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思い出のスノードームをつくろう
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市橋 誉
の将来の夢はジャズピアニストだ。いつか大好きなジャズを極め、世界に通用するピアニストになりたい。そして、自分の喫茶店を持つこと。
ジャズとおいしい料理とデザート。それが俺の好きなもの。
俺の好きな音楽と料理で、人に笑顔の魔法をかける、魔法使いになりたい。
まだだれにも言ったことはないけれど。
「世界に1つだけ、自分だけのスノードームか……すてきだな」
スノードームに詰まっているのは人々の夢と祈りだと言ったのはだれだったか。
だからかもしれない。
この教室のチラシを目にしたとき、それを形にしてみたいと、誉は初めて思ったのだった。
教室では講師の密架という女性から、スノードームの簡単なつくり方の説明を受けた。詳しい方法はイラスト付きで載っているプリントを配付された。
「分からないことがあったり、質問ができたときは、遠慮なくわたしか一番後ろにいる中山に訊いてください」
「おいコラ! 何ひとに話振ってんだよ!」
即座に言い返す声が飛んできて、だれが中山か、あらためて訊く必要はなかった。短い髪を真っ赤に染めた、目つきの悪い男だ。
(なんか短気っぽいな……機嫌が悪そうだ、近寄らない方がいいか)
まあ、特に訊くようなこともなさそうだし、と結論づけて、誉は材料を取りに席を立った。
誉が選んだのは黒いグランドピアノ。そしてイスにかけた燕尾服の男性の人形を2つ。
1体は誉、もう1体は彼の血のつながらない兄だ。2体の人形をピアノの前に並んで座らせると、思っていたとおり連弾をする2人に見えた。あの夏の日に開催されたネコミュージックフェスティバルの、自分と兄のように。
誉の胸に、あの日ふたりで奏でたG線上のアリアが流れる。まぶたに焼きついた、あのときの兄の姿は決して消えない。そして高揚感に包まれると同時に全身に満ちあふれた幸福感が、今も自分のなかに息づいている。
忘れられない、今年一番の幸せなひと時だった。
そう思いながら台座に接着していて、ふと気づいた。
音をどうやって表現しよう?
密架の姿を求めて部屋を見渡すと、なぜか彼女の姿がなかった。店に接客に下りているのか……ともかく、質問するとしたら今は中山というあの機嫌の悪そうな男しかいない。
密架が帰ってくるのを待つか迷ったとき。誉の目に、彼の前に並んだいくつものスノードームが飛び込んできた。
繊細できれいな、かわいいスノードームたち。
(あいつがつくったのか?)
そのことに興味をひかれて、誉は彼の元へ近づいた。
「あの……、俺、市橋 誉といいます」
となりに立って声をかけられ、喬は目を上げて誉を見る。
「チッ、密架のヤツ、また姿くらましやがったな……」はーっと面倒くさそうにため息をついた。「で、訊きたいことは何だ?」
「あ、えっと」
トゲトゲしく、愛想のない口調に話しづらさを感じつつも、誉は音の表現に困っていることを告げた。
「音、か……」喬はふむりと考え込む。「音楽系の箔があるからそれをグリッターと一緒に散らしたらいいかもな。水のりの量を調整すれば、音が空から降って、舞ってるように表現できる」
「なるほど。音符や五線譜の形の箔を入れたらいいんですね。
それと、ついでに……スイーツの要素を入れたいんですが、どうしたらいいと思います?」
「スイーツ? 音楽に混ぜんのか?」
この質問に、喬は本気で驚いたようだった。誉は少し、居心地悪そうに体を揺らして言う。
「いっそ、音符や五線譜を、スイーツでつくるというのも……メルヘンで可愛いものにできそうですよね」
「……そのピアノのやつ、持ってこい」
「え?」
意味が分からないながらも言われるままに持ってくると、喬は足元の道具や材料が雑多に入った箱から取り出した何かに着色して5本の棒状にすると、丸がいくつも空いた金属のスケールで最小の穴に通して円径を統一していた。
「何です? それ」
「樹脂粘土だ。弾力があるから細くても折れにくい。これはその透けるタイプ。乾燥後に透明感が出る」
答えながらも喬は誉が持ってきたピアノの大きさと比較し、5本のそれで波打って広がっていく五線譜に形づくる。
「これに、おまえの好みでスイーツの形した音符でも休符でもつくって貼りつけろ。5本がくっつくようにな。色はアクリルがあるからそれを少量混ぜ込めばいい」
ポイっと投げられた樹脂粘土とアクリル絵の具のセットを反射的受け取って、誉は喬を見た。
「ありがとうございます」
真正面から礼を言われて、喬は何か考えあぐねているかのように少し視線をさまよわせたあと、チッと舌打ちをすると、やおら箱に手を突っ込み、白いピルケースを取り出してそれもテーブルに並べた。
「コート剤。さらに透明度が増すからこれも塗っとけ」
そして急に席を立つと「トイレ」と言って、そのまま教室から出て行ってしまった。
「……照れ屋なのかな?」
喬の消えたドアに、くすりと笑う。
最初、近寄らない方がいいと思ったのが嘘みたいに、彼を警戒する気持ちはきれいに消えてなくなっていた。どころか、ぶっきらぼうながらも面倒見のいい、やさしい男なんだな、と思う。
それから誉は喬のとなりの席に腰を下ろして、彼がつくってくれた五線譜の台に、スイーツの音符を使ってG線上のアリアの一小節を表現したのだった。
乾燥したあと、五線譜はピアノにくっつけられた。宙に流れ出す透明な音のように、誉には見えた。
スノードームを軽く振ると、周囲を箔でつくった音符がゆっくりと舞う。キラキラと光を反射するその姿を見て、誉はぐっとのどを詰まらせる。
「……ああ。本当に、空から降る音楽が俺たちを包んでいるようだ」
まるで、俺たちを祝福するかのように……。
兄にも見てほしい。あとで写メを送ろう、と誉は思った。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
寺岡志乃
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年12月09日
参加申し込みの期限
2015年12月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年12月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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