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【お三夜】猫と人、二つの世界が交わる夜
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●なないろの出逢い
込みあう人間の足元をかいくぐり、そこらの野良猫とは少々毛並みの違う猫が楽しげに歩いてゆく。
「今日はお三夜祭り。猫も人もどんちゃん騒ぎするお祭りだ。野良だった頃から知ってるが、今年も活気溢れて見ててあきねぇ賑わい具合だぜ」
彼の名は
村雨
。九夜山でサバイバルするのが趣味の
小刀祢 切奈
という少女を主人としている山猫だ。
村雨はちょいと物陰に引っ込むと、自慢の髭をひょいっと拭った。
「さぁて、この日だけの特別な術を使うか……人化の術!」
言うが早いか、村雨はちょいとチャラ目の青年に早変わり。
「よし! 今年も人間の雌達と戯れてこようか」
意気揚々と雑踏の中に歩き出す。
要するに、ナンパである。
するとさっそく、まるで人形かと思うほどほっそりとした美人が歩いてくる。
祭りの灯りを映す緑かかった長い黒髪は、ヴェールのように美しく波打っている。彼女の纏う黒と白のレースで設えられたゴシックドレスは意外にも、祭りという異世界の中に自然と溶け込んでいた。
村雨は彼女の正面にくるりと回り、ご自慢の決め台詞で声を掛けた。
「美しいお嬢さん。俺と一夜限りの素敵な思い出を作らないか?」
声を掛けられた
三宅 葉月
は、その翡翠色の瞳をゆっくりと動かし、村雨に焦点を合わせた。
「……猫、さん?」
「俺は村雨。しがねぇ山猫さ。一夜のお相手を探してるんだが、一緒に運命でも覗かないかい?」
つ、と村雨が顎で指した先には朱色の幟がはためいており、魔術的にうねった字で『運命万華鏡』と書いてある。
葉月はすぅっと目を細める。
猫にナンパされるなんて、今夜はなんて不思議な夜だろう。
あの運命万華鏡の文字も、とても不可思議で素敵だ。
葉月は今夜の不思議を驚くこともなく、ごく自然に受け入れていた。
(この島では、ありえないことがごく自然に起きるのだから、動揺してもしかたがない。それに自分の感性をプラスに刺激することはあっても、マイナスの影響を受けることはないわ……)
スケッチブックは持って来なかった。だからこそ今宵の様子をこの眼に刻み付けたい。
芸術家たる葉月は、一人静かに今宵このときを深く味わいたかった。
「ごめんなさい」
葉月はちいさく頭を下げてその場を去った。
「ご縁がなくて残念だが、ま、そんなこともあらァ」
プレイボーイたる村雨は、一度の失敗でへこたれるほどヤワな精神の持ち主ではなかった。
次なるターゲットは、さきほどとはがらっと趣向を変えて、黒い猫耳のカチューシャをつけ、黒い尻尾をゆらりとさせながら歩いている大人の女性だ。口紅で彩られた薄い唇をわずかに上げて、お祭りみたいな日でなきゃ売れなそうなチャチな玩具の屋台を覗いている。
村雨はさりげなく女性の隣で日本刀を模したキーホルダーを買うと、先程と同じ決め台詞で声を掛けた。
「美しいお嬢さん。俺と一夜限りの素敵な思い出を作らないか?」
女性は、アハ、と目を瞠った。
「なに? ナンパ?」
「俺は村雨。あんたの美しさに声を掛けずにはいられなかった、しがねぇ山猫さ」
「面白いね。私は
九杜 アメ
。所謂ショッププロデューサーって仕事をしてる。道楽みたいなものだけど」
互いにくすっと笑ったそのとき、例の運命万華鏡の屋台から、こんな口上が聞こえてきた。
「さてお立合い、一見どこにでもあるようなこの万華鏡、ただの万華鏡ではございません!
