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悪徳は小粋な調べに乗せて
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【裏道】
「……真っ当に生きてきたつもりです。しかし、愚かだったのでしょうね……」
相手は名も知らぬサラリーマンだ。正直に生き、こつこつと積み重ねてきたのだろう小金は、表の住人である男には、それでも代えがたい財産だったのだろう。かの悪徳事業家が指先ひとつで動かすような額に比べればはした金に過ぎないが、その重さは計り知れない。
「それを、奴は……奪った!」
投資詐欺などあの男の数ある手管としては小口も良いところで、恐らくは組織の末端にぶら下がるチンピラが哀れな小市民をカモにしただけの話であろうが、その怒りの矛先が大元たる中沢に向くことは、至極真っ当な流れではあった。
「……話は分かった。その依頼、確かに承ったぜ」
「ほ、本当ですか!?」
「筋さえ通れば、報酬次第で何でもやってのけるのが私たちですからねー」
厄介ごとを好んで背負う酔狂な請負人、それが『
如月 庚
』と『
屋敷野 梢
』だ。裏ではそれなりに名の知れたコンビでもある。目の前の男のようなクライアントこそが、彼らにはふさわしい依頼人と言えた。
「それに、久しぶりのお仕事! そろそろ焼肉くらい食べたいですし」
「余計なこと言ってんじゃねぇ。とにかくあんたは俺たちに任せて、家帰って家族と晩飯でも食って、風呂入って寝てろ。朝までにゃ全部カタがついてる」
「あ、ありがとう……!」
ふたりの手をそれぞれに固く握りしめてから、よれたスーツの男は立ち去った。
「……じゃ、行くか。それにしても、中沢ね……どうしてこう金ってのは、悪いほうへ悪いほうへと流れていくもんかねぇ」
「おっ! そのセリフ、資本主義への反逆ってやつですかー?」
「違ぇよ、もっと単純なコトだ。こっちは毎日危ない橋渡りながらの自転車操業だってのに、何だって汚い連中ばかり儲かりやがる?」
「そーゆー世の中の不条理をどーにかするために、私たちがいるわけですけどね」
「分かってら」
それから数刻も後、ふたりの姿は郊外、件の邸宅の裏手にあった。
広大な敷地、広大な住居に、張り巡らされた監視網。常に巡回する武装警備員。聞きしに勝る厳重な警戒に、
「ふーむ、今回はなかなか、厄介そーなヤマですねー。どーします?」
「そうだな。ここは、プランAで行くとしようぜ」
「A? Bとかありましたっけ……ああ、なるほど」
長年続くコンビ、勝手知ったる相棒には、一言告げるのみで十分だ。
「「アドリブで」」
城山 水樹
には理由がある。目の前の男がやがて全てを失い、どことも知れぬ裏路地でのたれ死んだり、恨みつらみで凄惨な……詳しくは想像したくもないが……報復にさらされようと、塵ほどの罪悪感すら抱かずには済む程度の理由が。
「間違いはありません。今夜! 襲撃があると、そういう情報なのですよ。それは分かっているというのに……八咫さん! あなたは何を言うんです?」
ヒステリックにわめき散らす
中沢 リッカルド
の目の前で、悠々と腰かけた警備主任は涼しい顔をしている。しかし『
八咫 鏡
』が油断などしていないことを、城山は知っていた。
「……ご安心を、などとは言いませんよ。連中は手練れです、絶対というものは無い……もちろん我々とてプロ、いただいた金額分の仕事はするとお約束します。その上で、備えをしておくべきだと申し上げているんです」
「バカバカしい! わざわざ、私の財産を一部でもくれてやれと?」
「蜥蜴の尻尾ですよ。最悪の事態には、持って逃げるに重すぎる金はくれてやる。真に必要な財産をまとめておく必要が……」
「逃げる気など無い! あなたには全てを守っていただかなくては困る!」
譲るつもりなど見せない主に、八咫は深々と息を吐き、席を立つ。
「分かりました。使える手は全て使い、彼らをもてなしましょう。それでよろしいですね」
