
藍はふわっふわの生クリームがたっぷりデコレーションされた部分を、彩はシュガーレースで繊細なデコレーションが施されたケーキを皿に載せる。
「澪乃さんは、ケーキ取らないんですかー?」
「ど、どれにしようか……ま、迷ってるんですか……?」
「うーん、せっかくだから、まだ誰も食べてない上の方のケーキを食べようかなと思ってねえ」
でも、梯子も見当たらないしどうやって? と二人が首を傾げると、澄佳はにこっと笑って、
「こうやってだべさ!」
と、澄佳が愛用している懐中時計を取り出して時刻を確認した。すると、澄佳の身体がふわりと浮き上がったではないか。驚く二人に手を振って、澄佳は巨大ケーキの上の方へと向かう。
これは澄佳のろっこん、「空飛ぶ散歩のお時間です。」の能力だ。
「どれにするか悩む……こんなときは全部ちょっとずつ食べるべきだねっ」
定番の生クリームは勿論のこと、苺とブルーベリーをふんだんに使ったベリータルト、抹茶ケーキにほろ苦の濃厚ガトーショコラ……全部を少しずつ皿に盛って最後に大好物のドーナツを載せる。それからゆっくりと降りてきて、えへへと二人に笑う。
「飛べるんですね……!」
「ゆ、夢じゃない……の、かな……?」
藍と彩は目をぱちくりとさせていたけれど、澄佳がいつもどおりなのでそれ以上はなにも聞かなかった。きっとそう言うこともある、と何故か納得してしまったのだ。それに『ひと』である二人にとっては、この雪かきと巨大ケーキだって現実と言うよりは夢に近いのだから、今更だという気持ちもあったのかもしれない。
澄佳は二人に笑ったまま、皿の上のスイーツをぱくりと食べる。
「ん、美味しい! これならいくらでも食べれちゃいそう!」
その声にはっとして、二人も皿の上に載せたケーキを食べ始めた。舌の上でとろける生クリームや、フルーツとスポンジの美味しさに笑顔が溢れる。
「口の中に優しい甘さが広がって、絶品ですね……!」
「や、やっぱり甘いものって素敵です……美味しい……!」
二人の隣に澄佳が降りてきて、そのお皿を覗き込む。
「下の方のケーキのお味はどうかしら? あたしも一口欲しいなっ。代わりに、あたしの取ってきた分を食べさせてあげるから、どうだべかっ?」
「もちろん! これもすっごく美味しいですよー!食べてみてくださいー♪」
「わ、私のも、そ、その……良かったら、どうぞ……!」
藍が自分の皿のケーキをフォークに刺して食べさせようとすれば、澄佳があーんと口を開ける。それを真似して、彩もフォークにケーキを刺して澄佳へと向けた。
「んん~生クリームが美味しい……っ! 彩さんのは、このレースみたいなのが綺麗だねえ! お砂糖で出来てるのかなあ?」
「あ、は、はい! シュガーレースって、言うそうです……。ま、前にテレビで、見たことがあって。あの、そ、その……私、レース編みとかするので、つ、つい、惹かれて……」
「錦織さんは器用ですからねー!」
藍がそう言いながら、彩にもケーキを食べさせる。女の子同士で食べさせ合い、ケーキのシェア……なんて楽しくて素敵な時間なんだろうと三人が笑う。その笑顔は、美味しいケーキにも負けないくらい魅力的だ。
「あ、あの……ちょっとやってみたいことが、あるんですけど……」
「なんだべ?」
「どうぞどうぞー、言ってみてください!」
彩がおずおずと口を開くと、二人はケーキを食べる手を止めて聞き入る。
「あの、巨大ケーキ……え、絵本みたいに、中を、トンネルみたいに、掘り進んだり……できそうだなって、思ってしまいました……あ、ご、ごめんなさい、子供みたいですね……」
ちょっと恥ずかしそうに俯いた彩の肩を、皿を持たない手で二人が掴む。
「それ、私もやってみたいですー!」
「あたしもだよ! 思い立ったが吉日だよ。行こう、彩さん!」
二人が彩を引っ張る形で巨大ケーキに改めて向かっていく。折角だから、いっぱい食べられているとこから掘ってみようなんてケーキの周りを歩くと、既に同じような考えでケーキにトンネルを掘っている二人組みがいた。
早坂 恩
と
結梨亜・カールシュテイン
だ。
「あら、あなたたちも同じこと考えたのね? そうよね、こんなに大きなケーキだったらトンネルできるんじゃないかしらって思うわよねぇ!」
「しかもですネ! この中のところが外側とちょっと違ってて、また美味しいんですよ! 一緒にたべませんか?」
思わぬ同意者を得られて恩は嬉しそうに笑い、結梨亜は内側のケーキがこうなってて、と楽しそうに勧める。そして、よかったら皆で一緒にトンネルを掘りながら食べないかと誘った。
「3人より5人の方が、早くトンネルが掘れるべさ!」
「そうですねー、折角ですしご一緒しましょうかー。錦織さんはどうですか?」
「あ、は、はい……! 皆で一緒にできるなら……そ、その、嬉しい、です……!」
決まりね、と恩が笑う。
お腹一杯食べて、笑って、そうしているうちに、他にもトンネルを作るのを手伝ってくれる人も増えて、いつの間にかトンネルは完成する。
この空間も、そのうち終わりを迎えるだろうけれど、今日の楽しかったり、嬉しかったり、とっても甘かったり、ちょっと苦かったり……それでも得がたく忘れがたい思い出は心の内に残るのだった。
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あとがき
担当マスター:
加持蜜子
ファンレターはマスターページから!
お待たせいたしました、「Snow Snow Sweet!」リアクションをお届けします。
雪かきに雪遊び、そしてスイーツてんこ盛りなシナリオ、如何でしたでしょうか?
執筆中にスイーツ食べたくなる病に何度かかったか……!
そして今回、珍しくテオがお願い事を聞いてくれていますが、今回のシナリオに限りとなります。
他のシナリオでもお願いを必ず聞いてもらえるということではございませんので、ご了承くださいませ。
少しでも楽しんでいただけていれば嬉しく思います。
また違うシナリオでお会いできるのを楽しみにしています、ご参加ありがとうございました!
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加持蜜子
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
コメディ
SF・ファンタジー
定員
20人
参加キャラクター数
19人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年12月24日
参加申し込みの期限
2015年12月31日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年12月31日 11時00分
参加キャラクター一覧
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