【お三夜】お猫様の大掃除にゃん！｜リアクション

【お三夜】お猫様の大掃除にゃん！

　今日は年に一度のお三夜まつり。
　寝子島神社に住み込みで巫女修行をしている御鏡聖は、祭りに参加する参拝客が気持ち良く過ごせるようにと、いつも以上に念入りに境内の掃除をしながら祭りの準備をしていた。

「この猫耳、私や舞さんも付けた方が皆さんと一緒に楽しめているようでいいかもしれませんね。なので付けましょう」

　聖の発案で、聖と寝子島神社の巫女、神楽舞は猫耳を頭につけて、参拝客の応対をする事になった。
　猫耳を付けた聖と舞は訪れる参拝客に猫のしっぽハタキや紙製の猫耳を配って、さっそくパタパタされたりしていた。
　参拝客の楽しそうな表情や会話に、対応をする聖も嬉しくなってくる。
　
　その一方で、本物のお猫様パタパタを狙う参拝客たちは、なかなか思うようにいかず、苦戦しているようだった。

「今日は何故か猫さん達が逃げてしまいますね……
　猫さん達もお三夜まつりの事を知っているのでしょうか？
　折角いらっしゃった方々が猫さんに逃げられて残念な思いをしてしまうのは申し訳ないですし、
　少しですがマタタビを用意しました。必要な方は使って下さいね」

　お猫様を追いかけて、四苦八苦していた参拝客たちは聖の機転に、これ幸いと感謝した。

　そうこうするうちに日も高くなり、参拝客の出足も伸びてきた。はたきや猫耳配りも大忙しである。

「舞さんもずっと参拝の方々の相手をされて、休憩やお食事もできないのは困りますからね。
　一人なら無理ですが、二人で交代しながらなら大丈夫ですよね」

　そう言いながら、二人で協力して参拝客の相手をしていると、いつものように御剣刀が刃引き刀を担いでやってきた。
彼は寝子島神社の裏手で剣術の鍛錬をするのが日課なのだ。

「こんにちは、今日はいい天気ですね」

「よお神楽に御鏡、何してんの？　――うん、お三夜まつりのイベントなんだ？」

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