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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
熊の霍乱？！ 風邪にご用心！
「えーっと、こっちにお願いしますっ！」
雅人は臨時保健室へふらふらになってやってきた時子から尚輝を受け取ると、近くにあった簡易ベッドに横たわらせる。そして、毛布をかけてやった。
「隣が空いてるから休んで！」
「大丈夫です。尚輝先生の……看病がありますから……」
時子は雅人の言葉に首を振り、何か冷やすものは無いか、と問う。雅人は「ちょっとまってて」と言うと清潔なタオルを水で濡らして固く絞り、尚輝の額に置いた。時子が礼を言うと、雅人はにこっと笑うもすぐに心配そうに時子を見た。
「熱っぽいみたいだけど……大丈夫？」
「はい」
時子は普段どおりの柔らかな笑顔でそう答えた。
少し離れた所では夏夜に案内され簡易ベッドに珪を寝かせる。綾花は身体のだるさなどを隠し、溌剌とした笑顔を珪に見せた。そして濡らした清潔なタオルを彼の額に乗せ、タオルを巻いたアイス枕を頭の下に置く。
「辛いなら、寝ていて」
夏夜の言葉に「大丈夫」と首を振ると、綾花は何か必要な物は無いか、と問う。夏夜は可能ならば後からでも買出しに行くつもりだったのでそれを告げると綾花は考えた。
（（それならば、引き受けたほうがいいかも））
２人は同じ事を考え「「あのっ」」と同時に声をかけてしまう。
「栄養ドリンクがほしい、と先生が行っていたので、まとめて買ってきましょうか？」
「僕が行くよ。ちょっと考えている事があるんだ。君は先生の傍にいて」
夏夜はそう言ってしまった自分を内心不思議に思いながらその場を離れる。綾花はその背中を見送り、ぺこっ、と頭を下げた。ゆっくり身体を起こしていると、ここへ来る途中の事を何気なく思い出す。
（そういえば……中庭にテオがいましたね。助けに行ったほうがいいかもしれません）
綾花は珪に「すぐ戻ります」と言うと、臨時保健室を出て行った。
夏夜は、その背中を見送ると冷静に状況を判断すると猫鳴館、星ヶ丘、桜花の３寮にも風邪が流行っている事などを報告するのだった。
真央と林檎が保健室に来た頃には、夏夜が提案した３つ目の保健室にも生徒が入っていた。
（うへぇ……。クマセンの風邪でみんな大変な事になったのだ）
真央は慌しい保健室のなかを行き、熊吉の所へとやってきた。それに気付いた竜司がそれとなく声をかける。
「熊先生に用事か？」
「そうなのだ、竜ちゃん先輩。真央ちゃん、クマセンの末期の頼みを聞きにきたのだ。風邪引きが幼稚園に行くなんてホントは言語道断なのだ」
それを聞いて何となく彼女が何をしようとしているのか、竜司にはわかった。すると蛇那伊を呼ぶ。
「私達も、ちかちゃんのお迎えに……と思っていた所なのよね。先生なら今、意識がちょっとしっかりした気がするから、話すなら今じゃないかしら」
３人が熊吉に話しかけると、彼は少し済まなそうに身を起こそうとし、竜司に止められる。
「可能なら電話して、一筆も書いて欲しいのだ」
「まゆ先生には休んでもらったほうがいいかもしれないわね……」
真央の言葉に頷きながら、蛇那伊がちらりと寝台で毛布を身体に巻きつけるまゆの姿を見て呟く。まゆは「あたしが」と言いながら身を起こそうとし、近くにいた竜司が「先生は休んでいてください」と言って止める。
「話が聞こえたけど、ちかちゃんのお迎えに行くの？」
そう言って顔を出したのは、保健室で手伝いをしていた夏夜である。彼女はちらりと時計を見て言葉を続けた。
「行くなら、早く行かないといけないかもしれないよ。幼稚園の方で預かってもらえる時間にも限度があると思うんだ」
「幼稚園の……延長保育は確か、午後６時まで、だったな」
「まだ、１時間の余裕があるわ」
蛇那伊が時計を見ながら頷き、その間に熊吉は懐から携帯電話を取り出し幼稚園へと連絡を取る事に。ちかの迎えに行くのは真央、竜司、蛇那伊、夏夜の４人となった。
熊吉はどうにか頑張って起き上がり、一筆したためるとメンバーの中で唯一の２年生である竜司にそれを渡す。
「ちかを、頼む」
熊吉は、そう言って頭を下げた。
保健室が慌しい中、にゃーくんを部室にあった毛布でくるみ抱っこした円は、中庭に足を踏み入れていた。
「テオ、いる？ 返事できる？」
円が辺りを見渡していると、中庭の隅っこでうずくまっているテオの姿があった。彼女は手早く毛布を地面に下ろして広げ、テオを底に乗せるとにゃーくんと一緒に来るんであげた。
（暖房の効いてる教室とか……温かい場所に移動したほうがいいのかな？）
そう思いながらも、円は自然と子守唄を歌い、テオとにゃーくんに優しく微笑みながら抱きかかえた。
「円さん！」
急に声がし、顔を上げると綾花が走ってくる。彼女もテオを心配してここに来たのだろうか。円は頷いて彼女の方へ歩いていった。
雅人は臨時保健室へふらふらになってやってきた時子から尚輝を受け取ると、近くにあった簡易ベッドに横たわらせる。そして、毛布をかけてやった。