これを覗けばあら不思議! 一瞬だけ運命が見えるという、『運命万華鏡』でござい!」
「運命万華鏡……?」
その屋台の軒には、筒に巻かれた綺麗な和布が目をひく万華鏡がずらり並べられている。
雑然としているのに、その猥雑さが奇妙に美しく、アメの仕事心がくすぐられる。
「お、あれはおもしろいやつだ」と村雨が言った。
「覗いたことがあるのかい?」
「チビの頃にね。何を見たかは忘れちまったが……ああそうだ、互いに一つ買って覗いてみないかい?」
「いいね」
アメは直感で、花模様の綺麗な藤色の万華鏡を買った。村雨は秋めいた山吹色。
せっかくの瞬間を存分に味わうべく、ひと気が少ない辺りまで歩くことにする。
人通りが途絶え、もういいだろうというあたりまで来ると、村雨が忠告した。
「一瞬だから決して瞬きしちゃァいけないぜ?」
アメは頷き、歩きながらのぞき穴を目元に当てた。
「さて、どんな運命がみえるのか……」
きらきら。
きらきら。
極彩色の欠片が見える。
アメは息を呑んで目を凝らす。
その中に一瞬、何かが見えた――。
「あっ」
その小さな声は足元から聞こえた。
アメは肝心な瞬間に、のぞき穴から目を離してしまっていた。
そのことが惜しくなかったといったら嘘になる。だがアメは、次なる不思議に目を奪われていた。
そこにいたのは猫の面を被った、ちいさな小人だったのだ。
「すまない。よそ見をしていた。怪我はないかい?」
アメは視線を合わせるためしゃがみ込む。そうして思わずしげしげと観察してしまう。
「なんだ、ねずじゃねェか」
村雨が言った。
「ねず?」
アメが問い返す。
「あー、寝子島に昔からいる小人族ってのかね。たしかあんたはご主人が暮らす猫鳴館の」
「はい。猫鳴館の地下に棲んでおります、
鳶色彦
と申します」
そう言って猫の面をちょっと上げた鳶色彦は、その名の由来になった鳶色の目をくるりっとさせた。
「なんと、そちらは猫の方でしたか。それは気づかず……食べないでくださいよ?」
アメに、まさか食べないよね、という視線を向けられた村雨は、今日のところは心配するなと飄々と笑った。
アメと鳶色彦はしばし語らう。
「今宵の不思議といいねずの君といい、自然と受け入れている自分に驚くよ」
「寝子島に馴染んで来られたのでは?」
「そういうものなのかな」
「こいつらはさ」村雨が口を挟む。「人間様のものを拝借して暮らしを立ててるんで誤解されやすいんだが、基本的には気のいい餌さ」
「いま、餌って言った?」
アメが聞き返す。
「気のせい気のせい。気のいい小人さ。な?」
「恐れ入ります……食べないでください……!」
鳶色彦はふるふると震えると、ぱっと身を翻して走り出し、あっという間に雑踏に紛れてしまった。
「おやおや君が怖がらせるから」
アメはちょっと村雨を睨む。
「失礼しやした。ついからかいたくなっちまって」
アメはくすっと笑みを漏らす。許さないわけじゃない。だが、そろそろ潮時だろう。
「ま、いいさ。楽しかった。じゃあ私も行くよ」
「え? あ?」
「ばいばい、ナンパな山猫君」
ひとり残された村雨は、しかし、今度も挫けなかった。
なぜならば、先ほど覗いた運命万華鏡に映ったのが、本命の
モモ
だったからである。
「やっぱり俺にはモモしかいねえ」
そう思った村雨、ふと通りを見ると――。
「……って、あそこでへばってるのはご主人じゃねーか」
べったり地面に貼りついて今にも踏まれそうになっているのは切奈である。
助け起こして、もぞもぞ動く口もとに耳を当てる。
「……お祭りに刃物持参しようとして怒られて叔母さんに没収されて力が出ないって……何やってんだ、ご主人……猫の俺でも流石に人間がそういうの嫌ってるって判るぞ……?」
だがしかし。何といっても切奈は主人だ。
「……しょうがねぇ、ここは俺が元気を出させてやるか。刃物刃物……これでもいいかねェ?」
それは、さきほどアメをナンパする際に買った日本刀のキーホルダーを切奈に握らせる。
「ほら、これで元気だしな」
「……す……すまない……」
「何気にするな。いつものアンタに戻ってほしいだけさ、じゃあな、元気出せよ」
しばしぶらついたのち、猫に戻った村雨は、元気になった切奈を見つけた。
(おう、ご主人。少しは元気でてんな。やっぱりアンタはその意気だぜ! さて今日も肩に乗って見守るか)
◇
一方、走って逃げた鳶色彦は、巨人がひしめき合う迷宮にも等しい雑踏の中、お三夜様の格好をした
綾辻 綾花
のニーソックスの足にぶつかってひっくり返った。
「おや。鳶色彦さんではありませんか」
鳶色彦は綾花を見上げた。猫鳴館の住人である綾花がやさしい少女であることを鳶色彦は知っている。
と……、
「あっ」
綾花は急に頬を染めてミニスカートの裾を押さえる。
「みえちゃいました?」
「いえ、めっそうもない。黒のぱんてぃなどこれっぽっちも……」
綾花は「めっ!」と言って鳶色彦を掬い上げる。といってもそんなに怒ってはいないようだ。
「一緒に見て回りませんか? このナマズのぬいぐるみ、口が開くんです。鳶色彦さんが入るのにぴったりですよ。伸縮性があって暖かいですし、口の中から顔が出ますから鳶色彦さんの顔も見れますし」
綾花が熱心に勧めるので、鳶色彦はもぞもぞとナマズのぬいぐるみに入り込んだ。
「暖かくて生き返ります……まことにかたじけない」
「お気になさらず。では行きましょう」
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笈地 行
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シルバーシナリオ(150)
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3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
動物・自然
神話・伝説
定員
1000人
参加キャラクター数
109人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年10月31日
参加申し込みの期限
2015年11月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年11月07日 11時00分
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