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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
クリスマスのあしおと
皆が作ってくれた試作品メニューの大体の方針が決まり、試食から余分に作っていたデザート類を改めてテーブルに鳴らしていると、ドアベルを鳴らす前に元気の良い運輸会社の声が聞こえてきた。
扉前でやり取りを終えて戻って来た康子と兄弟たちが抱えて戻って来たのは、割れ物注意が貼られた複数の段ボールとナイロンバッグだ。
「通販ですか？」
「康子さん何か買ったんすか？」
皆が周囲に集まると、康子はむふふっと笑って梱包を開く。
「じゃーん！ 見て見てっ、今年はパワーアップしたくて新調したのよ！」
中に入っていたのは、クリスマスツリーとオーナメントだった。ミルクホールの暗い色調の中でも目立つ、少し明るめの葉のスリムな外見で、ホワイトとブルーを中心にまとめた花やリボン、オーナメントボール、それにガーランドなどが詰め込まれている。
「組み立てたらリーセとレーナくらいの高さになるわよー」
家で飾るのとは違う大きさを聞いて、皆のテンションが上がり反応する声が高くなった。弦月と衿花、翠響たちがパッケージをキラキラ目を輝かせながら見ていると、背後から師呉がやや恐る恐る、中身を伺った。
「ツリーの飾りってこんななんだ」
密かに紅潮した頬を見て、レナートが微笑む。
「どんな風にしたら綺麗に見えるかなって、皆で話しながら飾り付けをするのが愉しみなんだよ。
もう少ししたら組み立てる予定だから、君も暇だったらおいで」
「ジョラヴリョフ先輩」
直治が後ろから声をかけてきて、レナートは「ん？」と振り返る。
「ツリーが店にあると、サンタさんはいつもこっちに？」
「去年はリビングのテーブルの上にあったかな。こんくらいのお菓子が入った長靴」
「やっぱり高校生になってもサンタさんはくるんだ！」
ぱあっと輝いた後輩の表情に、横から見ていた羽衣と修が顔を見合わせ微笑み合う。近くでは、トワと楓が
「トワも、Santa Claus会いたい、デス！」
「良い子にしてないとこないな」
とやり取りをしていた。盛り上がる様子を見て、康子は満足げに頷いている。
「奮発して良かったわー。でも必要なものしか買ってないから、きっと何か買い足しね」
「あ、ならクッキーの飾りも入れると良いんじゃないっすかね。
人型クッキーの目とか、星形も真ん中星にくりぬいて、キャンディ入れて焼くと、ステンドグラスみたいでキレイっすよ」
「ステンドグラスクッキーのオーナメントか。華やかだろうな」
望月の提案を聞いて、誉が頷いている。康子はふむふむと頭の中でメモを取っていた。
「来月かー」
ロベルトが零した声にそう言えばと思いあたり、刀がくるりとバイト仲間を振り返った。
「そう言えば皆はクリスマスの予定どうなんだ？」
「私は特に決まってないけど……、今年も紅緒ちゃんと二人でケーキかなあ？」
「『神の食べ物』より生み出されし暗黒風味がよくてよ！」
「うんうん、チョコレートケーキだね」
「大道寺と伊橋は仲良いよな」
刀はしみじみそう言って、きっと紅緒は陽毬の存在に助かる部分があるのだろうとぼんやり思っている。
「僕は——」
「英二はシフト入ってるよ」
カウンターからすぱっと飛んできたエリセイの声に、英二は「ええっ！？」と飛び上がった。ミルクホールでバイトも悪くないかなーとは思っていたが、そんな勝手な——。
「どうせ暇だろ？ いいじゃん、俺たちと仲良くラブラブカップルにさっきの素敵なコースをサーブしてこの後はホテルかな？ とか想像しながら血の涙を流して過ごそうぜぃ」
「嫌ですよそんなブラッククリスマス！」
「その時はサンタさんの衣装？」
「御巫さんまでノらないで！」
と、レナートが来月のシフト表を持ってきて、ペンで書き込み始めた。
「助かるなぁ、クリスマスはパートさんもバイトさんも忙しいからね。康子さんがちょっと色つけちゃうって言ってたよ、やったあ稼げるぅっ」
「ちょ、レナ先輩！？ なんでイブまでがっつり埋めてんですか？」
「僕も一緒です、楽しみですね英二さん」
イリヤのピュアな視線が突き刺さる。
「今年のクリスマスも雪が降ると良いですね」
時子がにっこりと微笑んで、窓の外を見つめていた。クリスマスの足音が皆の耳に聞こえて来る１１月のとある日——。
「綺麗に纏めようとしないでー！？」
英二の断末魔が、店の外に響いていた。
扉前でやり取りを終えて戻って来た康子と兄弟たちが抱えて戻って来たのは、割れ物注意が貼られた複数の段ボールとナイロンバッグだ。
「通販ですか？」
「康子さん何か買ったんすか？」
皆が周囲に集まると、康子はむふふっと笑って梱包を開く。
