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思い出のスノードームをつくろう
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旧市街の商店街から道1本はずれた、ひと気の少ない通りにある路地のさらに一番奥に、その店はあった。
「あそこ?」
振り返った
千明 優輝
に確認を求められ、
冬月 詩歌
は「うん」と言うようにこくんとうなずいた。
「へー。すごいとこ見つけたね。こんなとこ、僕じゃきっとこの道を歩いてても気づけなかっただろうな」
優輝は感心したという目を詩歌へと向ける。
さあ行こう、と促されて、詩歌は今日もう何度目か知れない言葉をまたも口にした。
「つきあわせて、しまって、ごめんなさい……なの」
先日、初めて店に訪れたとき、詩歌はつい店から逃げてきてしまった。こうして昼間見ると、なぜあんな気持ちになったか分からない。たぶん、怖くて警戒するというより単純に驚いたのだと思う。だけど逃げてしまったのは事実で……1人でもう一度来るのはなんだか気恥ずかしいし、ちょっぴり罪悪感もあって、優輝にわけを話して一緒に来てもらうことにしたのだった。
詩歌の言葉に、優輝は首を振る。
「ううん、僕だって興味あったから来たんだよ。スノードームは見たことあるけどつくったことはないから、楽しそうでやってみたいって思ったし。こうやってお店見つけてみると、すごく雰囲気あって良さそうなお店だと思うし。来てよかったって思ってる。だからもうそういうの、なしにしよう。
さあ行こ!」
にこっと笑って差し出された手に手をつなぐと、詩歌は優輝と一緒にドアの前まで行った。
ドキドキしながらドアをくぐる。はたして、密架は詩歌を覚えていた。
「あら、あなたっ」
入ってきた詩歌を見て、密架はうれしそうにはしゃいだ声を発する。ちょうどあのぶさかわ黒猫を抱き上げたところだったようで、密架の腕のなかでぶみーっと特徴的なダミ声で鳴いた。
「こ、こんにちは、なの……」
「また来てくれてうれしいわ。気になっていたのよ。うちの喬が驚かせてしまってごめんなさい。今日はお友達と一緒なのね?」
「千明 優輝って言います。詩歌さんの友達です。今日はよろしくお願いします」
礼儀正しいあいさつに密架はほほ笑んで、「こちらこそ、よろしくお願いします」と答えた。
「いい人みたいだね」
教室のある2階への階段を上がりながら、こそっと優輝が言う。
「うん……」
優輝の言うとおりで、なんだか詩歌は恥ずかしくなってくる。俯いて階段を上がっていると、階段の一番上で、待つようにこちらを向いた靴先が見えた。
徐々に視線を上げていくと、例の赤髪の少年が両手をズボンのポケットに突っ込んで立っている。
どきんっと詩歌の鼓動が跳ね上がった。
「あ、あ……、あの……っ、あの……」
なんだか今日もとても機嫌が悪そうだ。睨むような目で見下ろされている気がした。
彼は中山 喬といって同じ寝子島高の2年生だと、今は知っている。ほんの数カ月前に転校してきたとか。だけどそんな情報をいくら仕入れていても、やっぱり怖い。そう思った詩歌は言葉を失い、ウサギのように身を竦ませた。
「詩歌さん……」
優輝がいたわるように名前を呼んだとき。喬が息を吐いて階段を下りて来た。
「この間は怖がらせて、悪かった」
すれ違いざま、ぼそっと詩歌に言う。
まさかそんなことを言われると思っていなかった詩歌は、とっさに言葉が返せない。あわてて振り返るが、喬はもう階段の緩やかなカーブ部分を曲がって、背中の一部しか見えなかった。そのまま足を止めず下りていった喬は「密架」とあの女性を呼んで、ふたりで何か話している気配がする。
「詩歌さん、よかったね!」
優輝に軽く肩をたたかれて、詩歌はようやくほっとして気を緩ませた。
「ん……」
勇気を出して、もう一度ここに来てよかった。
心からそう思った。
教室で、ふたり一緒のテーブルに座って始まるのを待っていると、やがて講師の密架と喬が入ってきて、密架は壇上に、喬は一番後ろの席にとそれぞれ分かれてついた。
密架は簡単なスノードームのつくり方の説明をし、テーマは「思い出のスノードーム」だと言う。
「たしかにテーマがあった方がイメージがしやすいけど……どんなのがいいかなぁ……」
優輝は考え込む。
「僕と詩歌さん、ふたりの思い出のシーンというと、やっぱり僕の家でお泊り会したときかな? どう思う? 詩歌さん」
「私も、それがいいと、思ったの……」
「じゃあそうしよっか。
スノードーム……冬のシーンじゃないけど……たぶん何とかなる……かな……?」
ふたりはまず、互いに意見を出し合って、小物の配置や何を演出に使うかをデザイン画に起こして決定したあと、実際にそれを製作する過程に入った。
