this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
思い出のスノードームをつくろう
<< もどる
1
…
2
3
4
5
6
…
11
つぎへ >>
『思い出のスノードーム、ですか』
「ええ。スノードームは「スノー」ってつくだけあって雪の物が多いけれど、だからといって夏のスノードームがないわけじゃないの。タコやサーファーが泳いでいる夏の海なんかもあるわ。紅葉した木々の秋のスノードームも」
だから冬にこだわらなくてもいいのよ、と講師の密架という女性はにっこり笑った。
(密架さんはああおっしゃってくださいましたけれど、でもやはり、せっかくならクリスマスらしいものにしたいですね)
クリスマス。その言葉で
浅山 小淋
が思い出したのは、去年の出来事だった。
去年の今ごろ、寝子島ではとあるおまじないをすれば二度と会えない人と夢で会えるという噂が飛び交った。小淋はそれを信じて、おまじないを行った。そして本当に、懐かしくて愛しくて、思い出すたびに心が切り刻まれるほどに悲しい思い出の友人と会うことがかなったのだ。
夢のなかで。
あれから1年近くを経ても、まだあのとき感じた思いは色あせず、こうして小淋の胸を締めつける……。
「どうした小淋、気分でも悪いのか? 大丈夫か?」
浮かない顔で俯いたまま、動かなくなった小淋に気がついて、となりの
霧生 深雪
が声をかけた。肩に乗った手のあたたかさにはたと我に返り、小淋はあわてて深雪の方を向き、首を振って見せると筆談ボードを引き寄せた。
『いいえ、なんでもないんです。先輩にご心配いただくほどでは、全然……』
「心配するに決まってるじゃねぇか、当然だろ? ここに小淋を誘ったのは俺なんだからよ。
具合悪いなら、今先生を呼んで――」
密架を呼んで来ようと席を立とうとした深雪のひじを取り、小淋はあわてて引き戻した。
『いえっ! 本当に大丈夫なのですっ』
「小淋?」
『本当に……なんでも……』
怪訝そうに見てくる深雪の視線を痛いほど感じて、無意識に逃げるように小淋は身を縮める。
膝の上で握り締められた両手。
「何があった」
その様子に深雪も察したようだった。先までとがらりと調子が変わってひそめられた声には、ごまかしを許さない意思が込められている。
面を上げ、深雪と目を合わせた小淋はぽつぽつと、夢のなかの出来事と、中学生のころクリスマスの日に彼女が自死を選んだことを伝えた。
「そうか、クリスマスにそんなことが……」
かすかに震えた文字。そこから、文字になっていない小淋の感情を読み取ろうとするかのように、深雪は見つめる。
『昔のことです……騒ぎにはしたくありません……』
この教室には見知った者も何人か来ている。それと悟ってもらえるように、小淋は視線を左右に泳がせた。そして
『もう過去のことですから』
割り切っていると受け取ってもらえるように、わざと力強く書いたあと。
『先輩に聞いてもらって、大分落ち着きました。ありがとうございます。
さあ、続きに戻りましょう。スノードーム、つくらなくちゃ』
と、有無を言わさない勢いでテーブルに向き直り、そこにある材料へと手を伸ばした。
指先が冷たくて、震えているのが分かる。ピンセットを落としてしまいそうだ。
(駄目です、こんなんじゃ、先輩に心配かけてしまいます……)
ぎゅっと指の力を強めたそのとき。頭の上に、深雪の手がかざされた気配がした。あたたかくて大きな手が、ぽんぽんと軽く頭に触れていく。
「ん。分かった」
それだけを言って、深雪も自分のスノードーム製作に戻っていった。
慰めを口にするわけでもなく、同情の視線を向けるでなく。深雪の見せる、何もなかったようなその態度に、小淋はほっとすると同時に一抹の寂しさのようなものを感じながらスノードームをつくる作業に戻る。先に宣言した言葉ではないが、本当に気持ちは落ち着いて、不思議と手の震えはほとんど止まっていた。
一方、深雪の方はといえば、物分かりのいい態度をとったが本心では違う。
(いつも着けているあのリボンに、そんな話があったとは)
驚かなかったわけじゃないが、小淋がもう決着のついていることだと言うのなら、俺から何か言うことはない。
だけど……本当か? 決着はついていても、まだ乗り越えられてないんじゃないのか?
だとしたら、何か俺にも小淋の力になれることはあるんじゃないか?
俺にできることは何だ?
スノードームをつくる手をせっせと動かしながら、深雪は頭ではそのことについて悩み続けていた。
「小淋、これ、もらってくれるか?」
教室からの帰り道。深雪は行き交う人の目につかない路地に小淋を誘導して、さっきつくったばかりのスノードームが入った箱を差し出した。
中身は小淋も知っている。となりに座っていたから。
白雪姫と王子さまが一緒に楽しそうにピアノの演奏をしているそれは、ハロウィンでの自分たちのように見えた。――違っていると恥ずかしいし、自意識過剰な気がしたから、言わなかったけれど。
しかし深雪の次の言葉が、それが間違っていないと教えてくれた。
「これ、小淋と一緒に連弾したハロウィンをイメージして作ったんだ。すっげー楽しかったから」
『私も……! 私も、すっごく楽しかったです!』
あたふたペンを取り出した小淋は、スケッチブックに急いで書いた。
「うん。思い出っていうとあのときのことが真っ先に浮かんで、あの時間がよみがえったみたいにワクワクしてきて、つくろうって思った。小淋のおかげだ。
これ、小淋にもらってほしいんだ」
小淋は驚きの表情でそれを受け取ると、大急ぎ鞄から自分のスノードームの入った箱を取り出した。
『私も……もらってください』
あいにく手がふさがっていて文字に書けなかったが、両手で持ち上げて差し出すその動作で意は伝わった。
「俺に?」
それは、発砲スチロールを染色してつくった学校の屋上とピアノだった。
「へえ。小淋もピアノを入れてたんだな」
なんか通じあってるみたいで嬉しい、なんて思ってしまい、深雪は照れて後頭部をさする。
ありがたく受け取って、大切に鞄にしまい込み。
「なあ、小淋」
深雪はおもむろに切り出した。
あらたまった声の調子に、小淋も顔を上げて深雪を見る。
「俺、あれから考えたんだけど。せっかくのクリスマスが悲しい思い出しかないんじゃ、やっぱ駄目だ。
だからさ、よかったらクリスマス……俺とデートしないか?」
(――えっ……?)
「一緒に楽しい思い出作ろうぜ」
いつになく真剣な表情で言う深雪の姿に、小淋は思う。
今年のクリスマスは、あのころよりもすてきな日になるのだろうか……。
深雪となら、あるいは。
そう信じられて。
胸に手をあてて、小さくうなずいた。
(……ああ。この小さなドキドキは、一体何なのでしょう……)
クリスマスへの期待? それとも……。
きっと、真っ赤になっているに違いない。ほおが熱くて、なかなか顔が上げられなかった。
部屋でひとりになってこのときのことを思い出したとき、深雪は、あれは遠回しの告白になるんだろうか? と首をひねった。
いや、あれはそんなもんじゃない。小淋も絶対そんなふうには受け取ってないはずだ。
やっぱり、本番はクリスマスだろう。
「一発気合い入れねぇとな」
深雪は右手の拳を左手の手のひらにぱしんと打ちつけた。
<< もどる
1
…
2
3
4
5
6
…
11
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
思い出のスノードームをつくろう
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
寺岡志乃
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年12月09日
参加申し込みの期限
2015年12月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年12月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!