「隣が空いてるから休んで！」
「大丈夫です。尚輝先生の……看病がありますから……」
時子は雅人の言葉に首を振り、何か冷やすものは無いか、と問う。雅人は「ちょっとまってて」と言うと清潔なタオルを水で濡らして固く絞り、尚輝の額に置いた。時子が礼を言うと、雅人はにこっと笑うもすぐに心配そうに時子を見た。
「熱っぽいみたいだけど……大丈夫？」
「はい」
時子は普段どおりの柔らかな笑顔でそう答えた。
少し離れた所では夏夜に案内され簡易ベッドに珪を寝かせる。綾花は身体のだるさなどを隠し、溌剌とした笑顔を珪に見せた。そして濡らした清潔なタオルを彼の額に乗せ、タオルを巻いたアイス枕を頭の下に置く。
「辛いなら、寝ていて」
夏夜の言葉に「大丈夫」と首を振ると、綾花は何か必要な物は無いか、と問う。夏夜は可能ならば後からでも買出しに行くつもりだったのでそれを告げると綾花は考えた。
（（それならば、引き受けたほうがいいかも））
２人は同じ事を考え「「あのっ」」と同時に声をかけてしまう。
「栄養ドリンクがほしい、と先生が行っていたので、まとめて買ってきましょうか？」
「僕が行くよ。ちょっと考えている事があるんだ。君は先生の傍にいて」
夏夜はそう言ってしまった自分を内心不思議に思いながらその場を離れる。綾花はその背中を見送り、ぺこっ、と頭を下げた。ゆっくり身体を起こしていると、ここへ来る途中の事を何気なく思い出す。
（そういえば……中庭にテオがいましたね。助けに行ったほうがいいかもしれません）
綾花は珪に「すぐ戻ります」と言うと、臨時保健室を出て行った。
夏夜は、その背中を見送ると冷静に状況を判断すると猫鳴館、星ヶ丘、桜花の３寮にも風邪が流行っている事などを報告するのだった。
真央と林檎が保健室に来た頃には、夏夜が提案した３つ目の保健室にも生徒が入っていた。
（うへぇ……。クマセンの風邪でみんな大変な事になったのだ）
真央は慌しい保健室のなかを行き、熊吉の所へとやってきた。それに気付いた竜司がそれとなく声をかける。
「熊先生に用事か？」
「そうなのだ、竜ちゃん先輩。真央ちゃん、クマセンの末期の頼みを聞きにきたのだ。風邪引きが幼稚園に行くなんてホントは言語道断なのだ」
それを聞いて何となく彼女が何をしようとしているのか、竜司にはわかった。すると蛇那伊を呼ぶ。
「私達も、ちかちゃんのお迎えに……と思っていた所なのよね。先生なら今、意識がちょっとしっかりした気がするから、話すなら今じゃないかしら」
３人が熊吉に話しかけると、彼は少し済まなそうに身を起こそうとし、竜司に止められる。
「可能なら電話して、一筆も書いて欲しいのだ」
「まゆ先生には休んでもらったほうがいいかもしれないわね……」
真央の言葉に頷きながら、蛇那伊がちらりと寝台で毛布を身体に巻きつけるまゆの姿を見て呟く。まゆは「あたしが」と言いながら身を起こそうとし、近くにいた竜司が「先生は休んでいてください」と言って止める。
「話が聞こえたけど、ちかちゃんのお迎えに行くの？」
そう言って顔を出したのは、保健室で手伝いをしていた夏夜である。彼女はちらりと時計を見て言葉を続けた。
「行くなら、早く行かないといけないかもしれないよ。幼稚園の方で預かってもらえる時間にも限度があると思うんだ」
「幼稚園の……延長保育は確か、午後６時まで、だったな」
「まだ、１時間の余裕があるわ」
蛇那伊が時計を見ながら頷き、その間に熊吉は懐から携帯電話を取り出し幼稚園へと連絡を取る事に。ちかの迎えに行くのは真央、竜司、蛇那伊、夏夜の４人となった。
熊吉はどうにか頑張って起き上がり、一筆したためるとメンバーの中で唯一の２年生である竜司にそれを渡す。
「ちかを、頼む」
熊吉は、そう言って頭を下げた。
保健室が慌しい中、にゃーくんを部室にあった毛布でくるみ抱っこした円は、中庭に足を踏み入れていた。
「テオ、いる？ 返事できる？」
円が辺りを見渡していると、中庭の隅っこでうずくまっているテオの姿があった。彼女は手早く毛布を地面に下ろして広げ、テオを底に乗せるとにゃーくんと一緒に来るんであげた。
（暖房の効いてる教室とか……温かい場所に移動したほうがいいのかな？）
そう思いながらも、円は自然と子守唄を歌い、テオとにゃーくんに優しく微笑みながら抱きかかえた。
「円さん！」
急に声がし、顔を上げると綾花が走ってくる。彼女もテオを心配してここに来たのだろうか。円は頷いて彼女の方へ歩いていった。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2015年12月14日
- 参加申し込みの期限
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- 2015年12月21日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2015年12月21日 11時00分
