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思い出のスノードームをつくろう
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見落としやすい路地の奥。
(ここ、だよね)
『memoria』との吊看板を見上げて再度確認を取った
恵御納 夏朝
は、ドアを押してなかに入る。
「ようこそいらっしゃいませ」
黒服、肩にストールをまとった長い髪の女性がにこやかに出迎えの言葉を投げてきたが、夏朝の関心の視線を一身に浴びていたのは彼女の抱いていた黒猫の方だった。
この黒猫、毛並みはツヤツヤとしてきれいだが、顔が残念なことに縦より横幅が広い。ぶみーと鳴く声もダミ声だ。いわゆるブサカワ系というやつだが、しかしそういったいくつかの欠点も夏朝にとってはすべて「猫」という事実で帳消しになってしまう。
(かわいい)
じーっと見ていると、女性は「ちょっとごめんなさい」と夏朝の横を抜けて表に出て、そこで黒猫を放した。黒猫はとっとっと、と向こうの通りに向かって歩いていってしまう。
抱く機会が失われてしまった。もしよかったらだっこさせてもらいたいなぁ、と思っていたのだが。夏朝がちょっと残念に思いながらドアからはずした視線を店内に巡らせようとしたそのとき。
「あっ、こんにちは!
鬼河内 萌
です! スノードームつくりに来ましたー! 今日はよろしくお願いしまーす!」
はきはきしゃっきり。元気のいい少女のよく通る声がして、夏朝は思わず開いたままのドアの方へ目を戻していた。
少女本人の姿は見えないが、この店の女性――密架のとまどっている姿が見える。
(なんであんなに困惑してるのかな?)
興味を覚えてドアに近づき、外を覗く。そこには長い髪を巨大な赤いリボンでポニーテールにした少女が、厚手のコートに長靴、そして右手に
スコップ
、左手に
バケツ
という完全防寒姿で仁王立ちしていた。
ちなみにこの日、寝子島に雪は降っていないし、局地的突発大豪雪になったという噂も聞かない。
しかしこの萌という少女は、そうなっていると信じて疑ってなさそうないでだちだった。
「あれっ? スノードームをつくるんですよね?」
密架が困惑していることに、萌も気付いたようだ。
「ええ、そうよ……スノードーム。間違ってないわ」
「ですよね? でも……あれ? ボクだけ?」
おかしい。どうも話が噛み合ってない気がする。
(お店の周りにもなかにも、どこにも雪なんかないし……あれ?)
嫌な予感が胸をチクチクチクチク針で刺す。決して厚着によるものではない、冷たい汗が背筋を伝うのを感じながら、萌はおそるおそる訊く。
「あのー……、スノードーム、雪のドームで……、つまり、
かまくら
、なん……です、よ、ね……?」
もちろん違う。
萌が一体何を思ってこんな格好をして現れたのか、ようやく知ることができた密架は混乱から立ち直って、萌にスノードームとは何かの説明をした。
「ええっ!? そんなあーっ! ボク、かまくらの中でカレーを食べるのが夢だったのに、違うの!?」
スノードームが自分の思いこんでいたかまくらとは全然違う物であると知った萌は、へなへなとその場に座り込む。あまりのショックに足が萎えて力が入らなかった。
(面白い人)
入り口から一部始終を見ていた夏朝は、自分とは180度違う萌のテンションの上がり下がりにそう思う。それ以上でも以下でもなかったのだが、その視線を感じて夏朝の存在に気づいた萌は、何を思い込んだか、ああっと芝居がかったしぐさで腕で目をおおった。
「まぶしいっ! 視線が、視線が痛いよ! 突き刺さるっ!」
ああ、穴があったら入りたいっっ!!
