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思い出のスノードームをつくろう
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「スノードームかぁ……なんだか幻想的よね。
せっかくだし、挑戦してみようかしら」
スノードームづくりの教室が開かれるというチラシを見たとき、
詠坂 紫蓮
はそう思った。
場所は旧市街にある雑貨店『memoria』だという。聞き覚えのない店だ。それも紫蓮の好奇心をくすぐった。ウィンドーショッピングしかり、新しい店を開発するのは、女の子にはいつだって楽しいイベントのようなものだから。
「クリスマスも近いしね」
(もしうまくできたら、手づくりのクリスマスプレゼントとして贈ってもいいかもしれないわね)
そんなことを考えつつ、チラシにあった地図を頼りに店へと向かう。事前申込みはしてあった。入口で講師の女性とあいさつをし、受付をすませると2階の教室へ。自分の名前を探してテーブルの間を歩いていると、先にとなりの人が来ていた。
「となり、いいですか?」
自分の席だが、一応声がけするのがマナーだろう。これから数時間、となり同士でいるわけだし。
自分に声をかけられていると感じて、
八神 修
は読んでいた本から面を上げた。
「あら」
それが修であると気付いた紫蓮は口元に手をあてる。
修もまた、紫蓮に驚き「あっ」と声を発した。
「「どうしてここに?」」
みごとにハモって、ぷっとこれまた同時に吹き出す。
どうして、なんて分かりきっている。スノードームをつくりに来たのだ。
「でも良かった、同じテーブルの人が見知った人で」
急に肩の力が抜けて、ふふっと笑う。
「ああ、俺も」
「ところで、何を読んでいるの?」
「スノードームの写真集だよ。『世界のスノードーム』ってやつ。見本として店の人が前のテーブルに何冊か出してくれてたんだ」
「へえ」好奇心をそそられて、修が開いていたページをひょいと覗き込んだ。「ボトルシップみたいなスノードームもあるのね。丸いだけじゃないんだ。面白そう」
「だよな。俺もそう思って見てたんだ。ほら、これなんか三角の形をしてる。なかのエッフェル塔の形に合わせてるんだ。すごいよな」
興奮気味に話す修に「ええ」とうなずいたあと、紫蓮はおもむろに切り出した。
「ところで、何をつくるかもう決めてる?」
「ああ。実は材料も、もう買ってきてるんだ」
修は鞄から黒髪ツインテールの女の子のSDフィギュアと丸まった猫のバッジっぽい飾りを取り出してテーブルに並べた。
それを見て、紫蓮は、おや? と思う。
「もしかして、あおいちゃん?」
紫蓮の指摘に、修は「いや」と首を振って見せた。
「特に女の子にモデルはないよ」
そう答えたが、どちらもそれは嘘と分かっていた。似ているフィギュアを探して買ってきたんだから、気づかれて当然だ。
七夜 あおい
は修の想い人だった。
「ドームは学校前をイメージして、下に道路と草花、横にカラフルなアーチを粘土やプラで作って配置しようと思ってる。その真ん中にこのフィギュアを配置して、手に猫バッジを接着剤で付けるんだ。あと、寝子祭アーチも入れたいな。
バッジは、寝子祭アーチの飾りの1つとして俺がつくったやつなんだ。……実は、恋が実るというおまじないが……」
話して聞かせているうちに照れてうまく言葉が出なくなったのか、最後はごにょごにょと自分にだけ聞こえる独り言になった。
修は少し黙り込む。そんな姿も紫蓮にはほほ笑ましく映る。
(男の人ってかわいい)
どうしても気づかれたくないようだから、言わないけれど。
「そう言う詠坂の方はどうなんだ? もう決めてるのか?」
「え? 私?」
修の突然の切り返しに、今度は紫蓮があわてる番だった。
「私は、べつに……。ほ、ほら、チラシにあったテーマは「思い出」でしょ? 今年もいろいろあったなあ、って1年を振り返って、思い出してるとこ」
べつに恋愛に限ったことではないし、と気持ちを落ち着かせる。
そのときドアががらりと開いて密架たちが入ってきた。雑談はここまで。ふたりは居住まいを正して正面の教壇に向き直る。密架の話を聞きながら、その実紫蓮はこっそり先の言葉の続きを考えていた。
ああは言ったし、今年あったことといえば寝子島へやって来たことだけど……でもやっぱり、今年一番の思い出は、にいさんのことだと思う。
(じゃあ、にいさんをスノードームにする?)