返事も待たずに八咫が退室したあたりが、城山の待つ頃合いであったろう。彼の背中へ回り、するりと胸元へしなやかな手を滑らせ、指でなぞりつつ、甘い吐息を耳へとかぶせる。
「……大丈夫よ、リッカルド。たかが泥棒じゃない、そんなに神経質になることは無いわ」
「ああ……水樹さん。あなたがそう言ってくれるからこそ、私は冷静でいられるのです」
そんな仕草や色気こそが、彼女の持つ唯一の武器と言って良かった。平凡かつ偶然の出会いを演じ、中沢の愛人として邸宅へ出入りする権利を彼女が手に入れることができたのは、それが故だ。
「ええ、私がいるわ。だから、落ち着いて? いつもの素敵なあなたでいて……」
「そうだよ~ボス、はいっコーヒー! これでも飲んで、落ち着きなよ」
『
ユーリ・ロッソ・ネーモ
』が差し出したのは、何の変哲もないカップだ。まだ16かそこらの少年は中沢がどこかから連れてきたもので、警備員兼小間使いとして邸宅に部屋を与えられており、中沢も彼の手渡すコーヒーには無警戒であったろう。
礼を言うでもなく受け取り、口をつけかけたところで、
「……待ちなよ」
ぞわりと、下がったのは室温ではなく、きっと体温だ。見る者に肌の粟立つ寒気をもたらす、『
矢萩 咲
』の瞳が彼を見据え……この中に果たして、彼女が突き付けた日本刀を抜き放つ瞬間を見つけた者があったろうか。
「それ、本当にただのコーヒーかなァ? 誰かがさ、リッカルドさんを陥れようとして、例えば……睡眠薬とか。入れてないとは、限らないよねェ?」
「ええっ? そんなぁ、おれはただボスに落ち着いてもらおうって……」
一瞬。ぱっくりとふたつに割れたカップの中には、濃いブラウンの液体がしばし形を留めていたほどの、怜悧な閃き。
やがてカップは地に落ちて二度鈍い音を奏で、ネーモは泡を食ったように部屋から駆け出し、矢萩は何事も無かったかのように、ぱちりと刀を鞘へと納めた。
「危害は加えさせないよ、あなたが僕のパトロンでいてくれてる間はね。いつもつい、こう……衝動でね、やらかしてしまうからさァ。あなたが尻拭いをしてくれるおかげで、僕も毎日が楽しいよ」
「……ふふ。ははは! そういう正直なあなただからこそ、信用できる。ねえ、水樹さん。あなたもそう思うでしょう?」
幾度その手が全身を這い回ろうと、馴れ馴れしく肩を抱かれ耳元でささやかれるたび、おぞましい感覚が肌を走らないことはない。
「……ええ……そうね。私も、そう思うわ……」
父の仇に触れられるのは、慣れないものだ。
「……宇崎さん。全警備員に通達を。警戒を厳重に、巡回は二倍に増やしなさい」
「どーしたんだ八咫さん、トラブルかよ?」
コントロールルームに通信を繋ぐと、『
宇崎 宙太郎
』の眠そうな声が届く。八咫はそれを咎めるでもなく、
「屋上と二階に人を集めて、敷地内へ射線を確保。機器を過剰に信用しないように、内部からの陽動も考えられます……異変があれば、すぐさま地下へ向かうように。必ず二人以上での行動を心掛けなさい。とね」
「なんだなんだ、大事じゃねーか。了解したぜ」
通信を切り、八咫は事に確実を期すため、邸宅を出る。やっておかなければならないことが、いくつもあった。
「言うことを聞かず扱いにくい主に、恐らくは内通者に……ま、想定内です。私は私なりのやり方で、備えさせていただきますよ」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
コメディ
推理・サスペンス
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年11月11日
参加申し込みの期限
2015年11月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年11月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
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