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こどものころのおはなし
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3 野鳥を見に行って
八神 修
は、今日も『TABE=TYA=DAME』に宿題をしに訪れていた。1人ではなく、友人の
椿 美咲紀
も一緒だ。テーブルには、ヨウムの『メガネ』が乗っていた。
「美咲紀、この子が話してたメガネだよ」
このカフェに初めて来る美咲紀に、修はメガネを紹介する。
「コンニチハ!」
「こんにちはです。メガネちゃんですか、可愛いですねぇ」
「アリガトウ!」
美咲紀が顔を近づけると、メガネも首を伸ばしてくる。鳥独特の匂いが香ってきた。ネットの動画で見たことはあるが本物を見るのは初めてで、美咲紀は新鮮な気分になる。
「喋った言葉を返すだけじゃないんですかぁ」
だから、会話が成立することに彼女は超感心した。オウムの親戚なのかな、程度の認識だっただけに尚更だ。
「インコは体が大きい種類ほどよく喋るんですよ~。ヨウムは特によく喋ります~」
風羽が注文の品を持ってテーブルに来る。「お待たせしました~」と、修の前にノンカフェインのブラックコーヒーを、美咲紀の前に湯気上るココアを置く。
「甘めがいいということで、お砂糖を追加しておきました~」
「ありがとうございますー」
美咲紀はココアを一口飲む。それを、修は少し驚いたような顔で見ていた。
「ここのココアは結構甘めなんだけど、甘すぎないか?」
「このくらいがちょうどいいです。勉強には糖分が必要なのです」
カップを置いて、美咲紀はドヤ顔で言う。それから、メガネにひまわりの種をあげていた風羽に訊ねかけた。
「小鳥遊さん、この子と一緒にスマフォで記念撮影してもいいですかぁ?」
「はい、どうぞ~。フラッシュを使わなければ大丈夫ですよ~」
美咲紀が腕に乗せると、メガネは彼女の肩までがしがしと上った。最初は背中側に顔があったのだが、風羽がちょん、と尻尾を触るとくるりと向きを変える。美咲紀はうまくピントを合わせて写真を撮った。
「俺も撮ろうかな」
修も自分の電話を出して何枚かメガネの写真を撮る。そこで、店内に放していたセキセイインコが気まぐれにテーブルに着地した。開いていたノートをかじろうとするのを阻止し、そのインコもカメラに収める。落ち着きなくよく動くので少々難しかったが、なんとか何枚か写真が撮れた。
いつの間にか、修と美咲紀はインコと遊ぶのに夢中になっていた。
宿題は進まなかったが、たまにはこんな時間を過ごすのもいいだろう。
「鳥さん達に囲まれていると、思い出しますですね」
電話を仕舞った美咲紀が、店内を見回しながら言う。
「ん? 何をだ?」
「覚えてますか? 中1の冬休みです」
「……ああ、もちろん覚えてるよ」
修の表情がふっと緩む。
「信州へ、野鳥観察ツアーに行きましたですよね」
修の母方の家系との神道の繋がりから、2人には昔から親交があった。修は都内の私立、美咲紀は他県、とかなり離れた学校に通っていても、関係が消えることはなかった。
久しぶりに直接会ってゆっくりしよう。
お互いの家同士で計画を立て、慌ただしく帰らなくてもいい大型連休を選んだ。ちょうど野鳥観察ツアーをやっていて、そこに参加することにして。
∞
ツアーは、山奥のひっそりとしたペンションで鳥達をじっくり観察できます、というものだった。
「雪です雪です! 真っ白ですよー!」
だが、美咲紀は野鳥よりも沢山の雪に大興奮していた。諏訪湖の畔で、ブーツを雪に埋めた彼女の瞳は輝いていた。
彼女の地元にも雪は降るが、信州ほどがっつりとは降らない。雪かきもしたことは無かった。雪を見慣れていない彼女が、テンションを上げるのも無理からぬことだろう。
遠くの方で、何羽かのスズメが雪をつんつんとつついている。寒いのか、ぷわっとまんまるになったその姿がまた可愛くて、内心で更に大興奮する。
(か、可愛いーーーーーーー!!)
その興奮は心に秘めたつもりだったのだけど。
∞
「秘められてなかったな」
思い出話の最中、メガネを肩に乗せてコーヒーを飲みながら修は証言する。
「そうなのですか? 隠していたつもりだったんですけど……」
美咲紀は少し、唇を尖らせた。それからすぐに、笑顔になった。
「淡々としてたじゃないですか。あの時はシュー君、取ってつけたような表情多かったですねぇ」
∞
ぷわっぷわのスズメを見て、中学1年生の美咲紀は言った。
「寒そうですねえ」
鳥は厚着できないから、ああして羽を膨らませて体温を守るしかない。
「そうだね。でも、あの茶色い羽の下にある真っ白な羽毛が、寒さからスズメ達を守ってくれると思うよ」
それでも、寒いは寒いだろうけれど。
「私も寒いです」
ニットのカーディガンを着てきたものの、美咲紀は一度、身震いする。すると、修はダウンジャケットを脱いで、彼女に羽織らせた。
(俺にしては珍しい行動だな)
修がそう思っていると、美咲紀は、はわぁ、というように嬉しそうな目を彼に向けた。
「ありがとうございますー!」
∞
「ぬくぬくで嬉しかったですよ。シュー君は、あの時から紳士でした」
ココアを飲みつつ、美咲紀はほわわわん、という表情をする。
「色々な鳥が見れてとても楽しかったですよ」
「うん、あの湖にはコハクチョウやオオワシが来てたよな」
「白鳥は真っ白で、とてもきれいでしたねえ」
昼まではそうやって湖の畔で過ごし、午後から、2人はペンションのサンルームで過ごした。
∞
ツアーの間だけだろうが、サンルームの窓の外にある広めのベランダには、餌場が作られていた。2人は窓の前に立って、餌を啄みに来る鳥達を眺めていた。双眼鏡の要らない距離で警戒心を見せずにお腹を満たしている鳥達は、2人の目を楽しませる。
外は雪一色だったが、サンルームの中は太陽の光と暖炉のおかげで暖かかった。
修は難しい学術書を片手にコーヒーを飲みながら立っていた。来訪した鳥に我知らず笑顔になり、彼は鳥をつぶさに観察した。コーヒーを傍らのテーブルに置き、デジカメでハギマシコやシジュウカラ、アトリを撮影していく。
「八神くん、今日初めて笑いましたね」
美咲紀にそう言われて手が止まる。その通りだということに気付きながら、修は作り笑いを浮かべて否定した。
「そんなことはないよ」
そうして、苦笑まじりに続ける。
「椿さんは元気だな」
呆れて言ったのだが、美咲紀は彼の内心を知ってか知らずか、楽しそうな笑顔でそれを肯定した。
「はい! わくわくしてますから」
「椿さんは、感情をストレートに出すんだね」
「? 変ですか?」
「いや、おかしくない。とても可愛いよ」
ちょこんと首を傾げる美咲紀に、修はにこ、と笑う。陽が翳りはじめたサンルームの中、暖炉の明かりを受けた彼は、本心から笑顔を浮かべた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
沢樹一海
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年10月28日
参加申し込みの期限
2015年11月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年11月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
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