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【お三夜】猫と人、二つの世界が交わる夜
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●馬鹿ガラスを撃退して、ぬこ神様を守るのだ
赤い鳥居の連なる道を、黒の猫装束に身を包んだ
黒兎 都
が、ぷんすか喚きながら歩いている。
「あのアホガラスがぬこ神様を追い回していじめてる……だと? ゆるせん、まじでゆるせん! やっぱあのクソガラスぎるてぃ、処刑確定だわ」
クソガラスとはもちろん、ののこと敵対しているらっかみのクローネである。
「いやまぁ、ぬこの屋台とか宴会とかね? 魅力的なもの多かったけどね? 正直この衣装着てる時点でバトる気なんて無かったさ! 普段着てる服のほうが着慣れてて動きやすいしの! でも助けたらぬこ神様と仲良くなれそうじゃない! 仲良くなれればほかのぬこからも避けられなくなりそうじゃない!」
都の人生の悩みは、なぜか会う猫ほぼ全てに避けられるということである。
本当は都だって、そっと猫の頭を撫でてみたい。顎をくすぐってごろごろと気持ちよさそうな猫を間近で見たい。できれば、お膝の上で寝てしまったり、ゆたんぽ代わりに抱きしめたりさせて欲しい。
だがそれは都にとって、いまのところ叶わぬ夢であった。
なぜなのだろうか。
目には見えない猫除けオーラが出ているのだろうか。自分ではまったく自覚はないのだが。
そんな都は考えた。
「アホガラスを打ち落とすため、ぬこ神様を助けてあわよくばもふらせてもらうため、……げふんげふん、まぁ後半置いておいて、鳥居の迷宮に突っ込もう」と。
しばらく行くと、奇妙な歌が聞こえてきた。
「クローネ抜け作苛めっ子~、テオにのされてまぁ大変~」
それは、クローネをけちょんけちょんにけなす歌だった。歌詞は即席なのか小学生男子レベルの語彙力で、「クローネのバカー、アホー、マヌケー!」といった合いの手が頻繁に入る。いったい誰が歌っているのかとあたりを見回すと、三毛猫の全身着ぐるみに赤猫リュックを背負った
後木 真央
である。真央は手に持った濡れタオルを金棒のようにぶんぶん振り回し、時折落ちている小石を拾ってはポケットに詰め込んでいる。
「何その歌」
都が思わず突っ込むと、真央はどやっと胸を張った。
「真央ちゃんのハイパーなイマジネーションから生まれたクローネを称えない歌なのだ! これで頭に来たクローネが現れるはずなのだ。そうしたらみんなで協力してやっつけるのだ!」
「なるほど。で、どっちに行けばいいか知ってる? うち、さぱらんなんだけども……」
都が前方を指差すと、そこで道は二股に分かれている。
「真央ちゃんもわからんのだ! こういうときは勘で進むのだ!」
自信に満ちた表情で、真央はずんずん進み始める。都はそれについてゆく。
すると目の前に現れた猫が、ゆるりと釘バットを構えた少女の姿に変貌した。
「なんか変なのでてきたのー。これがあれか影猫ってやつか」
「わわ、あれ、真央ちゃんなのだ!」
影の真央はぶんぶん釘バットを振り回している。
「ふむ……いやあれよ、ちょっと前にもセルフ突込みしてたけどウチ、バトれないからな?」
都が一歩後ずさると、影の真央は一歩前進する。
「あぁうん、知ったことかって顔して構えるのは自由だけど……ってちょとまった、今攻撃してくんな! ほらこう、暗黙の了解であるでしょ。語ってるときに攻撃はNGって……ぬぁああ!?」
釘バットに濡れタオルで対峙しようとするリアルの真央も脳筋だったが、影の真央も脳筋だった。
かぱり、と口を半円に開くと、楽しそうに躍りかかってくる。
真央の濡れタオルは、影真央の釘バットの前ではまるで紙だった。
脳天をかち割る勢いで振り下ろされた釘バットを、寸でのところで避ける。
「ほわっ! 向こうの真央ちゃんもなかなかやるのだ。けど真央ちゃんは脳筋ゆえ自分1人で出来ることの限界を知っているのだ! ――
にゃにゃにゃがおー!
