みんなショタったらいいじゃない（例外もあるけど）｜リアクション

みんなショタったらいいじゃない（例外もあるけど）

＊　＊　＊　＊　＊

「……あれ？」
　原っぱで本を読んでいたような気がした倉前七瀬は、元の場所に戻っていた。
（転寝でも、しとったんでしょうか？　それにしても、いい夢でした）
　ふわっ、と１つあくびをすると、本を閉ざす七瀬。近くにあった時計を見れば、夕方である。そろそろ帰ろう、と七瀬は本を鞄に仕舞い始めた。

　その頃、深縹露草は自室で我に帰った。今までの事は、夢だったのだろうか？　だが、確かに自分はフォアグラやキャビア、トリュフといった高級食材を食べたのだ。
（し、支払いはしなくてよかったのでショウカ……）
　内心ガタガタ震えると、一枚の紙がちゃぶ台の上に置かれていた。そこには、スーパーマーケットで使えるお得なクーポンが置かれていた。
「……？」
　不思議に思いながらも、買い物に活用しようと思う露草だった。

　また、セルゲイ・ボスコフは我に帰った後、何気なく星ヶ丘にあるホースクラブへとやってきていた。愛らしい馬達の様子を眺めながら、僅かに微笑む。
（なんだか、不思議な夢をみたな……。でも、楽しかった）
　彼はポニーや友達と遊んだ事を思い出し、おもわずくすくす笑ってしまう。と、子馬が不思議そうにセルゲイを見つめていた。
「ううん、なんでもないヨ」
　そういいながら「いいこだネ」と子馬を撫でる。と、何処からとも無く夢であった友達が顔を見せるのではないか、と思ってしまうのだった。

　そして……酒浸朱蘭は、よっぱらっている間何をしたのか全て憶えており、申し訳ない気持ちになって浅葱あやめに謝罪していた。
「本当にごめんっ！　ごめんなさいっ！」
「あ、あぁ……、大丈夫、です。今度から……気をつけてください」
　元々気弱なあやめは朱蘭をしっかり叱れない。それに、子どもに戻ってしまったのは、彼女が原因というわけではないのだから。
　おろおろしてしまうあやめに対し、朱蘭はぐっ、と拳を握り締める。迷惑をかけてしまったからには、何かお詫びをしなくてはならない。ならば……！
「お詫びといっちゃなんだけど、宴会をしようぜ！」
「そ、それは……」
　それが逆効果な提案だと気付かない朱蘭は、あやめに喜んでもらいたくて色々提案する。そんな姿が微笑ましく思うあやめなのであった。

　――星ヶ丘寮・某ラウンジ。

（なんだか、素敵な空間だったな……）
　ロベルト・エメリヤノフはうっとりとした表情でため息をつく。目の前では、同じ寮の龍目豪がコーヒーを飲みながら苦笑していた。
「ロベルト、なんかすっごく嬉しそうだな」
「うんっ。サンタポストに入れたお願いが叶ったからねっ」
　豪の言葉に、ロベルトが満面の笑みで答える。
「……アレ、お前の『お願い』だったのか……」
　なるほど、と腑に落ちた豪ではあったが、同時にくすぐったい何かを覚え……あれはあれで楽しい夢だったな、と思った。
「あぁ、本当に素敵だったよ。可愛い天使達の楽園だった……」
　夢見心地といった表情で体験した事を語ろうとするロベルト。だが、そこに声をかける物がいた。
「あ、あの時の赤毛の？！」
　２人と同じ星ヶ丘寮生の獅子目悠月である。彼は見覚えのあるロベルトを見、なんとなく声をかけたくなった。それはロベルトも同じで……。
「君は、ピアノを弾いてくれた子だねっ！」
「そうだけど？　なぁんだ、同じ寮の人だったんだー」
　豪はどこか強気な印象を持つ悠月がどことなく子どもっぽい笑顔を向けたのを見、ちょっとだけ和む。そして……あのとき、ショタっ子に対してドキドキしたんじゃないんだよな？　なんて思うのだった。

（終）

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あとがき

担当マスター：菊華伴
ファンレターはマスターページから！

菊華です。
今回は『みなショタ』に参加してくださりありがとうございました。
……例外なんていなかったんやっ！

まず、ロベルト・エメリヤノフさん及び神嶋征一郎さん、ガイドに登場してくださりありがとうございます。

みなさんのアクションが面白く、化学反応的にああなりました。
ほのぼのとした空気を感じてもらえたら幸いです。まぁ、一部カオスっぽくなっておりますけど。

ちなみに。
今回は皆様にちょっとした贈り物をさせていただきます。

共通称号：ショタな夢でちょっと冒険？

それではこのあたりで。また縁がありましたらよろしくお願いします。

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