ラン・ラン・ラン！　｜リアクション

ラン・ラン・ラン！　

　寧々子さん、お待ちなさい！
　
　寧々子はどこまでも逃走する。
　どうにも話が分からない。
　いつの間にか、桜台墓地に入り込んでいた。

（霊的な話は苦手なのに……）

　なるべくあたりを見ないようにと、目を細める寧々子。
　その視界に、異様な化け物の姿が飛び込んでくる。

　化け物？
　カボチャ頭？
　ハロウィンは終わったはずなのに！

「ドウシテ年中ハロウィンじゃねーデスカ！」

　叫びつつキュルビスは、追いかけてくる警察にカボチャを投げつける。
　キュルビスのろっこん『カボチャ召喚』で、カボチャは無尽蔵に出てくる。
　なぎ倒された警察に、寧々子が旅行鞄のスイングでダメ押しをする。

　木の上に潜んでいたキュルビスの、見事な奇襲である。
　息を吐く寧々子に、キュルビスが近づく。

　――同じように追われる身。共闘するのもありだろう。

　寧々子はキュルビスに応じる。
　カボチャ頭で、変わっているけど、根はいい人なのかもしれない。

（クックック……引っかかったデース！)

　ほくそ笑む。
（イイ人っぽいデース。共闘するとミセかけ、利用してやるデス……）
　小悪党キュルビス、卑劣な作戦を練っていた。

「――って、ギャー！　いっぱい追いかけてきたデスよー！」

　互いに腹にあるものは知らぬ、寧々子とキュルビス、共に走り去る。