」
真央は三毛猫のがおーを召喚した。
「がおー、めくらまし!」
真央がびしっと影真央を指差して叫ぶ。この一連の出来事に都も興奮して叫んだ。
「ぬこ! ぬこだ! おでぶだけど可愛いぬこ! ぬこがうちを守ってくれる!?」
するとがおーはびくっとして都を振り返った。そして……一目散にその場を逃げ出した!
「が、がおー! どこに行くのだ!?」
「う、うそだろ……あんな福々しいぬこまでうちを避けるなんて……い、いや、そんなこと言ってる場合じゃない。くっそくっそ! これうちら、完全に不利じゃないか?」
「それよりがおーなのだ!」
「わかってる。つまりだ。……戦略的撤退! 走れ!」
◇
天動 記士郎
は剣を構え現れた相手を糸目で見据え、小さく呟く。
「剣士さん……?」
御剣 刀
は記士郎と背中合わせに立ち、記士郎の影と対峙している。
繰り出される影の拳を避け、刀は確信する。
(素人の動きじゃないぞ……ボクシングか)
記士郎はポケットの中の白蛇の鱗に触れ、空を見上げた。<白蛇さん>の鱗に触れると、気流の流れなどが見えることがあるのだ。それが記士郎のろっこんのチカラであった。
ところが晴れているはずなのに空は墨を流したように真っ黒で、気流どころか星も見えない。
胸騒ぎがする。
「クローネさんというのは……いろいろ厄介を引き起こす存在ですね」
刀の影が切りかかってくる。
「くっ」
刃先が左肩を掠める。記士郎が睨みつけると、刀の影は後方に飛び間合いを取った。
記士郎は試合の前にするような深呼吸し、心を鎮めた。
身を屈め、両腕を胸の前に構える。
あまり人に言うことはなかったが、記士郎は元プロボクサーである。それゆえに自戒の念で、普段は人を殴るという行為は一切しないよう心掛けているし、今は寝子島でのんびりとした生活を送っているのでそういう機会もないと思っていた。
ただ寝子島で不思議な事件が多く、中には人に危害を与える存在も居ることも、記士郎は知っていた。
拳とは、そういったものから、大切なものを守るためにあるのではなかったか。
「フツウを守るために。壊すのは簡単で守るのは難しい」
「同感だ。コレが試練ならやってやる」
刀は刃引き刀を鞘に仕舞い、素手で構える。
「素手相手に剣で勝っても乗り越えたことにはならないからな。ほらこいよ影猫、遊んでやるよ!」
影たちは同時に攻勢に出た。
刀は記士郎の影を躱す。
記士郎は足を活かして移動し、体を左右に最小限に振って刀の影を翻弄する。
まるで洗練された殺陣のように、刀が躱した記士郎の影に記士郎自身が拳を繰り出し、記士郎が躱した刀の影に刀自身がフェイントをかける。身体の位置を入れ替えながら、それでも回避に費やされる力が大きい。
(回避に集中すれば躱すことはできるが間合いが詰められない)
刀は僅かに奥歯を噛む。
速さに慣れた黒い瞳が、繰り出される右ストレートを捕らえた。
その瞬間、刀は回避を捨てた。
右ストレートに殴られるのを覚悟して、間合いを詰める。
「オォラ!」
繰り出す右に全体重を乗せる。
頬に食い込む右ストレート。
ガツンと脳天に響く衝撃。
痛みは認識できない。
ただ、空間が回転し、赤い鳥居がまるでスローモーションのように視界をくるりと回ってゆく。
ほぼ同時に。
刀と背中合わせに戦っていた記士郎は、影の刀の刃を腕で裁き、顎を狙って右拳を繰り出していた。
刀の影は仰向けに倒れた。
奇しくもそれは、刀が吹っ飛ばした記士郎の影の隣だった。
まもなく影は二体ともすうっと薄くなって消えた。
戦いは終わった。
勝ったのだ。
記士郎は大の字に倒れている刀に手を貸す。
「大丈夫ですか?」
その手を握り、ああ、と答えながら刀は立ち上がる。
「意思も魂もこもっていない拳にやられるほど柔な鍛え方はしてねえよ」
小山内 海
が刀に駆け寄る。
試練を見守っているのは歯がゆかった。けれど彼は勝った。きっとこうなると信じていた。
