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【お三夜】猫と人、二つの世界が交わる夜
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●甘い運命
旧市街にあるレトロな洋館、アンティークショップ「ステラ・マリス」。
豪奢なシャンデリアに、パーティドレスや燕尾服が似合いそうな紅い絨毯敷きの階段。
着替えを済ませて現れた
荒井 景貴
は松葉色の着物と羽織を纏い、すこし照れくさそうに、店の主であり大切な恋人でもある
紅林 柳霞
を見遣る。
「ありがとうございます。お借りした和服、ぴったりでした。……似合いますか?」
「ええ、とても」
柳霞はやわらかく明るい印象の撫子色の訪問着に袖を通し、恋人の晴れ姿に微笑む。
景貴もまた柳霞の出で立ちを褒めると尋ねた。
「この和服はどなたのでしょう?」
「おじいちゃんの着物よ」
「……えっ、柳霞さんのお爺様の和服なんですか……!? いいのでしょうか、僕がそのような大切なものをお借りして……」
「大丈夫、海外にいるおじいちゃんにはメールで許可とったから」
「そうでしたか。それでは汚さないようにしますね」
ステラ・マリスを出て、角を曲がり、はぐれないように手を繋ぐ。
祭りに浮かれる旧市街を歩く。
誰もふたりに気を留めない。
たくさんいる恋人たちの一組だと思って。
その自然さが、柳霞にはなんだかうれしい。
(恋人、なんだなあ……)
しみじみ思って、いままでの曖昧な立場と違うことにちょっとだけ緊張する。
参拝を終えたのだろう、向こうから歩いてくる恋人たち。腕を組み、笑顔で語らうことが如何にも当たり前といった様子で、柳霞は思わず景貴を見上げる。
「景貴さん、腕を組んでもいいかなぁ?」
「あ、そうですね、もちろんです」
景貴もすこし緊張していたのだろう。微妙に声が上擦っている。
松葉色の着物越しに、柳霞はそっと腕を絡める。
「どきどき、するね」
「僕もです」
だからかもしれない。
いつのまに不思議な祭りに迷い込だのか、その境界がわからなかった。
◇
「猫……だらけですね」
「ほんと……びっくり」
「僕はなぜか、猫と聞くと柳霞さんを思い出します」
「そうなの?」
「ふふ……あ、ほらあそこ、『運命万華鏡』ですって」
腕を組んだ恋人たちは、のたくった字の幟に惹かれ、近づいてゆく。
「万華鏡好きっ。綺麗だよね」
すると威勢のいい猫の口上が聞こえてきた。
「これを覗けばあら不思議! 一瞬だけ運命が見えるという、『運命万華鏡』でござい!」
ふたりは思わず顔を見合わせる。
「え? 一瞬だけ運命が見えるの?」
「興味ありますか、柳霞さん?」
「あるけど……見てみたいような怖いような……」
「僕は、興味あります」
柳霞とは思いが通じ合ってお付き合いをしている。
だが、
柳霞の両親にまだきちんと認めてもらったわけではない。
柳霞は貿易会社のお嬢様で、彼女と結婚するということは紅林家の跡取りになるということと同義だ。
好きだ、愛してる、だけでは片付かない問題が、そこには歴然と横たわっている。
(それが気掛かりなんですよね)
もちろん柳霞を大事にするつもりはある。幸せにするつもりもある。
それでも……世界はふたりだけで回っていると信じられるほど景貴はもう子どもではない。
膨らむ言い知れようのない不安。
もし一瞬だけ運命が見えるなら……「二人の未来」が見えたらと願ってしまう。
それは柳霞も同じだった。
雨の日のお見合いはなぜか両親が諦めてくれたようだったが、それで万事解決したとは思えない。
(今後無理やり連れ戻されて景貴さんじゃない人と結婚させられるとかだったら嫌だなぁ)
結局ふたりは運命を知りたいという誘惑に抗い切れず、それぞれ一つずつ購入した。
きっと二人の未来が見えるはず。
そう信じて、けれど一抹の不安はぬぐいきれないまま覗く万華鏡。
回る色の欠片の中に映る一瞬に期待を込める。
「あっ」
「景貴さん、私、今……そ、そうだ、景貴さんは何が見えたの?」
「海でした。あなたは白髪になっていて、それでもとても美しくて、白い日傘を差していました」
「景貴さんも白髪になっていて、でも笑顔は今と同じ、やさしくて……私たちは手を繋いでいた」
「そうです!」
「え……それって私と同じだよ!」
「その……、き、気が合いますね!」
同じものということはきっとほんもの。
柳霞の瞳はみるみる潤み、めいっぱいの笑顔を浮かべて景貴の胸にしがみ付く。
「運命が味方してくれるなら、きっと……」
「柳霞さん……」
景貴は上気した頬でしばらく柳霞の肩を抱きしめていた。道行く人たちが、痴話げんかだろうかと横目でふたりを見ては目を逸らす。景貴はいっそう頬を染めて、ゆっくりと柳霞を引きはがした。
「な、何だか照れ臭くなってしまいました。そうだ、柳霞さんは、お腹すいてませんか?」
「そう言われれば、なんだか安心したらおなかすいちゃった」
「せっかくなので、何か珍しい食べ物を露店で探してどこか座れる場所で食べましょう」
「いいね。あ、あのまたたび焼きっていうのはどうかな?」
一度覗いた万華鏡はもう運命を映さない。
さっきの一瞬だって、いくつもある運命の一つなのかもしれない。
あるいは運命が見えるなんてほんとは嘘で、ふたりおなじ夢を見ただけかもしれない。
けど、あの一瞬がまぎれもなく、人生に立ち向かう勇気をくれた。
愛し続ける覚悟をくれた。
柳霞は、またたび焼きを半分ずつ景貴と分け合う。
「この先も、こうして色んな物をわけあっていけたらいいな。ずっと、ずっといっしょに……ね」
「そうですね」
そう言ってかぶりつき、景貴は、んっと眉をしかめる。
「そう美味しくもないですね」
「ほんとだ」
「でも、それもいいですよね。甘いものだけじゃなく、苦いものも、あなたと分け合いたいですから」
「景貴さん……」
またたび焼きは、おいしくない。
だからこそふたりで分け合えることが幸せで、嬉しかった。
「口直し、しましょうか」
「はい」
万華鏡きらきら。ここから先は、ふたりの時間。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
動物・自然
神話・伝説
定員
1000人
参加キャラクター数
109人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年10月31日
参加申し込みの期限
2015年11月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年11月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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