スノードームのなかに入れる物として用意された小物類は、壁の一面を埋めるほどの碁盤型の棚に入っていた。多種多様なチャームが5センチ四方くらいのマス目に1種類ずつ、さらにそれぞれがシルバー、ゴールド、アンティーク等々カラーリングごとに区分けされ、ぎっしり収まっている。そしてそこに入らない大きさの人形や机、イスといったフィギュアの類いは別テーブルに卓面が見えないほど並んでいた。これだけあれば、大抵の物は見つけられるだろう。
「どれがいいかなー」
たくさんの小物たちは、並んでいるのを見ているだけで楽しい。優輝は軽音楽部で今練習中の曲をふんふん鼻歌で歌いながら、演出用として周囲に散らす箔やラメといった物の選出に入る。
具体的に中央に置く自分たちのパジャマ人形とぬいぐるみの黒猫クロと白猫のシロ、そして黒ウサギのクロトの人形を選ぶのは詩歌の役割だ。
「詩歌さん、見つかった? こっちはこんなのでいいかなぁ? 僕、よく分からなくて――」
別テーブルの詩歌を見ようと振り返った優輝は、そこでまた詩歌が硬直して立っているのを見た。詩歌の前にはまたもやあの赤髪の少年喬が立っていて、詩歌に向かって何か言っている。
彼が詩歌をあんなにも緊張させているのだと知って、あわてて詩歌の応援につこうとそちらへ向かいかけた優輝は、そのとき、喬が持っていたスノードームを詩歌に渡すのを見た。詩歌が受け取ると、喬は回れ右して自分の席へ戻って行く。
「どうかしたの? 詩歌さん」
「あ、千明さん……。これ、あの人が……」
それはこの店の入口にあるショーウィンドウを覗き込む少女のスノードームだった。あの日、自分に似てると詩歌が興味をひかれたスノードームだ。今見ても、やっぱり似てると思う。
「あの人、くれたの?」
「たぶん……そう、だと、思うの……」
あれはそういう意味だと思う。
『おまえだ。だから、それはおまえのだ』
これを渡すとき、喬はとてもつまらなさそうにそう言っていた。なぜあんなふうに言ったかは分からないけれど……。
「やっぱり、やさしい人なんだよ」
両手で持ったスノードームを覗き込んでいる詩歌の、静かにうれしがっている姿を見ていた優輝は、そうつぶやくとやおら喬の元へ行き、スノードームをつくっている彼の正面に立った。
「……何の用だ? 何かあんなら密架に――」
「すみません!
あのっ、僕らに、スノードームのつくり方教えてくれませんかっ?」
「――はぁ?」
突然そんなふうに切り出されて、喬は本気で驚いた様子で顔を上げる。
「僕ら、こういうことするの本当に初めてで、何をどうすればいいか分からないし……、つくるからには失敗しないで、いい物をつくりたいし。
こんな、いい作品をつくるあなたに教えてもらいたいんですっ」
言うべきことは言った、と返答を待つ優輝の前、喬はしばらく口を開けたまま沈黙していた。そしてようやく閉じたと思うと、今度は逡巡しているような苦悩の表情をする。もう一度優輝を見、優輝の意思が強そうな目を見て、やがて長いため息をつき。
「……ふたりとも、道具と材料持ってこい」
と、観念したように言った。
「はいっ!」
「言っとくが、つくるのは全部おまえらだからな。おれぁ口は出すが手は出さねえぞ」
「はいっ、もちろん!」
嬉々として、詩歌と一緒に材料を抱えて喬のいるテーブルに移る。
もちろん、詩歌とふたり、協力してつくるのだ。これは、ふたりの思い出なんだから。
それから優輝と詩歌は、喬からアドバイスやちょっとしたコツを受けながら、優輝の家でしたパジャマパーティーをスノードームのなかに再現していったのだった。
教室を終えて、最後、店を出るとき。見送りに立った密架とその横の喬に向かい、詩歌は思い切って「怖がって、逃げてしまって、ごめんなさい、なの」と謝罪をした。
「それから……、今日は、すてきな、スノードーム、くださって、ありがとうございました……なの」
「僕も! 喬さんのおかげで、かわいくてすてきなスノードームができたこと、すっごく感謝してます! ありがとうございました」
ふたり同時に頭を下げてこられて。喬が居心地悪そうに、右に左にと重心を移してそわついているのを横目にくすっと笑って、密架は彼の分も心を込めて言った。
「こちらこそ。ありがとうございました。おふたりとも、またのご来店をお待ちしております」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
寺岡志乃
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年12月09日
参加申し込みの期限
2015年12月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年12月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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