口の中を切ったのか、ぺっと血の混じった唾液を吐き出すと、刀は言った。
「行こう……ん?」
三人は振り返る。後ろからぎゃあぎゃあ喚きながら走ってくる真央と都に気づいて。
がおーが海の腕の中に飛び込んできた。
「!(ど、どうしたの!?)」
「海ちゃん! がおーを抱きしめてて欲しいのだ! 刀ちゃん助けてなのだ! 真央ちゃんの影が怖いのだ!」
彼女たちの後ろから、釘バットを振り回しながら追いかけてくる真央の影。
「真央ちゃんと都ちゃんセンパイだけでは立ち向かえないのだ。でも出来ないことは諦めず! ひとりで出来ないときはみんなで力を合わせるのだ適材適所で仲間を集めて数の暴力っ!」
刀や海、記士郎といった強そうな面子に巡り合えたことで気が大きくなったのだろう。
「フッ、まさに至言なのだ」とこの切羽詰った状況にも関わらず真央は自信満々言ってのける。
「どわーっ、なんでもいいからヘルプヘルプ!」
都が叫ぶ。
戦い慣れした刀と記士郎は咄嗟に判断する。釘バットに対して、肉を切らせて骨を断つ戦法はリスクが高い。こちらに勝機があるとすれば、影真央は考えなしに釘バットを振りまわしているという点だ。となると――。
目配せしあっただけで、刀と記士郎は左右に散った。フェイントをかける。真央が仕留めやすいように。
強そうなふたりが左右両方から突っ込んできたことで、影真央は明らかに動揺した。
刀が鞘のまま刃引き刀を突出し、小手の要領で影真央の釘バットを払い落とす。
「黒い人、左に跳ぶ!」
記士郎の声で、都は左に跳んだ。影真央の正面ががら空きになる。刀が言った。
「いまだ! 後木、ボディに頭突きしろ!」
真央は急ブレーキで反転し、頭にパワーを全部集めるイメージを作ると、影真央の腹にどんっと頭突きした。
そうとう強烈だったのだろう。
影真央は身体をくの字に折ると、そのまますうっと消えていった。
「やったのだ! 力を合わせてやっつけたのだ」
「戦略的撤退の勝利でもあるの」
都もふうと額を拭う。
真央は刀と記士郎と海を順に見た。
「やっぱりひとりじゃ戦えないのだ。ふたりでも難しかったのだ。ここからはみんなで一緒に行こうなのだ」
「うちからも頼むよ。うちバトルからっきしだからさ。その代わり逃げなきゃならんときはわかるつもり。みんなであのアホガラスを断罪して、ぬこ神様を助けようじゃないか」
そうだな、と刀たちも頷き、こうしてパーティは五人になった。
◇
また別の道を、
常闇 月
、
日暮 ねむる
、
八神 修
、そして修の飼い猫ブラックがひとかたまりに進んでいる。
ねむるは修と月が猫灯篭に火を灯すのを、少し距離を置いて見ていた。
火は苦手なのだった。
(疼いてくれるなよ、今夜ぐらい良いだろ)
左腕の火傷の痕を右手で押さえる。
そのとき、先の分かれ道のところに、三匹の影猫が現れ、みるみる人のかたちに変わった。
「門番ってわけか、一筋縄じゃいかなそうだね」
初撃を加えたのはねむる。持って来たペイント銃で、影たちの足元に弾を撃ちこみ牽制する。
ぱっ、ぱっ、とオレンジ色が飛び散った。
その隙に月は地を蹴り、鳥居を蹴って、立体的な動きで影猫たちを翻弄する。
そうして素早く位置を変えながら、月は冷静に相手の動きを観察していた。
「八神さん、日暮さん、この影は私たちを模倣しています」
それを聞き、最後方で修が叫ぶ。
「常闇のはろっこんはまずない。鋼糸と素早さに注意。日暮のは接触しなければOK。ボクシング技に注意だ。俺は――」
修は客観的に自分について考察する。もしもいまの自分そっくりの能力を持っているのなら、警戒すべきはそのろっこんだ。精神を集中し息を止め、対象物に触れることで分解する彼のろっこんは、その力を得てからのさまざま経験の末に、見ているものであれば触れていなくても分解できるまでに成長していた。それは自分の力であれば頼もしいが、敵に回すことを考えると身震いがする。敢えて弱点があるとすれば――、
