【お三夜】お猫様の大掃除にゃん！｜リアクション

【お三夜】お猫様の大掃除にゃん！

「猫の像を見つけて綺麗にしていこう。マーブルも探してくれるかい？」

　八神修は愛猫のマーブルを抱きながら、優しく言った。
綺麗好きで自室掃除を日課にしている修は、お猫様の像の掃除に惹かれたのだ。

　修は三毛猫のマーブルを抱っこして寝子島神社へ向かった。

「ここには沢山仲間が居るから遊んでもらえると良いな」

　そう言いながらマーブルの背を優しく撫でてやる。
　神社の入口付近では聖と舞が参拝客の対応をしていた。
　修は二人に挨拶をすると、早速お猫様像の掃除に取り掛かる事にした。
　その前に隠れお猫様がいくつあるのか聞いてみたが、彼女たちも良く知らないらしい。　
　マーブルは掃除の間、遊ばせておく事にして境内に放してやる。

「猫の像を見つけたら教えてくれよ」

　そう言って、修はマーブルを見送る。マーブルに猫としての新たな出会いがあるかもしれないと修は思った。

　修はまずは本殿と拝殿の周りをぐるりと回ってチェックして、見付けた隠れ猫像を丁寧に一個ずつ綺麗にしていく。
　それからも、隅……影……お日様が良くあたるポカポカの場所……といろいろな場所を探し、像を見つけては掃除する。
　床下や鴨居も忘れずにチェックしながら、日光の猿や眠り猫を連想する修だった。

　隠れお猫様を探して、絵馬所のところまでやってきた修は絵馬の後ろに像がないかと、後ろ側に回ってみた。

「皆、色々な願掛けしているな……受験や大会での勝利、恋愛……
　世界制服…？　服飾関係者か征服の誤字か？」

　いろいろなお願いごとを見てクスリと笑みを浮かべる修だった。
　気が付くと、いつの間にか修のそばにマーブルと本物のお猫様がやってきていた。
　お猫様は大人しくすっとその背を修につき出した。

「有難うな」

　修は感謝を述べながらパタパタして撫でてお猫様を気持ちよくした後、マーブルにご褒美のオヤツササミを食べさせてやるのだった。

このページにイラストを設定する