【お三夜】お猫様の大掃除にゃん！｜リアクション

【お三夜】お猫様の大掃除にゃん！

「へぇ、猫をパタパタするとご利益があるか。
　何か警戒されてるようだけどやってみるかな」

　そう言いながら次に寝子島神社にやってきたのは、水守流だ。
　神社の猫たちを存分にパタパタもふもふしてやろうと意気込んでやってきたが、今日の寝子島神社の猫たちの様子はいつもとは違うようだった。

「それにしても、やけに警戒されてるなぁ。
　この島の猫ってやたら人懐っこい印象があったんだけど、なんかあるんだろうか」

　流は何度かお猫様パタパタにトライしてみたが、相手に逃げられて思うようにいかずに苦戦してショックを受けていた。

「ま、こういう時は物で釣るってのが一番手っ取り早いよな」

　少し考えた流は、近くの店で手頃な価格の猫缶を買ってきて餌付け作戦を開始した。
　猫缶の代金は賽銭だと思って払っておく。ご利益があるのならそれぐらいの出費は覚悟だ。

「お、流石に餌にゃよってきてくれるか。
　どれ、猫の気が変わらないうちにパタパタしてみるか」

　流は一心不乱に猫缶を頬張っているお猫様をはたきでパタパタし、何とか今日のミッションをコンプリートする事が出来た。
　そうするうちに、集まってきた猫たちは流にすっかり気を許したようで、逃げ出す様子もない。
　そこで流は機嫌が良さそうな猫をついでに撫でてみた。

　もふもふ――

　こう小さくてモフモフしたのを撫でると心が和む。
　流は人目もはばからず、にへらーと表情を崩しながら心ゆくまでモフモフパタパタに励んだ。

「さーて、こんだけパタパタしたら、ご利益はありそうかな？
　もうすぐ期末テストもくることだし、テストでいい点とれるご利益がありますように！」

　最後に流はしっかりとお猫様にお願いをしておくのだった。