「俺のろっこんは生物には効かないから樹を足場に! 潰すなら俺からだ!」
「助力は必要ですか? 八神さん」
月がふっと修の隣に降り立ち淡々と尋ねる。
「頼む」
「御意」
月は再び宙に舞った。
月の嵌めたグローブから、鋼糸が繰り出される。影の月がそれに対応すべく地を蹴った。
ねむるがペイント弾を影の自分と修に撃ち込む。
「少しだけなら時間は稼げる、今なら安全に移動できるよ! 八神くん」
修は枝を1本折り木刀にすると影の自分目掛けて駆けだした。
そのとき影のねむるが間合いを詰めてきた。ねむるはペイント銃を捨て、拳で割り込む。影はそれをボクシングのステップで避けた。
(ちっ……僕のクセを模倣してるのか。厄介だね)
ねむると影は、そっくりに構えた。
「ここからはボクシングで対決というわけか。オーケー。来いよ」
ねむるは人差し指でくいくい、と挑発した。
ふたりの闘いは一進一退と呼ぶに相応しいものだった。片方が懐に飛び込めば、もう片方は飛びずさる。かと思えば、素早い動きで繰り出される拳。
月はこのとき、影の月と修を、影のねむると近い位置におびき寄せていた。
「八神さん!」
修は、<分解>で影たちの足場をえぐった。と同時に、空中高く、紙袋を投げ上げる。
「日暮、目を閉じろ!」
紙袋がはじけ、またたび粉と砂を混ぜた粉末が、影たちに振り注ぐ。
視界を奪われた影たちは各々目を押さえ呻いた。
その隙を突き、ねむるは影の顔面を強かに打ち据えた。
クロスカウンターからのタックルでテイクダウン。
「登頂完了と。助かったよ八神君、あとは眠らせれば……」
だがそのとき、うわ、と修の呻く声がした。
敵も司令塔たる修を狙って、ふたり掛かりで襲い掛かっていたのだ。
修も木の枝で応戦しているが、片方は月の影である。月本人と修の影とも入り乱れて苦戦している。
ねむるは一瞬ためらいを見せた。自分は王手を掛けている。いまここで影にろっこんを打ちこめば、自分は試練をクリアできるだろう。けれどその間に、修や月はやられてしまうかもしれない。
それはだめだ、とねむるは思った。
「ごめん!」
ねむるは味方を助けに飛び込んでいく。
(僕には無理だ。皆の無事を対価に得た勝利なんて受け入れられない。だって僕は、フツウ守るために戦ってるんだから。壊す為じゃない!)
ねむるの影はダウンしている。
ねむるが戦いに再び参戦したことで、三対二。
投げ捨ててあったペイント銃を拾い、影修の目を狙い容赦なく撃ち込む。彼のろっこんは視覚が失われることで効果範囲が激減する。それでなくても先の目潰し作戦で痛んでいる目だ、さらなるインクの攻撃に敵おうはずもなかった。
修はろっこんは使わず、木の枝をまっすぐに自分の腹に突き刺した。それが、自分を乗り越えることのように思えたからだった。そして、鋼糸で足を取られた影の月は、ねむるがろっこんで眠らせて止めを刺す。
助力に徹した月の試練は、友人のために力を尽くせたかどうかだったのだろう。影の月は薄くなって消えていった。そして、ふりかえれば、ねむるの影もまた、消えていた。
「……ありがとう影猫さん」
ねむるは呟く。
「君のおかげで気づくことができたよ。僕はもう、絶対に壊さない。その為にこの力があるんだから」
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シナリオジャンル
SF・ファンタジー
動物・自然
神話・伝説
定員
1000人
参加キャラクター数
109人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年10月31日
参加申し込みの期限
2015年11月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年11月07日 11時00分
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