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思い出のスノードームをつくろう
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「そこにいるの、もしかして中山くんじゃない?」
自分の席へ戻る途中、そんなふうに名を呼ばれて、喬はそちらを見た。
クラスメイトの
早坂 恩
が席を立ち、こちらへやってくるのが見える。学校に興味がなく、クラスメイトもろくに覚えていない喬だったが、恩は記憶している数少ないクラスメイトのひとりだ。なにしろ恩は、口調がこのとおりおねぇだから。
かといって、今まで口をきいたことはない。無言で睨みつける喬に――本人に睨んでいる自覚はない――、しかし恩が臆することはなかった。
「こんなとこで会うなんて奇遇ねぇ。雑貨屋さんでスノードームづくりがあるって聞いて、参加してみようかしらって思って来てみたら、中山くんがいるんだもの。びっくりしちゃったわ。
これ、全部中山くんがつくったの?」
テーブルの上に並んだたくさんの完成品とつくりかけのスノードームを見て、恩が訊く。
「そうだ」
「へー、すごいのねえ。
これは何? この小さなヤツ」
指先でチョンとつっついたのは、半円形をした小さな透明のドームだった。大きさは3センチくらいだ。
「これもスノードームなの?」
「……ペンダントトップ用のスノードームだ。レジンでつくる」
不思議そうに見ている恩の前、喬はそれをひっくり返すとなかに液体を入れてグリッターラメを入れると、ブリオンやカボション、切り抜いたチャームの一部などをくっつけた台座を嵌め、完成させた。
「まぁかわいい! ちゃんと振れば水が揺れてラメが踊るのね。本当にスノードームだわ」
指でつまんだそれを振ってはしゃぐ。喬は黙々と値札シールを取り出して値段を書き込み、ペンダントトップに貼りつけた。
「あら、売り物なのね。
もしかして中山くん、このお店の店員?」
「バイトだ。雑用の」
「腕のいい作家さんでもあるのよね」
いつの間にか横に来ていた密架が話に加わった。
「密架」
「あなた早坂くんだったわね? 喬のクラスメイトだったのね。じゃあ早坂くんは、喬にお願いしようかしら」
「なんだと?」
「早坂くんが良かったらだけど」
「ぜひお願いしたいです」
「――おい、話聞けよ」
「ということだから、早坂くんをよろしくね、喬。きちんと完成まで面倒を見てあげるのよ」
「だから話を聞けと言ってるだろーが! おれは人に教えることなんか――」
しかし密架は喬の言葉に一切耳を貸すつもりはないらしく、「じゃあ早坂くん、がんばって」と言うとさっさとほかの生徒たちの方へ行ってしまった。
「……くそ。密架のヤロウ……」
「中山くん。初めてつくるから、優しく教えてね?」
愛嬌を振り撒き、ウインクを飛ばしてくる恩を見上げ――喬はガックリ肩を落とした。
「やるとなったら徹底的にやるぞ。
で、おまえは何がつくりたいんだ?」
「そうねぇ」
唇に人差し指を添え、恩が話したのは寝子祭でのアーチづくりでの出来事だった。後輩の女の子に教えてほしいと頼まれて、一緒にハート型の飾りをつくった。
「イメージは……そうね、いくつかのハートで柱っていうか、オブジェみたいなものがあるやつかしら。それをふたりで見てたら……なんて思ってるんだけど。いきなり人型は難しいわよね。
だから、代わりにこのお人形とか置けないかしら、って……」
恩が鞄から取り出したのは、犬のパピヨンとひよこの置物だった。
「どう? これを一緒に入れられるかしら?」
テーブルに置かれたそれを見て、喬はおもむろに下に下ろしてあった材料と道具の入った箱に手を突っ込む。
「けど、人間がベストなんだろ?」
「そりゃあ……」
「思い出って言うからには、男はおまえか。写真があったらいいんだが……まあ、学祭なら制服でいいか。
で、相手の女の特徴は?」
言いながら、オーブン粘土の入った袋をテーブルに置いた。それを見て、恩はもしかして、と思う。
「もしかして、中山くん、つくってくれるの?」
「あ? 自分でつくりたいか?」
制服の色のアクリルカラーを取り出していた手を止めて訊く。
「いえっ、……ううん、つくってくれたら、うれしいわ」
自分のために他人が何かをしようとしてくれる、それがどれほどありがたいことなのか、恩は知っていた。
「そうか。だが言っとくが、おれが全部やるわけじゃないからな。そのハートの柱のオブジェとかってやつは自分でつくれ。
アクリルはよく練って混ぜ込め。一応ニスは塗るが、長持ちさせるコツだ。あと、小さめにつくれよ。ぶかぶかに思えるかもしれねーが、出来上がりゃあかぶせたガラスと水の効果で中に入れた物は大きく見える。――聞いてんのか?」
「ええ、聞いてるわ、ちゃんとね」
話している間じゅう笑っている恩に、喬は怪訝そうに眉をひそめる。
喬が何を思っているか、分かる気がしたけれど、恩はどうしてもくすくす笑いを止めることができなかった。とても楽しくて。
それからは、ふたりで向かい合わせに座って、スノードームに入れる中身をつくっていった。喬はそのときのふたりの特徴から立ち位置、ポーズを訊いて、オーブン粘土でつくっていく。恩は、あのときのことを話せるのが楽しくて。そして話すことが増えるたび、あの日思ったことや感じたことが鮮明に胸によみがえってきて。それが懐かしく、うれしかった。
オーブンで焼いて、ニスを厚く塗り、ドームの台座に貼りつける。あとはカバーをかぶせて液体を注入するだけだ。
「そういえばドームのなかで舞わせるキラキラのって、ハート型ってあるかしら? その方が可愛らしいかしらって思ったんだけど……」
「箔を使え。自分で切り抜いてもいいが、市販の方が形が揃って多色だから、そっちの方が無難だろうな。
箔を入れるんならちょっと水のりの粘度を高めにしとけよ」
「あらどうして?」
「重いから。粘度を上げりゃ、ゆっくり落ちる」
なるほど、と思って、水に混ぜる水のりの量を心持ち多めにした。かき混ぜて具合を見、それを底の穴から少しずつ注入していく。
「こういうふうに形に残るのって良いわね。きっと、ずっと大切にしたい宝物になるわ」
出来上がったスノードームを振り、ふたりを模した人形の周囲に舞い落ちるたくさんの色つきハートを見て、恩はうれしそうにほほ笑んだ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
寺岡志乃
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年12月09日
参加申し込みの期限
2015年12月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年12月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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