でもなんかそれってそれって、いかにもじゃない? 特定の男性の出てくるスノードームをつくるなんて。
絶対バレる。だって、自分でもそんなの見たら分かっちゃうもの。
(やだ、そんな恥ずかしい……)
無理! できない! と思った直後。
(でも、だからってずっと何もしなかったら、何も変わらないまま、なのよね)
針は今度は反対側に振り切れる。
時として乙女心には真ん中というものが存在しないのだ。
(うーん、誕生日のときのこともあるし……この際、思い切っていっちゃう?)
うーん、うーん、うーん、うーん……。でもねぇ……。
そりゃあ両想いになりたいし、もしかして、っていう推測がまったくないわけじゃないけど……。
最後の最後で、やっぱり完全には踏み切れないものが自分のなかのどこかにあって。
(それっぽくにおわせつつ、完全にはバレないような感じで考えよう……)
やっぱり、私ちょっと臆病かもしれない。そう思わないでもなかった。
紫蓮は材料の棚から男の子と女の子の人形を持ってきて、台座に仮置きしてみた。
ほかの季節でもいいって説明していたし、修の読んでいた本にもさまざまな季節のスノードームがあったけれど、やっぱり粉雪を舞わせた方がロマンチックだと思うから、雪の季節にしよう。
木があるといい。細長く、立ち枯れた感じで。いかにも冬の木立っぽく。
ロマンチックな感じにしよう。
(あ、女の子の方には……このブローチっぽい物をつけたいな)
ふと思いついて、紫蓮は自分のしているブローチに手をやった。
(にいさんにもらった誕生日プレゼント……)
さすがに学校へはつけて行けないが、休みの日はいつもこれをこうしてつけていた。
これがあるというだけで、うきうきと楽しい気分になれる。
だから、女の子にはブローチを描こう。そうしたらこの子もうきうきとした気分だってことが分かるから。
(男の子の方にも、何かにいさんっぽい物をつけてあげたいな。とすると、やっぱりカメラ? でもそれだとにおわすどころじゃなくてバレバレかな)
紫蓮は彼のことであれやこれやと思い出し、いつも首に巻いてるスカーフっぽいのにすることを決めた。
「できた、と思うんだけど……。こんな感じでいいのかしら」
作業に熱中しているうちに、いつの間にか猫背になって前のめりになっていた。背筋を伸ばし、ふーっと長い息を吐く。そして修のことを思い出してそちらを向いた。
修もまた、紫蓮のように真剣な表情で台座にキャラクターや小物を配置していた。紫蓮が見ていることにも気づいておらず、まさに脇目も振らず一心不乱という言葉のとおりだ。
修もあんなにがんばっている。自分も負けられない。最後まで手を抜かず、がんばろう。紫蓮は自身を励まし気持ちを燃え立たせると、最後の仕上げにとりかかった。
ドームをさかさまにして、なかにラメや小さな雪の結晶といった箔を入れて、台座をはめ込み、台座に開いている小さな穴から精製水と水のりの混合液を注入する。揺らして、人形についた空気の泡が少しでも消えるようにして……。
「穴にキャップをはめて、これで出来上がり、っと」
くるり、ひっくり返して正しい位置に戻したスノードームをあらためて覗き込む。
瞬間。
「――!!!」
紫蓮は驚きのあまり声も出せずにその場に凍りついた。
「何これ!? 思ってたよりずっと人形2体の距離が近いじゃない……!」
いわゆる、これが水とガラスによるレンズ効果というやつだった。拡大され、なかに入れた物が本来の物より大きく見える。
(ま、まるでキスしちゃってるみたいじゃない!)
あわわ、さすがにこれはちょっと恥ずかしい。
でも修正しようにも台座はドームにぴったりはめこまれていて、もう抜きたくても抜けない状態だ。
(違うの! ちゃんとふたりは距離をとっていて……キスなんかしてないの……っ!)
紫蓮は真っ赤な顔で、必死になって心のなかで、声にならない叫びを繰り返し周囲に向かって放っていた。
一方で修はといえば。
となりの紫蓮のそんな葛藤にはまったく気づかず、出来上がったばかりの自分のオリジナルスノードームに見入っていた。
『楽しそうに踊っていて、なんか可愛いね』
耳元でリフレインしているそれは、寝子祭で猫バッジを見たときにあおいが言った言葉だ。
だがドームのなかの情景を眺めている修の目に映るのは、キャンプファイヤーを見つめているあおいの穏やかな横顔と、猫バッジを受け取ったときのあおいだった。
あおいとの思い出と、彼女を大好きな気持ちと、恋の願いを込めてつくったスノードーム。
修は飽きることなくそれを見つめ続けたのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
寺岡志乃
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年12月09日
参加申し込みの期限
2015年12月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年12月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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