「大丈夫ですか」
わっと両手に顔を埋めた萌を見て、あわてて密架が慰めに入った。
ようやく落ち着きを取り戻した萌は密架にスコップとバケツを預け、夏朝とともに受付を終えて2階の教室へ向かった。
「恥ずかしいとこ見られちゃったなぁ。あ、ボク、寝子高1年2組、鬼河内 萌っていうの。ヨロシクね」
「寝子高1年4組、恵御納 夏朝……です。よろしく……」
なんとふたりは割り当てられたテーブルも同じで、となり同士だった。
「えへへっ。奇遇だね。
ところでさ、スノードームって何か分かる?」
「……あれ」
夏朝が指さしたのは、教壇の横に設置されたテーブルの上に参考書とともに並んだ見本のスノードームだった。
「あー、あれがスノードームかぁ。物は知ってたけど、そういう名前だって全然知らなかったよ。
なんかもう、自分の無知が恥ずかしいー……」
また思い出してしまったのか、頭を抱えている萌の姿を夏朝はじっと無表情に見つめる。そんな夏朝に気づいて、萌はえへっとまた笑った。
「見られたのが夏朝ちゃんでよかった。夏朝ちゃん、ボクのしたこと笑わないし、何も言わないんだもん。もし夏朝ちゃんにそういう態度取られてたら、ボク、マリアナ海溝より深く落ち込んじゃってたかもしんない」
「マリアナ海溝って、どこ?」
「えっ?」まさかそんな返しがこようとは。「えーと、えーと……。ボクもよく分かんないや」
あっけらかんとそう言って、萌は無邪気な笑い声を響かせた。
「そっかぁ。スノードームって、これのことなんだ。きれいだなぁ~」
教室が始まって。みんなが材料を取りに席を立ち始めると、萌は見本のところへ行ってスノードームを手に取った。じっくり細部まで見ようと顔を近づけて覗き込む。
それは入学式を模したスノードームで、桜の花が咲く街路を制服姿の少女が足取り軽やかに歩いているシーンだった。
「この女の子、なんだか今にも動きだしそう。気のせいかな?」
もちろんそんなこと、あるはずがない。我ながら笑えると思ってくすくす笑ったあと、ふとその桃色の花に、とある記憶が呼び覚まされた。
あれは秋桜畑で、桜ではなかったけれど……。
(あのときのスノードームがほしい!)
思い出したとたん、萌は強烈にそんな思いにかられた。そうだ、それをつくって――……
(――うっ……。
いや、ボクに自作なんて100パー無理だわ)
もうそれは火を見るよりあきらかだから! 冷静になろう、ボク!
でも秋桜畑で
野菜原 ユウ
と過ごした、あのひと時のスノードームはほしい。
自作はナシとして、この際考え得る最も最良の策は、オーダーメイドだった。
(値段、張っちゃうだろうなあ。オーダーメイドだもんなあ……)
思わずサイフの中身について考えて、これからほしい物のあれやこれやを考えて……。
(でもやっぱり、スノードームほしい!)
勢い密架の姿を探したが、ほかの生徒とのやりとりに忙しくテーブルの間を飛び回っていて、オーダーを受け付けてもらえるかなんて、教室に関係ない話にわずらわせるわけにもいかなさそうだった。
教室が終わったあとで相談しよう、そう考えつつ、萌は自分の席へと戻った。
一方で夏朝は、乏しい表情の下でひそかに葛藤を抱えていた。
(あれ、思い出って言っても……いいのかな……)
思い出すのは夏のある日。深夜にこっそり寝子高南校舎に忍び込んで、階段の踊り場で体験した、不思議な出来事だった。
あれが夢だったのか、現実に起きた出来事だったのか、は、今もあやふやなままだ。
(だけど、やっぱり僕には大事な思い出だと思える出来事だから……)
夏朝はそのときのシーンを再現することにした。
あれは深夜だったから、ガラスの上3分の1くらいを夜っぽくグラデーションで塗るとして……。
「寝子高の校舎内を再現するには、どんな素材が良いかな……?」
校舎のデザインのフィギュアもあるが、校舎内の一部というのはピンポイントすぎてなさそうだった。オーブン粘土で自作するしかないだろう。
踊り場の様子を思い出しながら、少しずつ手を動かしていく。
ここには、普段はない不思議な鏡がこの時だけあった。
鏡のデザインは正直うろ覚えだけど、これも踊り場と合わせてつくろう。
(夏夜ちゃんが鏡の前で、僕はその前に向かい合わせで立ってて……)
自分と夏夜の人形は、大きさも髪も服も、うりふたつにした。
(そういえば……、このころは、僕はまだ夏夜ちゃんのこと、怖がってたんだっけ)
今となっては懐かしく、月日を感じさせる記憶に自然とほほ笑みが浮かぶ。
あれからもいろいろあった。今はもう全然怖くない、僕の大事な大事な片割れ。
(ねえ、夏夜ちゃん。あのときは雪も雨も降ってなかったけど、通常のスノードームと同じようにラメを入れるよ。いいよね?
このラメは、雪でも雨でもないんだ)
「僕らの周りでキラキラ光るこの輝きは……きっと、希望の欠片だから」
夏朝は心の底からそう信じることができた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
寺岡志乃
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年12月09日
参加申し込みの期限
2015年12月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年12月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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