「じゃーん！ 見て見てっ、今年はパワーアップしたくて新調したのよ！」
中に入っていたのは、クリスマスツリーとオーナメントだった。ミルクホールの暗い色調の中でも目立つ、少し明るめの葉のスリムな外見で、ホワイトとブルーを中心にまとめた花やリボン、オーナメントボール、それにガーランドなどが詰め込まれている。
「組み立てたらリーセとレーナくらいの高さになるわよー」
家で飾るのとは違う大きさを聞いて、皆のテンションが上がり反応する声が高くなった。弦月と衿花、翠響たちがパッケージをキラキラ目を輝かせながら見ていると、背後から師呉がやや恐る恐る、中身を伺った。
「ツリーの飾りってこんななんだ」
密かに紅潮した頬を見て、レナートが微笑む。
「どんな風にしたら綺麗に見えるかなって、皆で話しながら飾り付けをするのが愉しみなんだよ。
もう少ししたら組み立てる予定だから、君も暇だったらおいで」
「ジョラヴリョフ先輩」
直治が後ろから声をかけてきて、レナートは「ん？」と振り返る。
「ツリーが店にあると、サンタさんはいつもこっちに？」
「去年はリビングのテーブルの上にあったかな。こんくらいのお菓子が入った長靴」
「やっぱり高校生になってもサンタさんはくるんだ！」
ぱあっと輝いた後輩の表情に、横から見ていた羽衣と修が顔を見合わせ微笑み合う。近くでは、トワと楓が
「トワも、Santa Claus会いたい、デス！」
「良い子にしてないとこないな」
とやり取りをしていた。盛り上がる様子を見て、康子は満足げに頷いている。
「奮発して良かったわー。でも必要なものしか買ってないから、きっと何か買い足しね」
「あ、ならクッキーの飾りも入れると良いんじゃないっすかね。
人型クッキーの目とか、星形も真ん中星にくりぬいて、キャンディ入れて焼くと、ステンドグラスみたいでキレイっすよ」
「ステンドグラスクッキーのオーナメントか。華やかだろうな」
望月の提案を聞いて、誉が頷いている。康子はふむふむと頭の中でメモを取っていた。
「来月かー」
ロベルトが零した声にそう言えばと思いあたり、刀がくるりとバイト仲間を振り返った。
「そう言えば皆はクリスマスの予定どうなんだ？」
「私は特に決まってないけど……、今年も紅緒ちゃんと二人でケーキかなあ？」
「『神の食べ物』より生み出されし暗黒風味がよくてよ！」
「うんうん、チョコレートケーキだね」
「大道寺と伊橋は仲良いよな」
刀はしみじみそう言って、きっと紅緒は陽毬の存在に助かる部分があるのだろうとぼんやり思っている。
「僕は——」
「英二はシフト入ってるよ」
カウンターからすぱっと飛んできたエリセイの声に、英二は「ええっ！？」と飛び上がった。ミルクホールでバイトも悪くないかなーとは思っていたが、そんな勝手な——。
「どうせ暇だろ？ いいじゃん、俺たちと仲良くラブラブカップルにさっきの素敵なコースをサーブしてこの後はホテルかな？ とか想像しながら血の涙を流して過ごそうぜぃ」
「嫌ですよそんなブラッククリスマス！」
「その時はサンタさんの衣装？」
「御巫さんまでノらないで！」
と、レナートが来月のシフト表を持ってきて、ペンで書き込み始めた。
「助かるなぁ、クリスマスはパートさんもバイトさんも忙しいからね。康子さんがちょっと色つけちゃうって言ってたよ、やったあ稼げるぅっ」
「ちょ、レナ先輩！？ なんでイブまでがっつり埋めてんですか？」
「僕も一緒です、楽しみですね英二さん」
イリヤのピュアな視線が突き刺さる。
「今年のクリスマスも雪が降ると良いですね」
時子がにっこりと微笑んで、窓の外を見つめていた。クリスマスの足音が皆の耳に聞こえて来る１１月のとある日——。
「綺麗に纏めようとしないでー！？」
英二の断末魔が、店の外に響いていた。
あとがき
担当マスター：
東安曇
ファンレターはマスターページから！
シナリオにご参加頂き、有難うございました東安曇です。
らっかみタイムももう直ぐクリスマスですね。もう１本程クリスマスのエピソードが出せればと考えております。
その時はまたお付き合い頂ければ幸いです。
らっかみタイムももう直ぐクリスマスですね。もう１本程クリスマスのエピソードが出せればと考えております。
その時はまたお付き合い頂ければ幸いです。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
-
- 2015年10月23日
- 参加申し込みの期限
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- 2015年10月30日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2015年10月30日 11時00分
