【お三夜】お猫様の大掃除にゃん！｜リアクション

【お三夜】お猫様の大掃除にゃん！

　実家が神社で自分自身は寝子高の美化委員である椿美咲紀は、お猫様を綺麗にして清々しくお祭りを迎えられるようにしてあげたいと思い、色々な所を巡って機嫌良くお猫様の像を掃除していた。

　実家の神社で教わって来た、カミサマへの感謝の気持ちが彼女の原動力だった。
　一生懸命、一心不乱にきちんと丁寧に大掃除をする美咲紀。感謝の気持ちを込めて隠れお猫様を見つけ出してはゴシゴシする。美化委員としての矜持がそこにはあった。

「お祭りの前にはキレイキレイしてあげたいじゃないですか。せっかくの晴れ舞台なんだし？
　それに、隠れお猫様がどのくらい居らっしゃるのかも気になりますねぇ」

　美咲紀はまず最初に大鳥居に鎮座する狛猫の掃除から始める事にした。
　狛猫をごしごししながら、

「境内のお猫様たちを綺麗にさせてくださいなのにゃん」

　とご挨拶。それは狛猫が境内の猫のボスのように思えたからだ。

　持ってきたのは普段から使いなれたバケツやブラシ。
　頭に猫耳をつけて、準備は万端だ。

　美咲紀は狛猫の掃除が終わると、メモ帳を取り出して簡単な境内の地図を書き、お猫様像の位置情報をメモをしながら掃除を続けた。
　そうしながら、自分と同じ目的の人達と顔を合わせては情報交換を行う。
　効率的に沢山のお猫様像をゴシゴシするための大事な情報交換だ。

　境内の四方の隅、池のほとり。鳥居の足元などを探してみる美咲紀。石階段の途中など意外な所にもお猫様像は隠れていた。

「こんな処にもいらっしゃったのですね、凄いですね～」

　と本物のにゃんこに声を掛けるように話しかけつつ掃除する美咲紀。
　気が付けば、そこはぽかぽかと太陽の照る絶好のお昼寝スポットだった。
　そこには何匹もの本物のお猫様が集まり、ゆるゆると暖を取っていた。
　これならお猫様パタパタも楽に出来そうだ。