【お三夜】お猫様の大掃除にゃん！｜リアクション

【お三夜】お猫様の大掃除にゃん！

「そうか、今年もついにこの時期がやってきたか……
　毎年毎年、挑んでは失敗しまくるこのイベント……
　今年こそ！　俺は！　本当の！　お猫様を！　モフる！
　……じゃなくて、パタパタする！
　今年こそ、今年こそ御利益をおおおおお！」

　猫が大好きな夢呼・ステイシーの魂の叫びだった。
　病気がちだった頃（今もだが）、窓から見える猫に癒されたりした思い出。
　いつかあのフワフワな体をモフモフしたいと思いつつ、未だに成功したことがないこの切なさ……
　お猫様をパタパタできれば、きっと御利益つきまくりで、モフれるに違いない！　と信じて夢呼は頑張る事にした。

　まずはと紙製の猫耳をがっつり装備する。

「ほら、仲間だと思って猫様が……猫様が寄ってくるかも……ないな……」

　鏡に映った自分の姿を見て、夢呼はがっくりとうなだれた。
　それならばと夢呼は作戦を考えた。とりあえず、猫様を集める工夫をする。
　正直、夢呼の体力では、お猫様を追いかけられる気がしない。
　確定的に30秒でダウンしてしまうのがオチだろう。

　それならば他の作戦をと夢呼は考えた。餌は定番だろうという事で、煮干しを用意した。
　後は…百均ショップで買ってきた様々な大きさの箱や紙袋を、それとなく餌と一緒に配置する。
　どこかで猫ってこういうものに入りたがると聞いた事があったのだ。
　
　念入りに準備を終えた夢呼は、仕掛けから少し離れた所に身を隠し、そっとお猫様がやって来るのを待った。

　しばらくすると、仕掛けに猫が近寄ってきて、箱や袋があるのに気が付くと……すっと身を入れた。
　作戦成功だ！　夢呼は猫を脅かさないように静かに近付くと、そっとパタパタした。
　そして記念にスマホで自撮り写真with猫をしっかり撮っておくのだった。

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