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【お三夜】猫と人、二つの世界が交わる夜
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●交錯
サキリの影が、楓の目の前に現れナイフを振るう。
紙一重で避け、抜いたナイフで打ち返す。
次の瞬間。
目の前にいたと思ったサキリが、背後から切りかかってくる。
尋常なスピードじゃない。
いや、人間にそんな移動ができるわけない。
(ろっこんの能力か……?)
楓はひとだが、もれいびのことは聞きかじっていた。
その手の能力の一番厄介な所は、条件が判らない限り発動を潰せないことだ。
サキリのろっこんの発動条件がなんなのか、防戦しながら伺い知ることはできなかった。
つまり先手を取ってもリスクが高く、不利のまま後手に回らざるを得ない。
(正直に言えば、このままやれば負けて当然くらいはわかる)
サキリは、強い。
もともとの技も然ることながら、ろっこんも駆使するのでなおのことだ。
そんなサキリ相手に未だ深傷を負っていないというのは大したものだろう。
だが、押されている。
何しろ白刃の煌めきがどの方向から飛んでくるのか予測がつかないのだ。
右と思えば左、左と思えば上。
こちらから攻め入る隙がない。
「くそ。ろっこん、か」
今からでも欲しいと思えば得られるかもしれない。
だが、助けてほしいと願ったのは過去の幼く弱い自分。
世界の裏側で学んだのは、結局のところ自分で立ち上がらなければどうしようもないということ。
「神頼みする時間は、とっくに過ぎてんだ」
打ち返す。
火花。
サキリの暗い笑み。
「災いはこっちの都合なんかお構いなしに何時だって理不尽にやってきやがる。そいつを全部叩き伏せる強さを、俺自身で手に入れる為に……負けてやるわけにゃいかねえな!」
◇
まったく別の、とてもよく似た分かれ道で、サキリは楓の影と幾度も刃を交し合う。
もしも今この光景を神の視点から見ることが出来るものがいたら、本物の楓の動きと影の楓の動きがリンクしていることに気づくだろう。
それはサキリにしても同じこと。<斬空舞踏>を駆使し楓と相対する暴風的なサキリの動きは、本物の楓と戦う影のサキリの動きとリンクしている。
ふたりは並行世界にも似た違う場所に居ながら、ふたりは本質的には交錯している。
◇
そしてまた別の場所で、
恵御納 夏朝
も戦っていた。
夏朝が戦っているのは自分によく似た影猫だ。
影猫は飛びずさりながら、猫シールを飛ばしてくる。
<重く軽く>。シールが当たれば重くなる。自分のろっこんだ。良く分かっている。
だが、貼られた人が望めば解除できる。だから望む。重くなくていい、と。
しかし相手は無表情で無口なまま続けざまにシールを飛ばしてくる。
(解除されると分かっているはずなのに)
相手は冷徹。容赦もない。
心がすうと冷えてゆくのを感じた。
夏朝には、害をなすと認識した相手を敵とみなし、冷徹になる傾向があった。
(『敵』なら早く倒さ……、……?)
その刹那のことだった。
数多の出来事が頭をよぎった。
それは、
瓜二つのドッペルゲンガーと対峙したときのこと
。
オペラハウスでの事
。
連れ去られた先での……悔恨にも似たなにか
。
「……そうか。そうなんだね。君は『敵』に冷徹で容赦しない。その性質は……僕の未熟さだ」
思い至って、だらり、身体の横に腕を下げる。
「それが原因で皆を危機にさらした事も……」
ふぅ、と夏朝は息を吐き、心を鎮める努力をした。
上がっていた心拍数が落ちてゆくのを感じる。
相手が飛ばしてきた猫シール。それを利用し逆に自分にろっこんを掛け、「軽くなれ!」そう願ってふわり、影夏朝に近づく。全力で!
「来ないで」
影夏朝は怯えたようにあとずさり、さらに猫シールを飛ばしてきた。
夏朝も一枚、シールを飛ばし、相手の靴を重くする。
相手は解除するだろう。だけど解除を願うその一瞬、動きを遅らせるだけでいい。
夏朝がしたいのは、これまでの自分ができなかった事。そして……、
(僕の中の、もう一人の僕にしてあげたい事……!)
夏朝は、影の自分をそっと優しく抱き締めた。
「一瞬重くして……『敵』だからって容赦せず怖い思いをさせて、ごめんね」
抱きしめた腕から、戸惑いの感情が伝わってくる。
この感情は他の誰でもない、自分の戸惑い。
夏朝は詫びながら影の頭を撫でる。
「君は、僕の未熟さまで真似ただけ。心配しないで……僕たちは成長していくんだ」
一歩一歩はちいさくて、時折後戻りもしたりして、進んでいるか分からないときもあるけれど。
自分の未熟さと向き合いたい。
そう思う。
だから。
「ありがとう、影猫さん」
僕を真似てくれて……。
◇
どこか遠くから、「ありがとう」という声が聞こえた。
優しい、暖かい声だった。
(恵御納……?)
その声が、サキリを荒んだ嵐の中から目覚めさせる。
(そうだ。僕はこんな戦いをするべきじゃない。ここはもう僕のいる場所じゃないんだ)
楓の影が打ちかかってくる。サキリは瞬間移動して戦闘から離脱した。
行くべき場所はここではない。
◇
影のサキリの姿がぶれた。
チャンスだ、と楓は思った。せめぎ合いを続けながら思い出した隠し技だ。
ナイフを投げる。サキリは当然回避行動を取る。
そのナイフに鎖を当て、わざとサキリの目の前で落とす。
思いがけない行動は、相手の隙を生む。
「もらった!」
楓が叫んだ。ナイフはもう一本あったのだ。
鎖に隠れ飛んで来たそれは、影のサキリの額に吸い込まれるように垂直に刺さった。
影はすうっと消え、ナイフがからりと地面に落ちる。
「二投一刃鎌鼬……だっけかな。意外とイケた」
楓は落ちた二本のナイフと鎖を拾うと、あちこち破れた服を見て小さく嘆息した。
雇い主に新調してもらおう。普段の苦労を思えば、そのくらいのことは等価交換の主義に反しないだろう。
◇
そしてサキリは、夏朝の元に転移していた。
「サキリ君!」
「やあ恵御納」
「どうしたの、傷だらけじゃない」
「ちょっと戦ってて……心配ない、かすり傷さ」
サキリはふらりと夏朝の肩に額を預ける。傷はともかく、さすがに疲弊した。
「勝ったの?」
「やめてきた。フツウを守る為に。寝子島の仲間を助ける為に。平穏な生き方を見つける為に。それが今の僕が求める有り方なんだ……それを君の声が気づかせてくれた」
「僕の……声?」
「『ありがとう』」
そういうと、サキリはすうっと意識を手放した。
「え、サキリ君!?」
夏朝は驚いて呼びかける。
しかし、耳にかかるのが寝息と分かると、ほっとしてしばし肩を貸すことにした。
影猫はもう襲って来なかった。
サキリはサキリのやり方で、試練を乗り越えたのだ。
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担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
動物・自然
神話・伝説
定員
1000人
参加キャラクター数
109人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年10月31日
参加申し込みの期限
2015年11月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年11月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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